経営と宗教 メタ理念の諸相

著者 住原 則也
出版社 東方出版(大阪)
ジャンル 入門・お経・実用 > 仏事・実用
出版年月日 2014/03/01
ISBN 9784862492272
判型・ページ数 A5・324ページ
定価 本体5,000円+税
在庫 お取り寄せ
教義を解釈し実践する経営者たち。信仰・信念に基づく事業展開をとおして社会に資するビジネスのダイナミズムをさまざまな事例から映し出す。   (「BOOK」データベースより)
序章「メタ理念」「精神財」宗教(性)と経営(者)の関係の諸類型…住原則也(天理大学教授)
  1「メタ理念・経営理念」と実践行為の関係のダイナミズム 
  2「精神財」としての経営理念と宗教性   宗教的「メタ理念」の二重性
  3 経営者と思想・宗教との関係の諸類型
  4 本書の構成

第Ⅰ部 国内の事例
 第1章 神のことばが良い実を結ぶ
  1 事業の成長と社内の対立
  2 山根牧師の信仰とアシュラム運動
  3 池の上キリスト教会の働き
  4 罪・義・さばきの構造
  5 使命とみ言葉の種蒔きの働き
  6 聖書的経営の三位一体モデル
 第2章 財界リーダー中島久万吉と仏教的精神
    はじめに――中島久万吉の略歴など
  1 帝人事件以前における禅との関わり   湘煙女史から禅趣味、釈宗演との関係
  2 修行期
  3 精神的指導者期
  おわりに
 第3章 民間宗教事業家としての行基…中牧弘允(吹田市立博物館長)
     はじめに
     行基の宗教事業
     大仏造立の請負事業
     おわりに
 第4章 経営者にとっての内観…川上恒雄(PHP研究所主席研究員)
     はじめに
  1 内観の基本的方法
  2 社員研修では何が期待されるのか
  3 経営者が内観を実践する理由――松井利夫氏の事例から
  4 ゴールなき反復実践――合理性を超えて
 第5章 天理教信仰と企業経営の狭間で見えてくるもの
    1 中山みき(1798~1888)の教え
    2 株式会社シオザワの信仰と事業の歴史
    結語
 第6章 「自分だけの信仰」論―ある経営者の信仰体験から…大森弘(近畿大学名誉教授)
    序言――信仰体験の仮説
    1 宗教社会学からの検証
    2 宗教人類学からの検証
    3 「〈私〉だけの神」論からの検証
    4 フロー体験としての信仰
    5 「喜びの現象学」としての信仰
    結語――パラダイムとしての信仰
 第7章 「道」に昇華される経営
    はじめに――なぜ経営に「道」がつくのか
    1 鍵山秀三郎氏の「掃除道」
       掃除のカリスマ/氏の生い立ちと経営実績/静謐のリーダーシップ
    2 坂田道信氏の「ハガキ道」
       個人の郵便番号を持つ人物/森信三の影響/妙好人的信奉
    おわりに――スキルを超えた「道」へ
       鍵山氏、坂田氏の共通性と実践経営上の効果/メタ理念として昇華される「道」

第Ⅱ部 海外の事例
 第8章 ゾロアスター教徒の造ったインドの巨大財閥
    はじめに
    インドのゾロアスター教徒=パルシー(Parsi)
    タタ一族とタタ・グループ創業者ジャムシェトジ・タタの小史
    「包括的合理主義」の精神
    宗祖ゾロアスターの教え
    五代目会長ラタン・タタ
    タタ・サンズ(Tata Sons)によるタタ・グループの掌握
    現在のタタ・グループの企業理念――企業目的と五つの価値
    「正しい」ビジネスを実現するためのTBEMとTCoC
    高基準の経営査定システム――TBEMのプロセス
    経営査定システムに見える思想――whatよりもhowの重視
    倫理の強調――TCoCに基づくもう一つの査定
    おわりに
 第9章 「官民連動」による国際救援活動
    はじめに
    1 東日本大震災における台湾からの支援 人的支援/金銭的支援/物的支援
    2 慈済会の国際救援活動 慈済会の組織概要/慈済会の国際救援活動
    3 東日本大震災における慈済会の支援活動と受益者をめぐる考察
    おわりに――慈済会による東日本大震災支援と「官民連動」

第Ⅲ部 宗教文化としてのメタ理念
 第10章 東芝創業者・田中久重と仏教天文学
    はじめに
    田中久重と仏教天文学――須弥山儀と梵暦運動
    須弥山儀と和時計の技術――三体の須弥山儀
    万年時計と須弥山儀・縮象儀――和時計の技術と宇宙論の深化
    田中久重と佐田介石――視実等象論と日本の技術
    まとめ
 第11章 イスラームのメタ理念「ハラール」の食品産業
    はじめに――グローバル経済のなかでのイスラーム圏市場の拡大
    1 イスラームのメタ理念「ハラール」と「ハラーム」
    2 日本におけるムスリムとハラール食品産業
    3 日本の研修機関や大学食堂でのハラール・メニューの広がり
    4 日本企業家によるイスラーム圏市場向けのハラール食品産業の胎動
    おわりに――ハラール産業のもつ可能性とその課題

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