増補版 親鸞教学

曽我量深から安田理深へ

近代教学の大成者・曽我量深と安田理深は、なぜ唯識思想を極めたのか。「唯識思想と浄土真宗」を増補。

著者 本多 弘之
出版社 法藏館
ジャンル 日本仏教 > 真宗系
出版年月日 2015/09/20
ISBN 9784831887382
判型・ページ数 A5・284ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
近代教学の大成者・曽我量深と安田理深は、なぜ唯識思想を極めたのか。
その関係性を詳しく解説した「唯識思想と浄土真宗」を増補。
「現代親鸞教学」確立の過程と意義を鮮明にする。
『増補版』の序

近代親鸞教学の課題

 一 大谷派の近代教学の流れ
  端緒を開いた清沢満之
  曽我量深の精神主義への疑問
  精神主義の根拠はなにか
  清沢満之を一生の師とする
  清沢満之に対する反逆者
  清沢満之の課題を受けての一生
  「我が信念の課題」
  曽我量深の「日蓮論」の意義

 二 近代教学の課題
  曽我量深から安田理深へ
  曽我量深と大谷大学
  曽我教学の根本を受けつぐ
  ポール・ティリッヒとの対話
  普遍的人間学の追及
  自己否定を根底とする思想
  自己の根源を要求する願生心
  近代教学の根底に流れる課題

 三 信心の現代化
  如来表現の範疇としての三心観
  如来の三心と阿頼耶の三相
  自己の虚偽を批判する真実心
  欲生心の課題
  回向心としての欲生心の意義
  還相回向の領解
  大信心は長生不死の神方
  自己回復の道としての近代教学の確立

安田理深論

 一 先師安田理深の求道
  先師安田理深との出会い
  安田理深の求道の歩み
  大谷大学へ入学
  雑誌『仏座』の発刊
  結核に倒れて
  頑固さとやさしさ
  茂田井教亨との対談
  ティリッヒとの対談
  相応学舎での学び
  教団の恩義を感じて
  情熱的な求道の姿勢
  無窓という名告り
  モナドロギーと阿頼耶識
  凡夫の自覚としての無窓

 二 名義に相応する学仏道場
  曽我、金子の追放事件
  興法学園から相応学舎へ
  相応学舎の相応とは
  如実修行相応
  名義と相応する
  三種の不相応
  名号の教えと相応する
  相応学舎にかけられた願い

 三 真実のサンガを求めて
  雑誌『僧伽』の刊行
  絶対平等の共同体
  願心の共同体としての報土
  一如に生きる真仏土
  独立者の共同体
  欲生心に立つ教団を目ざして
  存在の故郷としての浄土
  超越的な本能的要求
  浄土を求めることの意義

 四 相続し深められたものの尊さ
  検証清沢満之批判
  自由な批判精神
  信仰における個人主義的傾向
  非神話性
  浄土の非神話化
  表現の新しさ
  感の教学

増補 唯識思想と浄土真宗

 一 唯識と浄土真宗の思想的関わり
  唯識と浄土真宗の思想とはどういう関わりか
  唯識は意識の事実を見て実体化の間違いを批判する
  唯識と真宗の思想は、人間の課題として一つである
  安田先生の思想戦
  人間の本来性を回復する場所を願生する

 二 自覚の教学
  「自覚の教学」に見る安田先生の思い
  『唯識三十頌』が説く意識構造
  唯識の学匠である天親菩薩がなぜ『願生偈』を書かれたのか
  唯除の文を唯識から見る

  『初版』のあとがき

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