話題の本【書評】(2024年9月~) - 2024.10.31
神異僧と美術伝播
「神異僧」(じんいそう)とは、主に中国を中心とする東アジアの仏教文化において、常人ならざる法力でもって生前・没後に怪異・奇跡を起こし、崇敬を集めた僧侶のこと。
本書でとりわけ注目される神異僧の劉薩荷(りゅうさっか)は、中国では聖人と崇敬される一方で、日本では冥界の罪人として描かれる(『六道絵』極楽寺所蔵)など、日中でのまったく異なる性質に近年注目が集まっている。
文学、美術、伝承など様々な媒体に登場する彼ら神異僧の存在は、学際的視野のもと、仏教美術研究の新たな可能性を秘めている。
本書は、2017年に大和文華館で開催された、神異僧をめぐるシンポジウムをもとにした画期的な論文集である。
本書でとりわけ注目される神異僧の劉薩荷(りゅうさっか)は、中国では聖人と崇敬される一方で、日本では冥界の罪人として描かれる(『六道絵』極楽寺所蔵)など、日中でのまったく異なる性質に近年注目が集まっている。
文学、美術、伝承など様々な媒体に登場する彼ら神異僧の存在は、学際的視野のもと、仏教美術研究の新たな可能性を秘めている。
本書は、2017年に大和文華館で開催された、神異僧をめぐるシンポジウムをもとにした画期的な論文集である。
第一章 神異僧研究への誘い
神異僧をめぐって
神異僧の霊験譚
第二章 中国の神異僧―劉薩訶の信仰と美術
神異僧図を軸とした美術作品の伝播と受容の様相
劉薩訶、涼州瑞像信仰と中世歴史地理
劉薩訶の美術
第三章 日本における神異説話の受容と展開
極楽寺本六道絵の制作の構想について
極楽寺本六道絵に描かれた器物等に関する考察
第四章 神異表現を起点とした作品研究の広がり
唐代法津禅師の墓誌銘と塔銘研究
山西博物院蔵絹本地蔵十王像研究
結語―神異僧研究の展望
神異僧をめぐって
神異僧の霊験譚
第二章 中国の神異僧―劉薩訶の信仰と美術
神異僧図を軸とした美術作品の伝播と受容の様相
劉薩訶、涼州瑞像信仰と中世歴史地理
劉薩訶の美術
第三章 日本における神異説話の受容と展開
極楽寺本六道絵の制作の構想について
極楽寺本六道絵に描かれた器物等に関する考察
第四章 神異表現を起点とした作品研究の広がり
唐代法津禅師の墓誌銘と塔銘研究
山西博物院蔵絹本地蔵十王像研究
結語―神異僧研究の展望