考証 日本霊異記 中

日本最古の説話集『日本霊異記』を、歴史学の手法で初めて読み解く。真福寺本を底本に、校異や詳細な註、説話等の関連史料を網羅。

著者 本郷 真紹
駒井 匠
出版社 法藏館
ジャンル 文学・随筆
出版年月日 2018/03/30
ISBN 9784831856982
判型・ページ数 A5・528ページ
定価 本体10,000円+税
在庫 在庫あり
9世紀初頭に成立した日本最古の仏教説話集『日本霊異記』は、これまで主に国文学の立場からの研究成果として多くの注釈書が刊行されてきた。
本書は歴史学の立場から『日本霊異記』を検討したはじめての注釈書。
巻頭図版

凡  例





目録 己が高徳を恃み賤しき形の沙弥を刑ち以て現に悪死を得る縁 第一

烏の邪婬を見て世を厭ひ善を修する縁 第二

悪逆なる子妻を愛しびて母を殺さむと謀り現報に悪死を被る縁 第三

力女力を試みに〓〔手偏+角〕し縁 第四

漢神の祟りに依り牛を殺して祭り又放生の善を修して以て現に善悪の報を得る縁 第五

誠心を至して法華経を写し奉り験有りて異しき事を示す縁 第六

智者変化の聖人を誹り妬みて現に閻羅の闕に至り地獄の苦を受くる縁 第七

蟹と蝦の命を贖ひて放生し現報を得る縁 第八

己が寺を作り其の寺の物を用ゐて牛と作りて役はるる縁 第九

常に鳥の卵を煮て食ひて以て現に悪死の報を得る縁 第十

僧を罵ると邪婬するとにより悪病を得て死ぬる縁 第十一

蟹と蝦の命を贖ひて放生し現報に蟹に助けらるる縁 第十二

愛欲を生じて吉祥天女の像に恋ひ感応して奇しき表を示す縁 第十三

窮しき女王吉祥天女の像に帰敬し現報を得る縁 第十四

法華経を写し奉り供養することに因りて母の女牛と作る因を顕はす縁 第十五

布施せざると放生するとに依りて現に善悪の報を得る縁 第十六

観音の銅像鷺の形に反化して奇しき表を示す縁 第十七

法花経を読む僧を呰りて現に口?斜みて悪死の報を得る縁 第十八

心経を憶持する女現に閻羅王の闕に至り奇しき表を示す縁 第十九

悪しき夢に依り誠の心に至りて経を誦せしめ奇しき表を示して命を全うするを得る縁 第二十

摂の神王の〓〔足偏+?〕の光を放ち奇しき表を示して現報を得る縁 第二十一

仏の銅像盗人に捕れて霊しき表を示し盗人を顕す縁 第二十二

弥勒菩薩の銅像盗人に捕れて霊しき表を示し盗人を顕す縁 第二十三

閻羅王の使の鬼召さるる人の賂を得以て免す縁 第二十四

閻羅王の使の鬼召す所の人の饗を受け恩に報いる縁 第二十五

仏像を作り畢はらずして棄てたる木異霊しき表を示す縁 第二十六

力女強き力を示す縁 第二十七

極めて窮れる女尺迦の丈六の仏に福分を願ひ奇しき表を示して現に大福を得る縁 第二十八

行基大徳天眼を放ち女人の頭に猪の油を塗れるを視て呵嘖する縁 第二十九

行基大徳子を携ふる女人の過去の怨を視て淵に投げしめ異しき表を示す縁 第三十

塔を建てむとして発願しし時に生める女子舎利を捲りて産まるる縁 第三十一

寺の息利の酒を貸り用ゐて償はずして死に牛と作りて役はれ債を償ふ縁 第三十二

女人悪鬼に点められて食?はれたる縁 第三十三

孤なる嬢女観音の銅像に憑り敬ひて奇しき表を示して現報を得る縁 第三十四

法師を打ちて以て現に悪病を得て死ぬる縁 第三十五

観音の木像神力を示す縁 第三十六

観音の木像火難に焼けず威神力を示す縁 第三十七

慳貪に因りて大?と成る縁 第三十八

薬師仏の木像水に流れ沙に埋もれて霊しき表を示す縁 第三十九

悪事を好む者以て現に利鋭に誅られ悪死の報を得る縁 第四十

女人大?に婚はれ薬の力に頼りて命を全くすることを得る縁 第四十一

極めて窮しき女千手観音の像に憑り敬ひ福分を願ひ以て大なる富を得る縁 第四十二



諸本訓釈



解  説(本郷真紹)

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後  記

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