話題の本【書評】(2024年9月~) - 2024.10.31
修行と信仰 【岩波現代全書94】
変わるからだ 変わるこころ
人はなぜ求道のために身体を酷使するのだろうか。霊性の獲得のためだろうか。修行の結果、到達した境地とはいかなるものなのだろうか。比叡山、石上神宮、東大寺、臨済禅など、神道・仏教から現代の新宗教まで、宗派を問わず信仰の現場におもむいて荒行に参加する体験を通して、日本人にとっての「聖なるもの」のありかを追求するルポ。
序章 行の果てに仏が出現 比叡山好相行
1 精神の危機のなか比叡山へ
2 霊性の覚醒が出家の道へ
3 仏が現前する好相行
4 自己消滅のとき釈迦が顕現
第1章 修行とは何か その原理
1 宗教体験とどう向き合うか
2 修行 そのダイナミズム
3 修行の動機と行為の累計
4 「語りえぬもの」の神秘
5 宗教体験の人類共通性
第2章 魂を揺り動かす鎮魂行法 石上神宮
1 「布留部神業」の実践
2 「鎮魂」の源流である「たまふり」
3 「禊」とその神話的起源
4 杜の奥深くにての禊行法
5 壮大な叙事詩である大祓詞
6 荒行には否定的
第3章 万民快楽へ潔斎と懺悔 東大寺修二会
1 「お水取り」の実像
2 前行における厳しい潔斎
3 大中臣祓、一名「天狗寄せ」とは
4 授戒から、いよいよ本行へ
5 咒師の作法と覚悟
第4章 即身成仏への護摩・求聞持法 密教
1 空海密教、上陸宣言
2 悟り=「即身成仏」をめざして
3 求聞持法 行中の「魔」
4 八千枚護摩 断食断塩、真言十万遍
5 二一年目 苦行の否定へ
6 大歓喜体験、「本不生」の気づき
7 境地の深まりへ
第5章 念仏の三昧発得 法然・弁栄の道
1 念仏とは何か ニシオギから平安京へ
2 現代のカトリック神父が自ら重ねた法然
3 アナキズム学制運動のなかで念仏に遭遇
4 四国を尺八吹いて托鉢
5 「光の体験」をする
6 善導、法然に「光の体験」を探る
7 山崎弁栄という近代の念仏行者
8 宗教的真理は人格を介して伝わる
第6章 隻手音声と無の悟り 臨済禅
1 空をつん裂く警策
2 インダス文明から釈迦、中国へ
3 「公案禅」のはじまり
4 修行 公案禅の仕掛けとは
5 「片手の出す音を聞け」
6 カナダ人、来庵師
7 なぜ雪の夜に裸身を晒したか
8 「宗教から解き放たれた」
第7章 水行・白粥・読経の荒行 遠寿院
1 「大荒行成満会」の朝
2 日蓮、ただ一人法華経を真に読む
3 日蓮による祈祷と法華経の抜粋聖典
4 祈祷修法の展開 日蓮没後から明治維新
5 睡眠三時間 水行七度
6 読経三昧のなかから聞こえてくるもの
7 祈祷成就の原理
第8章 山岳・断食断水・窟籠り 大峯修験
1 修験道とそのルーツ
2 絶望の淵から吉野山へ
3 大峯千日回峰へ
4 回峰満行そして四無行 だが―
5 笙ノ窟籠りで「聖波動」の発見
第9章 この身が即ち仏へ 羽黒修験荒澤寺
1 唯一、中世の伝統をひく秋のお祀り
2 一の宿 地獄の修行は煙責め
3 二の宿 神秘の時空、柴灯護摩
4 三の宿 三鈷沢への練行、そして再誕
5 大先達の憂鬱 観光資源化とブログ
6 大先達の超自然力
第10章 奔出する神仏の託宣 御嶽教「御座」
1 「日本アルプスの父」が見たもの
2 「王御嶽」から「御嶽」へ そして開山
3 普寛の御嶽山開闢のさま
4 「中座」への修行
5 修行、精神統一と神霊降臨
6 御神勅で語られること
第11章 大音声を発する御祓修行
1 大音声の修行
2 「麁食少食」と「息の術」による転換
3 正鐡の宗教的回心 開教と弾圧
4 御祓修行の近現代
5 「お伝え」の神秘
第12章 釜ヶ崎で解放の聖書を訳す 本田哲郎神父
1 大阪・釜ヶ崎「労働者のミサ」
2 「憐れみたまえ」は正しいか
3 「よい子症候群」の神父
4 フランシスコ会日本管区長に、だが
5 釜ヶ崎で救われたのは本田師
6 釜ヶ崎でつかんだ聖書の核心
7 「心の貧しい人々は、幸いである」の正訳
注
参考文献
あとがき
1 精神の危機のなか比叡山へ
2 霊性の覚醒が出家の道へ
3 仏が現前する好相行
4 自己消滅のとき釈迦が顕現
第1章 修行とは何か その原理
1 宗教体験とどう向き合うか
2 修行 そのダイナミズム
3 修行の動機と行為の累計
4 「語りえぬもの」の神秘
5 宗教体験の人類共通性
第2章 魂を揺り動かす鎮魂行法 石上神宮
1 「布留部神業」の実践
2 「鎮魂」の源流である「たまふり」
3 「禊」とその神話的起源
4 杜の奥深くにての禊行法
5 壮大な叙事詩である大祓詞
6 荒行には否定的
第3章 万民快楽へ潔斎と懺悔 東大寺修二会
1 「お水取り」の実像
2 前行における厳しい潔斎
3 大中臣祓、一名「天狗寄せ」とは
4 授戒から、いよいよ本行へ
5 咒師の作法と覚悟
第4章 即身成仏への護摩・求聞持法 密教
1 空海密教、上陸宣言
2 悟り=「即身成仏」をめざして
3 求聞持法 行中の「魔」
4 八千枚護摩 断食断塩、真言十万遍
5 二一年目 苦行の否定へ
6 大歓喜体験、「本不生」の気づき
7 境地の深まりへ
第5章 念仏の三昧発得 法然・弁栄の道
1 念仏とは何か ニシオギから平安京へ
2 現代のカトリック神父が自ら重ねた法然
3 アナキズム学制運動のなかで念仏に遭遇
4 四国を尺八吹いて托鉢
5 「光の体験」をする
6 善導、法然に「光の体験」を探る
7 山崎弁栄という近代の念仏行者
8 宗教的真理は人格を介して伝わる
第6章 隻手音声と無の悟り 臨済禅
1 空をつん裂く警策
2 インダス文明から釈迦、中国へ
3 「公案禅」のはじまり
4 修行 公案禅の仕掛けとは
5 「片手の出す音を聞け」
6 カナダ人、来庵師
7 なぜ雪の夜に裸身を晒したか
8 「宗教から解き放たれた」
第7章 水行・白粥・読経の荒行 遠寿院
1 「大荒行成満会」の朝
2 日蓮、ただ一人法華経を真に読む
3 日蓮による祈祷と法華経の抜粋聖典
4 祈祷修法の展開 日蓮没後から明治維新
5 睡眠三時間 水行七度
6 読経三昧のなかから聞こえてくるもの
7 祈祷成就の原理
第8章 山岳・断食断水・窟籠り 大峯修験
1 修験道とそのルーツ
2 絶望の淵から吉野山へ
3 大峯千日回峰へ
4 回峰満行そして四無行 だが―
5 笙ノ窟籠りで「聖波動」の発見
第9章 この身が即ち仏へ 羽黒修験荒澤寺
1 唯一、中世の伝統をひく秋のお祀り
2 一の宿 地獄の修行は煙責め
3 二の宿 神秘の時空、柴灯護摩
4 三の宿 三鈷沢への練行、そして再誕
5 大先達の憂鬱 観光資源化とブログ
6 大先達の超自然力
第10章 奔出する神仏の託宣 御嶽教「御座」
1 「日本アルプスの父」が見たもの
2 「王御嶽」から「御嶽」へ そして開山
3 普寛の御嶽山開闢のさま
4 「中座」への修行
5 修行、精神統一と神霊降臨
6 御神勅で語られること
第11章 大音声を発する御祓修行
1 大音声の修行
2 「麁食少食」と「息の術」による転換
3 正鐡の宗教的回心 開教と弾圧
4 御祓修行の近現代
5 「お伝え」の神秘
第12章 釜ヶ崎で解放の聖書を訳す 本田哲郎神父
1 大阪・釜ヶ崎「労働者のミサ」
2 「憐れみたまえ」は正しいか
3 「よい子症候群」の神父
4 フランシスコ会日本管区長に、だが
5 釜ヶ崎で救われたのは本田師
6 釜ヶ崎でつかんだ聖書の核心
7 「心の貧しい人々は、幸いである」の正訳
注
参考文献
あとがき