エホバの証人は日本においていかに展開したのか。いまだ学術的な検討がなされていないその課題に宗教社会学的な視点から挑み、新宗教研究に新たな知見と視点を提供する。
序 章 外来のキリスト教系新宗教の分析視座
一 問題の所在
二 分析視座と分析枠組
第一章 エホバの証人の救済観と組織観
一 エホバの証人における終末論と社会志向性
二 エホバの証人の救済観と「神権組織」
第二章 灯台社の時代:一九二六年から一九四七年
一 前史:明石順三について
二 日本におけるワッチタワーの展開
三 最初の弾圧から投獄まで
四 釈放から灯台社の終焉まで
第三章 不確定の時代:一九四八年から一九七〇年代半ばまで
一 宣教者の派遣
二 宣教者による布教活動:一九五〇年代
三 日本人信者の動員:一九六〇年代から一九七〇年代半ばまで
四 日本人信者による支部運営の開始
第四章 柔順の時代:一九七〇年代半ばから一九九〇年代半ばまで
一 世界本部の布教方針と日本支部の教育プログラム
二 信者たちの布教生活
三 教団内外における「課題」と対応
第五章 忍従の時代:一九九〇年代半ば以降
一 入信者の減少とその背景
二 離脱者の増加とその要因
三 世界宣教における日本支部の位置
結 章 日本のエホバの証人における〈本部志向〉とは
一 教説と布教方針の係数としての〈本部志向〉
二 拡大要因/停滞要因としての〈本部志向〉
資料編 世界各国の信者数等の推移
参考文献/初出一覧/あとがき/索 引