阿闍世のすべて

悪人成仏の思想史

親殺しの極悪人とされる阿闍世。阿闍世が登場する様々な仏教文献を博捜し、その苦悩と救済を突き詰め、悪人成仏の思想を考察する。

著者 永原 智行
出版社 法藏館
ジャンル 哲学・思想 > 仏教哲学・思想
出版年月日 2014/09/01
ISBN 9784831887306
判型・ページ数 A5・333ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
親殺しの極悪人とされる阿闍世。阿闍世が登場する様々な仏教文献を博捜し、その苦悩と救済を突き詰め、また、親鸞が確立するまでの悪人成仏の思想を考察する書。
第一部 仏教文献に見える阿闍世物語

序章 阿闍世物語の概要
 一、王舎城の悲劇の歴史的意義
 二、阿闍世物語の概略
   一 出生の秘密
   二 提婆達多の教唆
   三 頻娑婆羅王の幽閉
   四 王の死と阿闍世の苦悩
   五 悲劇の後の阿闍世

第一章 『沙門果経』に説かれる阿闍世物語
 一、『沙門果経』概説
 二、『沙門果経』の阿闍世
 三、小結
 四、六師外道
 五、『沙門果経』まとめ

第二章 律蔵に説かれる阿闍世物語
 一、律蔵の概要
 二、『パーリ律』
 三、『四分律』
   阿闍世の名の由来
   提婆達多との出会い
   神通力と化作
   統理を願う
   殺父を唆す
   殺父未遂と裁定
   殺父を唆す
   戦争と目連
 四、『五分律』
   五銭
   提婆達多との出会い・神通力と化作
   統理を願う
   神通力を失う・殺父を唆す
   譲位と殺父
   戦争と目連
 五、『十誦律』
   阿闍世の名に母の名が冠せられていること
   五銭
   提婆達多との出会い
   神通力と化作
   殺父を唆す
   殺父未遂と裁定
   父王の生きがい
   阿闍世の翻意は家庭的な理由
   その後の阿闍世
   戦争と目連
 六、『摩訶僧祗律』
   忘れられた瓔珞と『沙門果経』
   戦争と目連
   結集
 七、『根本説一切有部律』
  一 『根本説一切有部毘奈邪』「破僧事」
   無根の信
   提婆達多との出会い・神通力と化作
   神通力を失う・統理を願う
   殺父を唆す
   殺父し未遂と裁定
   大夫人が食事を運ぶ
   父王の生きがい
   阿闍世の翻意は家庭から
   提婆達多の逆罪
   『沙門果経』と同じくする冒頭
  二 『根本説一切有部毘奈邪』
   戦争と目連
   提婆達多との出会い・神通力と化作
  三 『根本説一切有部必芻尼毘奈邪』
   エピソード
  四 『根本説一切有部毘奈邪』「出家事」
  五 『根本説一切有部毘奈邪』「薬事」
   無根の信
  六 『根本説一切有部毘奈耶』「雑事」
   涅槃
   結集
   摩訶迦葉と阿闍世
 八、『花奈耶』
   五銭
   提婆達多との出会い・神通力と化作
   殺父を唆す
   殺父未遂と裁定・譲位
   食糧を運ぶ
   父王の生きがい
   阿闍世の翻意は家庭から
 九、まとめ

第三章 『仏説阿闍世王経』その他に説かれた阿闍世物語
 一、『阿闍世王経』
   出生の秘密
   文殊師利
   阿闍世
   小結
 二、『未生怨経』『阿闍世王問五逆経』『阿闍世王授決経』の阿闍世物語
 三、まとめ

第四章 『涅槃経』に説かれる阿闍世物語
 一、『涅槃経』の諸本
 二、『涅槃経』の阿闍世
  一 寿命品
  二 一切大衆所問品
  三 現病品
  四 梵行品
   阿闍世の性格
   阿闍世の苦悩と罪
   罪の告白
 三、『涅槃経』の六師外道
  一 罪悪否定説
  二 地獄否定説
  三 阿闍世無罪説
 四、耆婆の勧め
  一 阿闍世の慚愧
  二 天の声
 五、阿闍世王の為に涅槃に入らず
  一 為にすと言うは
  二 月愛三昧と説法
  三 釈尊の説法
  四 阿闍世の廻心
 六、その他の阿闍世
  一 徳王品
  二 迦葉菩薩品
   殺父の動機
   出生の秘密
 七、まとめ

第五章 『観無量寿経』に説かれる阿闍世物語 五逆・謗法の悪人の救い
 一、『観無量寿経』における阿闍世物語
 二、韋提希の救いが説かれる意義
 三、まとめ

第二部 悪人成仏の思想史

序章 阿闍世物語にみる悪人成仏の経典史
 一、五逆罪、謗法罪が課題にならない『沙門果経』と律蔵
 二、五逆・謗法・一闡提の救いを説く『涅槃経』
 三、一切凡夫の救いを説く『観無量寿経』
 四、まとめ

第一章 善導以前の悪人成仏の思想
 一、浄影寺慧遠の阿闍世観
  一 慧遠と善導との違い
  二 逆謗
  三 韋提希権実論
  四 無生法忍
 二、まとめ

第二章 善導の悪人成仏の提唱
 一、念仏三昧
 二、慧遠との相違
  一 逆謗
  二 韋提希権実論
  三 無生法忍
 三、罪悪
 四、摂取と抑止
 五、まとめ

第三章 親鸞による悪人成仏の確立
 一、親鸞による悪人成仏
 二、「信巻」末の『涅槃経』の引用文と、漢訳『涅槃経』との相違
 三、不可治から可治へ
 四、権化の仁
 五、逆謗摂取
  一 五逆罪
  二 謗法罪
  三 一闡提
  四 親鸞の一闡提観
 六、信心仏性
 七、阿闍世の廻心
  一 阿闍世の慚愧
  二 二種深信
  三 阿闍世王の為に涅槃に入らず
  四 阿闍世の廻心
 八、まとめ

結章

参考図書・論文
永原智行略歴・業績
あとがき

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