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永明延寿と『宗鏡録』の研究

一心による中国仏教の再編

中国仏教を「一心」という概念によって統合化を図り、永明延寿の全体像を解明。中国仏教史に新たな息吹を伝える迫真の論考!

著者 柳 幹康
出版社 法藏館
ジャンル 各地域仏教 > 中国・朝鮮
出版年月日 2015/02/28
ISBN 9784831873897
判型・ページ数 A5・500ページ
定価 本体7,000円+税
在庫 在庫あり
中国仏教を「一心」という概念によって統合化を図り、その思想を『宗鏡録』100巻を著わした永明延寿の全体像を解明。中国仏教史に新たな息吹を伝える迫真の論考!
序論

第一章 人と著作
 第一節 延寿の生涯
 第二節 延寿の著作と思想
  一 『宗鏡録』
  二 『唯心訣』
  三 『註心賦』 
  四 『万善同帰集』
  五 『観心玄枢』
  六 『受菩薩戒法』
  七 著作に通底する一心の思想
 第三節 結論

第二章 隋唐の仏教解釈論と延寿
 第一節 隋唐の三宗 教判の展開
  一 天台の「五時八教」
  二 慈恩の「三時八宗」
  三 賢首の「五教十宗」
 第二節 中唐の宗密 教判の継承と拡張
  一 教判の継承と展開
  二 判釈対象の拡張
 第三節 五代の延寿 教判の解体と新たな仏教観の提示
  一 宗密の仏教解釈論の換骨奪胎
  二 教判の回収
  三 一切を映す宗鏡
  四 延寿の論拠
 第四節 結論

第三章 唐代禅の修証論と延寿
 第一節 神会による「頓悟」の宣揚 修行による悟りからありのままの悟りへ
 第二節 馬祖による「頓悟」の徹底 ありのままに悟りによる修行の棄却
 第三節 宗密の「頓悟漸修」論 馬祖禅批判と修行の再評価
  一 馬祖批判
  二 修密の修証論
  三 実践の体系
 第四節 延寿の「頓悟頓修」論 悟りと修行の新たな接合
  一 修密の修証論の換骨奪胎
  二 修行の再定義
  三 馬祖禅の再評価
  四 修証論の体系化
  五 宗鏡による仏教の一元化
 第五節 結論

第四章 『宗鏡録』と宋代仏教
 第一節 仏説にならぶ『宗鏡録』
  一 再評価と開板
  二 撮要本の作成
  三 『宗鏡録』の入蔵
 第二節 『宗鏡録』からの仏教解釈論の受容
  一 禅僧による仏説の開板
  二 法輪を転じる禅僧
  三 仏説流通の意義
 第三節 『宗鏡録』からの修証論の受容
  一 圜悟克勤の修証論 漸修と頓修
 第四節 『宗鏡録』と宋代禅宗
  一 「即心是仏」による禅宗の思想的統一
  二 『四分律』と『梵網経』による受戒の規範化
  三 仏教聖典要文集の編纂
 第五節 結論

第五章 後代における延寿像
 第一節 蓮宗祖師としての延寿と「禅浄一致」
  一 宋・・・蓮宗祖師像の形成
  二 元・・・方便として禅と浄土を併せ説く延寿
  三 明清・・・「禅浄一致」者としての延寿
 第二節 仏教再編者としての延寿と「教禅一致」
  一 宋・・・心宗による三宗の調停者
  二 元・・・教と禅の調停者
  三 明・・・「教禅一致」を含む仏教全体の再編者
  四 清・・・震旦第一の導師
 第三節 結論

結論
附録 『永明智覚禅師方丈実録』翻刻テキストと訳注

参考文献
初出一覧
あとがき
索引

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