日本仏教の医療史

著者 新村 拓
出版社 法政大学出版局
ジャンル 日本仏教 > 日本仏教総論
出版年月日 2013/11/01
ISBN 9784588312120
判型・ページ数 B6・306ページ
定価 本体3,300円+税
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病に苦しみ、死苦に脅える人びとに対して、日本仏教はいかに関わってきたのか。自然科学をベースとする医学を仏教はどのように取り込み、苦痛の解消に役立ててきたのか。厖大な文献を渉猟し、絵巻に見る病の図像を参照しつつその歴史を克明に跡づける。
第1章 生を脅かす病
 一 病苦の両義性
 二 仏教に期待された治病利益
 三 不確実な医療を補う祈療

第2章 仏教の病因論と治方論
 一 定命・定業としての死
 二 病因についての一般認識
 三 『摩訶止観』にみる病因
 四 病因に対応した治方

第3章 交錯する祈療と医療
 一 叡山における祈療と医療
 二 死を伝染させる伝屍病
 三 わが国にもたらされた仏教医学
 四 慈悲布施行としての看病

第4章 看取りと往生
 一 死を迎える
 二 臨終看病の作法
 三 臨終正念を求めない看病
 四 仏道修行を支える医薬
 五 仏道修行の障りとなる医薬
 六 医薬を拒む僧 医薬に親しむ僧
 七 「念死念仏」を心がけた人の臨終

第5章 天皇を看取る
 一 灸治の制約と脈診の盛行
 二 死を迎える堀河天皇の心理と看取り
 三 後嵯峨法皇と中院雅忠の死

第6章 時衆・遊行聖における病
 一 癩者と時衆
 二 生命体としての念仏
 三 病への身の処し方
 四 時衆と金創医
 五 宗教行為としての臨終看病

第7章 絵巻にみる病の図像

第8章 病に向けられた仏教者の目
 一 祈療と医療を使い分けた明恵
 二 念仏の治病利益と法然
 三 医薬に親しむ親鸞・覚如・蓮如
 四 医療と護符を用いた日蓮

第9章 薬種の栽培と製薬に励む寺僧

第10章 僧と医師を兼ねる者たち
 一 僧医の推移
 二 僧医の系譜

第11章 沢庵と白隠の医学
 一 道三流医学を修めた沢庵
 二 調息法と道三流医学を修めた白隠

第12章 明治の医療政策と仏教

あとがき
索引

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