慈悲 【講談社学術文庫】

著者 中村 元
出版社 講談社
ジャンル 哲学・思想 > 仏教哲学・思想
シリーズ 講談社学術文庫
出版年月日 2010/11/01
ISBN 9784062920223
判型・ページ数 文庫・286ページ
定価 本体960円+税
在庫 お取り寄せ
稀代の仏教学者が追究した仏道の根本概念 その出発点にして到達点 他者へのあたたかな共感がここにある 友愛の念「慈」、哀憐の情「悲」。生きとし生けるものの苦しみを自らのものとする仏の心、そして呻きや苦しみを知る者のみが持つあらゆる人々への共感、慈悲。仏教の根本、あるいは仏そのものとされる最重要概念を精緻に分析、釈迦の思惟を探究し、仏教精神の社会的実践の出発点を提示する。仏教の真髄と現代的意義を鮮やかに描いた、仏教学不朽の書。 慈悲の実践はひとが自他不二の方向に向って行為的に動くことのうちに存する。それは個々の場合に自己をすてて他人を生かすことであるといってもよいであろう。(中略)それは個別的な場合に即して実現さるべきものであるが、しかも時間的・空間的限定を超えた永遠の意義をもって来る。それは宗教に基礎づけられた倫理的実践であるということができるであろう。かかる実践は、けだし容易ならぬものであり、凡夫の望み得べくもないことであるかもしれない。しかしいかにたどたどしくとも、光りを求めて微々たる歩みを進めることは、人生に真のよろこびをもたらすものとなるであろう。――<「結語」より>
第1章 問題の意義
第2章 慈悲の語義
第3章 慈悲の観念の歴史的発展
第4章 慈悲の理論的基礎づけ
第5章 慈悲の倫理的性格
第6章 慈悲の行動的性格

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