新聞掲載広告(2024年9月~) - 2024.11.19
バッティの美文詩研究
サンスクリット宮廷文学とパーニニ文法学
【パーニニ文法学とは?】
→パーニニ・カーティアーヤナ・パタンジャリの「三聖」と呼ばれるサンスクリット文法学者たちによって確立された文法学。6、7世紀のインドにおいて、サンスクリット語学力とそれに基づいた教養(つまり文法学)は祭式の執行、伝統の護持だけではなく、繁栄をもたらす要因として王族などに重視されていた。
【バッティって誰?】
→6、7世紀の西インドの都ヴァラビ―で活躍していた宮廷詩人。バッティは大叙事詩『ラーマヤナ』を題材としたラーマ物語を描きつつ、文法学の文法規則を例証することを目的とした美文論書(理論書としての性格を有しながらも、詩としても優れた文学作品)『バッティカーヴィア』を著す。この『バッティカーヴィア』は、サンスクリット語学力と文法学の需要が高まりを見せていた当時のインドにおいては、一国を担う王子のサンスクリット教育のために著された、いわば教科書的な文学作品と言えるものであり、これまでも『バッティカーヴィア』に関する研究も多かった。
【これまでの研究となにが違う?】
→『バッティカーヴィア』は詩学上の規定を例証する詩学部門と文法規則を例証する文法学部門から構成される。著者であるバッティの発言から、『バッティカーヴィア』の主眼は文法学部門における文法規則の例証にあることが明白。しかし、これまでの研究ではそういったバッティの思惑とは裏腹に、詩学部門に関する考察が中心であり、サンスクリット文法学やサンスクリット文化の研究素材として『バッティカーヴィア』の文法学部門に関する考察は、国内はもちろん、海外でもなされておらず、本書はこれまで回避されてきた『バッティカーヴィア』文法学部門に関する考察に果敢に挑んだ世界初の研究書と言える。
【本書の内容は?】
→序論では、詩文の定義、パーニニ文法学の概論、『バッティカーヴィア』に対して出されたこれまでの注釈書の位置、『バッティカーヴィア』そのものの文学史上における位置とその構成について詳細に述べたあと、これまでの研究史を概観し、問題点を整理する。続く本論第1章では『バッティカーヴィア』の著者バッティがどのような目的意識を持ち、どのような手段で文法規則の例証をおこなっていたのか、第2章では『バッティカーヴィア』を他の美文論書と比較した際にどういった部分で優れていたのか、第3章では『バッティカーヴィア』の文法規則例証のなかに詩学的要素がいかに見出し得るのか、第4章では『バッティカーヴィア』において、サンスクリット文法学の伝統は、どの程度反映されていたのかといった点を明らかにすることで、美文論書『バッティカーヴィア』の文法学史上における位置づけを解明する。付論として特定の主題のもとで一群の文法規則が順番に例証される「主題の部」の翻訳研究を収録する。
→パーニニ・カーティアーヤナ・パタンジャリの「三聖」と呼ばれるサンスクリット文法学者たちによって確立された文法学。6、7世紀のインドにおいて、サンスクリット語学力とそれに基づいた教養(つまり文法学)は祭式の執行、伝統の護持だけではなく、繁栄をもたらす要因として王族などに重視されていた。
【バッティって誰?】
→6、7世紀の西インドの都ヴァラビ―で活躍していた宮廷詩人。バッティは大叙事詩『ラーマヤナ』を題材としたラーマ物語を描きつつ、文法学の文法規則を例証することを目的とした美文論書(理論書としての性格を有しながらも、詩としても優れた文学作品)『バッティカーヴィア』を著す。この『バッティカーヴィア』は、サンスクリット語学力と文法学の需要が高まりを見せていた当時のインドにおいては、一国を担う王子のサンスクリット教育のために著された、いわば教科書的な文学作品と言えるものであり、これまでも『バッティカーヴィア』に関する研究も多かった。
【これまでの研究となにが違う?】
→『バッティカーヴィア』は詩学上の規定を例証する詩学部門と文法規則を例証する文法学部門から構成される。著者であるバッティの発言から、『バッティカーヴィア』の主眼は文法学部門における文法規則の例証にあることが明白。しかし、これまでの研究ではそういったバッティの思惑とは裏腹に、詩学部門に関する考察が中心であり、サンスクリット文法学やサンスクリット文化の研究素材として『バッティカーヴィア』の文法学部門に関する考察は、国内はもちろん、海外でもなされておらず、本書はこれまで回避されてきた『バッティカーヴィア』文法学部門に関する考察に果敢に挑んだ世界初の研究書と言える。
【本書の内容は?】
→序論では、詩文の定義、パーニニ文法学の概論、『バッティカーヴィア』に対して出されたこれまでの注釈書の位置、『バッティカーヴィア』そのものの文学史上における位置とその構成について詳細に述べたあと、これまでの研究史を概観し、問題点を整理する。続く本論第1章では『バッティカーヴィア』の著者バッティがどのような目的意識を持ち、どのような手段で文法規則の例証をおこなっていたのか、第2章では『バッティカーヴィア』を他の美文論書と比較した際にどういった部分で優れていたのか、第3章では『バッティカーヴィア』の文法規則例証のなかに詩学的要素がいかに見出し得るのか、第4章では『バッティカーヴィア』において、サンスクリット文法学の伝統は、どの程度反映されていたのかといった点を明らかにすることで、美文論書『バッティカーヴィア』の文法学史上における位置づけを解明する。付論として特定の主題のもとで一群の文法規則が順番に例証される「主題の部」の翻訳研究を収録する。
はしがき
略号および参考文献
序 論
第Ⅰ部 本 論
第1章 規則の例証と言葉の教示の様態
第2章 BhattkavyaとRavanarjuniyaの比較考察
第3章 文法学部門における詩的技巧
第4章 バッティ,カーティアーヤナ,パタンジャリ
結論
第Ⅱ部 付 論
主題の部翻訳研究
Abstract
Contents
索引
略号および参考文献
序 論
第Ⅰ部 本 論
第1章 規則の例証と言葉の教示の様態
第2章 BhattkavyaとRavanarjuniyaの比較考察
第3章 文法学部門における詩的技巧
第4章 バッティ,カーティアーヤナ,パタンジャリ
結論
第Ⅱ部 付 論
主題の部翻訳研究
Abstract
Contents
索引