入門近代仏教思想 【ちくま新書1201】

著者 碧海 寿広
出版社 筑摩書房
ジャンル 日本仏教 > 日本仏教総論
出版年月日 2016/08/10
ISBN 9784480069115
判型・ページ数 新書・282ページ
定価 本体880円+税
在庫 在庫あり
近代思想としての仏教は、西洋哲学との出会いの中から生まれた。仏教を哲学的な宗教として捉え直した井上円了や清沢満之の思想は、日本の独創的哲学の原点となり、やがて明治後期には青年たちの人生の指針たり得るような、教養としての仏教思想が一大ブームを迎える。『歎異抄』を典拠とした近角常観や暁烏敏、倉田百三らの仏教思想は、大正教養主義のうねりを経て、やがて昭和の戦火の中に突入していく―仏教が近現代人の思考に及ぼした、深く広い影響を解明する野心作。
まえがき―忘れられた近代思想

序章 近代仏教の形成と哲学
 1 明治仏教の前提
 2 近代社会と真宗
 3 仏教と哲学の出会い
 
第一章 仏教の哲学化―井上円了
 1 哲学による国民啓蒙
 2 護国愛理と活仏教
 3 仏教と哲学の蜜月

第二章 哲学と信仰のあいだ―清沢満之
 1 学問による宗教改革
 2 有限と無限の思考
 3 哲学と信仰の境界

第三章 宗教体験と伝統―近角常観
 1 信仰による社会形成
 2 伝統仏教を体験する
 3 煩悶と教養の時代

第四章 読書による救い―暁烏敏
 1 書物による世界構築
 2 教養主義者の救済論
 3 読書と仏教の近代

第五章 私だけの親鸞―倉田百三
 1 教養による自己確立
 2 物語られる宗教
 3 仏教の教養化

終章 近代仏教思想の可能性
 1 戦時下の仏教
 2 近代と仏教の想起

あとがき
参考文献

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