話題の本【書評】(2024年9月~) - 2024.10.31
変貌と伝統の現代インド 【龍谷大学国際社会文化研究所叢書21】
アンベードカルと再定義されるダルマ
カースト絶滅を標榜したアンベードカルの思想とその活動。今も息づく伝統概念 “ダルマ”。新旧織りなす2つの思想を考察することで、激しく躍動する現代インドに一定のパースペクティブを投げかける。
本書に収められている論考は、龍谷大学国際社会文化研究所において、二〇一三年度から二〇一四年度の二年間にわたり「現代インド変貌の諸相――マイノリティとマージナリティの視点から」というテーマのもとにすすめられた共同研究の成果の一部である。
共同研究では、ますますダイナミックに躍動しつつある現代インド社会の実際の姿を、マイノリティとマージナリティの視点から捉えるとともに、それを支えている論理や原理が、伝統的なインド思想とどのように繋がり、また同時に相克する関係にあるのかということについて議論を重ね、考察をおこなった。共同研究に参画したのは、歴史学、文献学、文化人類学、宗教学、仏教学など、さまざまなディシプリンにもとづいて南アジア地域の歴史・文化・社会・政治・宗教を研究の対象としている研究者である。それぞれの研究者が、それぞれのディシプリンにもとづいて、現代インド社会の実際の姿を理解する視座を提供しようと試みている。
本書に収められている論考は、龍谷大学国際社会文化研究所において、二〇一三年度から二〇一四年度の二年間にわたり「現代インド変貌の諸相――マイノリティとマージナリティの視点から」というテーマのもとにすすめられた共同研究の成果の一部である。
共同研究では、ますますダイナミックに躍動しつつある現代インド社会の実際の姿を、マイノリティとマージナリティの視点から捉えるとともに、それを支えている論理や原理が、伝統的なインド思想とどのように繋がり、また同時に相克する関係にあるのかということについて議論を重ね、考察をおこなった。共同研究に参画したのは、歴史学、文献学、文化人類学、宗教学、仏教学など、さまざまなディシプリンにもとづいて南アジア地域の歴史・文化・社会・政治・宗教を研究の対象としている研究者である。それぞれの研究者が、それぞれのディシプリンにもとづいて、現代インド社会の実際の姿を理解する視座を提供しようと試みている。
はじめに(嵩 満也)
Ⅰ 現代インド変貌の諸相――アンベードカルの思想とインド下層民の台頭
アンベードカルにおけるカースト絶滅の道とブッダのダンマ(嵩 満也)
宗教、民主主義に対するアンベードカルの見解(ゴウリ・ヴィシュワナータン)
インドの仏教とダリト解放運動(ガンシャム・シャー)
[COLUMN] 一九八〇年代におけるダリト・パンサー運動との出会いと交流(佐藤智水)
仏教とともに生きて――現代ウッタル・プラデーシュ州における仏教運動と仏教実践(舟橋健太)
インドにおける子どもの権利・貧困・エンパワーメント(中根智子)
[COLUMN] スリランカ仏教とカースト制――民族抗争の結果(中村尚司)
[COLUMN] 成長するインドICTサービス産業の担い手たち(鍬塚賢太郎)
Ⅱ 現代に生きるインドの伝統思想――ダルマと幸福を再定義する
古典期バラモン教におけるダルマの定義とその正当性の認識根拠(パトリック・オリヴェル)
ダルマの相続者(若原雄昭)
翻訳において失われたもの――植民地時代のヒンドゥー法の一元的処理(ヴェルナー・メンスキー)
普遍的法則としてのダルマ――仏教的パースペクティブ(桂 紹隆)
幸福(ウェルビーイング)探求の支えとしてのダルマ――秩序の再構築過程に着目して(田辺明生)
[COLUMN] ダルマの系譜(井狩彌介)
Ⅰ 現代インド変貌の諸相――アンベードカルの思想とインド下層民の台頭
アンベードカルにおけるカースト絶滅の道とブッダのダンマ(嵩 満也)
宗教、民主主義に対するアンベードカルの見解(ゴウリ・ヴィシュワナータン)
インドの仏教とダリト解放運動(ガンシャム・シャー)
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仏教とともに生きて――現代ウッタル・プラデーシュ州における仏教運動と仏教実践(舟橋健太)
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Ⅱ 現代に生きるインドの伝統思想――ダルマと幸福を再定義する
古典期バラモン教におけるダルマの定義とその正当性の認識根拠(パトリック・オリヴェル)
ダルマの相続者(若原雄昭)
翻訳において失われたもの――植民地時代のヒンドゥー法の一元的処理(ヴェルナー・メンスキー)
普遍的法則としてのダルマ――仏教的パースペクティブ(桂 紹隆)
幸福(ウェルビーイング)探求の支えとしてのダルマ――秩序の再構築過程に着目して(田辺明生)
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