ソシュールとインド

構造主義の源流を求めて

著者 川村 悠人
出版社 人文書院
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2025/10/30
ISBN 9784409031438
判型・ページ数 4-6・238ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
構造主義の起源はインドにあったのか?

構造主義言語学の祖、ソシュールが唱えたシニフィアン、シニフィエ、差異といった概念は20世紀の思想を一新し、いまなお影響を及ぼしている。しかし、はるか以前、古代・中世インドにおいて極めて類似した考え方を提示した文法家たちがいた。そして実は、ソシュールは早熟なサンスクリット語学者でもあった。時を越えて響きあう思想の類似ははたして偶然なのか。インド文法学の気鋭が厳密な比較考察で挑む、思想史を塗り替える可能性を秘めた比類なき知的冒険。
序論
  ソシュールの相貌 ソシュールと仏教 ソシュールとインド文法学
  本書の位置づけ 本書の構成

第一章 ソシュールとサンスクリット語  
 一 サンスクリット語とインド・ヨーロッパ語比較言語学
  サンスクリット語について インド・ヨーロッパ語族 サンスクリット語の発見
 二 ソシュールとインド・ヨーロッパ語比較言語学
  ソシュールの生きた時代 ソシュールとボップ 青年文法学派 比較言語学のいま
 三 ソシュールによるサンスクリット語の学習・教育・成果
  学習 若き頃の試論 ジュネーブ ライプツィヒ 教育 成果
  『覚え書』 『絶対属格の用法』 『講義』 アナグラム研究
 四 ソシュールとインド古典学
  インドの言語学 インドの神学 インドの神話と思想

第二章 ソシュールとサンスクリット文法学
 一 文法家パーニニとその作品
  パーニニ文典 パーニニ文法とパーニニ文法学 刊本と翻訳 ゼロ要素
 二 文法家パタンジャリおよびバルトリハリとその作品
  『大注釈』 『文章単語論』
 三 『絶対属格の用法』
  サンスクリット語の絶対構文 パーニニ文典の規定 絶対所格構文 絶対属格構文
  絶対構文の補足 パーリ語文典の規定 『絶対属格の用法』の評価と活用
  ソシュールの利用した文献群 『カーシカー注解』 『文法家大全』
  絶対構文以外の文法規則 主語の条件 無関心/無配慮の意味合い
  絶対属格の四特徴 ハーバード自筆草稿の記述 ジュネーブ自筆草稿の記述

第三章 言葉と意味
  考察を始めるにあたって
 一 ソシュールにおける言葉と意味
  シニフィアンとシニフィエ 恣意性 ランガージュ、ラング、パロール
 二 インド文法学における言葉と意味
  表示するものと表示されるべきもの 意味の心像説 不可分性
  言葉と意味の根源 古典詩の言語観 ソシュール、ストア派、インド文法学
  関係の恒常性 言葉の意味表示 
 三 仏教のアポーハ論
  仏教の言語哲学 他の排除 アポーハ論とソシュール ディナーガとバルトリハリ

第四章 差異と関係
 一 『講義』の周辺 
  『講義』 構造主義 先駆者問題 ケルナー、デ・マウロ、スーレンの研究
  シン、アトラニ=ヴォワザン、ドッターヴィの研究 ガンバラーラの研究
 二 ソシュールにおける差異と関係
  差異の体系 言語には差異しかない 価値 社会
  連辞関係と連合関係 ラングかパロールか
 三 インド文法学における差異と関係
  語の意味間の〈関係〉が文の意味である 他と異なるもの 関係の網
 〈差異化〉と〈関係づけ〉 無限定の意味と差異化された意味 バルトリハリとソシュール  

第五章 個と全体
 一 ソシュールの全体論
  概要 他の哲学者たちとの影響関係
 二 インド文法学の全体論
  文と文の意味は不可分の全体である 〈直観〉と〈限定関係〉
  語が全体を離れて意味をもつことはない 凡夫は個を見ざるをえない  
  抽出理論 名称目録  

結論  
あとがき  
文献
索引

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