民衆救済と仏教の歴史 下

古代から中世にかけて、日本の仏教が都市の発達と民衆救済にどのように影響を及ぼしてきたかを紐解く。

序文　2万年前の気候変動
まえがき

第一章　日本仏教の創成期・聖徳太子や道昭の活動
　第一章の概要
　第1節　BC6000年以降日本の温暖期寒冷期サイクル
　第2節　扶桑略記は皇円編纂とされる平安時代の私選歴史書で総合的な日本仏教文化史
　第3節　飛鳥遺跡出土の木簡が示す道昭の東南禅院跡・富本銭も出土
　第4節　日本霊異記が伝える聖徳太子と道昭の事蹟
　第5節　奈良市の薬師寺創立・東塔は創建当時の建造物
　第6節　奈良県斑鳩町の法隆寺釈迦三尊像・奈良時代の鞍作止利作
　第7節　奈良県生駒市国の史跡・行基墓
　　　　　　行基は東大寺大仏建立の勧進に尽力
　第8節　富本銭と和同開珎
　　　　　　富本銭が流通した後和同開珎が鋳造され流通した
　第9節　日本暦の歴史　日本書紀巻19が語る日本最初の暦の入手
　第10節　日本最古の暦使用の刀剣発掘
　　　　　　福岡県・元岡古墳群より出土した暦（年号）記載の刀剣
　第11節　宮内庁正倉院事務所所蔵の下総国葛飾郡大島郷戸籍・現存最古の戸籍
　第12節　戸籍を示す最古の木簡
　　　　　　福岡・大宰府で出土の2012/06/13新聞記事
　第一章の主な参考文献

第二章　新薬師寺の創建・東大寺創建と良弁の活動・延暦寺の創立・空海の事蹟
　第二章の概要
　第13節　新薬師寺創建と歴史
　第14節　東大寺縁起絵巻に描かれた良弁と東大寺の関わり・良弁直筆の造寺命令書
　第15節　神奈川県丹沢山中大山寺と大山寺縁起文
　第16節　秦野市の宝蓮寺と大日堂
　第17節　奈良市唐招提寺の創建と歴史
　第18節　延暦寺の創立と第2代座主円仁の『入唐求法巡礼記』
　第二章の主な参考資料

第三章　源信・空也・空海の事蹟と温暖期の大地震・津波及び火山噴火の歴史
　第三章の概要
　第19節　恵心僧都源信の往生要集大要と仏教界への影響
　第20節　空也上人と六波羅蜜寺
　第21節　空海の活動と灯明の発展
　第22節　獅子身中の虫・狛犬の由来と歴史
　第23節　温暖期の大地震・津波及び火山噴火の歴史（5世紀～11世紀前半）
　第三章の主な参考資料

第四章　平安時代より鎌倉時代へ：扇面古写経等の絵巻が伝える生活・生活の利便性向上・法然と親鸞、そして御成敗式目の成立
　第四章の概要
　第24節　四天王寺所蔵の扇面古写経
　第25節　融通念仏絵巻が物語る念仏の御利益
　第26節　絵巻が伝える湯屋の歴史
　第27節　厳島神社と平家納経
　第28節　祝賀料理に含まれた高級食品の蒲鉾
　第29節　小氷期の異常気象・大地震・津波及び火山噴火の歴史（11世紀後半～13世紀）
　第30節　法然上人の時代と浄土宗開創
　第31節　親鸞聖人の六角堂参籠と生涯
　第32節　武家の支配と御成敗式目
　第四章の主な参考資料

第五章　交通事情の向上と時宗及び産業の発展・禅宗の発展と生活の向上
　第五章の概要
　第33節　河は軍勢などの国家権力しか渡れなかった・浮橋の作成
　第34節　関東大地震で表れた鎌倉時代の相模川橋脚
　第35節　時宗の始まり一遍上人・二代遊行上人と藤沢遊行寺の創立者呑海上人
　第36節　太空上人の事蹟・実盛供養、敵味方平等供養塔と小栗判官と照手姫物語
　第37節　時宗が伝えた板作りの革命―槍鉋による板作りから立引き鋸による板作成
　第38節　鎌倉の和賀江島の歴史
　第39節　喫茶養生記と茶産業の発展・健康の増進
　第40節　道元が伝えた精進料理の革新
　第41節　曹洞宗を大発展させた總持寺峨山禅師の輪住制度（置文）
　第42節　日蓮の立正安国論と蒙古襲来
　第43節　時宗の発展は賦算の賜物
　第44節　時宗による商工業の発展
　第五章の主な参考資料

第六章　成熟期の禅宗の遺産・火縄銃が変えた戦争そして黄檗宗の文化への貢献
　第六章の概要
　第45節　京都金閣寺の創建と庭園の美
　第46節　京都龍安寺の石庭
　第47節　京都天竜寺の庭園
　第48節　室町時代中期の水墨画家周文の生涯と三益斎図
　第49節　雪舟の生涯と天橋立図
　第50節　浄土真宗石山（大阪）本願寺の歴史
　第51節　山奥の越中五箇山で造られた鉄砲に必要な煙硝
　第52節　黄檗宗の伝来と一切経・我が国図書館の曙
　第53節　黄檗宗の普茶料理・新しい精進料理
　第六章の主な参考資料

下巻　挿表・図版リスト
索引
あとがき