話題の本【書評】(2024年9月~) - 2024.10.31
バウッダ [佛教] 【講談社学術文庫】
原始仏教の発生から大乗仏教へ釈尊の教えの真実とは何か――
真の仏教学が解明する壮大な仏教思想の全貌
バウッダ――サンスクリット語で「仏の教えを信奉する人」の意である。2500年におよぶ歴史の中で、誤解と偏見に満ちた教学により誤伝されてきた釈尊の思想の壮大な全貌と、初期仏教の発生から大乗仏教、密教へと展開する過程を、膨大な経典群から探究。単なる宗教の枠を超え、思想としての仏教の実像を鮮やかに描き出した、日本仏教学の達成。
原始経典アーガマ(阿含経典)に釈尊の真の教えをさぐり、その根底をなす苦、無常、無我、法、涅槃を考察、さらに釈迦入滅数百年後に登場する部派仏教や大乗仏教、そこに現れる仏・菩薩に、日本仏教の源流を見る。膨大な経典群に探究する釈迦の教え、仏教の歴史と哲学。思想としての仏教と、日本仏教の独自性を解明した真の意味の仏教入門書。