「如来常住」や「悉有仏性」など、釈尊が入滅する直前に語った遺訓を伝える『涅槃経』。その成立過程や思想内容をわかりやすく解説した好著。日本の仏教にも多大なる影響を与えた『涅槃経』の真髄とは何か。
序
前篇 総説
第一章 序説
第二章 涅槃経の歴史的地位
第三章 涅槃部の経典
第四章 涅槃経の成立過程
第五章 仏の入滅と涅槃経
第六章 純陀と迦葉菩薩
第七章 涅槃経の要旨
第八章 涅槃経の伝訳
第九章 涅槃経の流伝
後篇 本文解説
第一集 仏寿の巻――寿命品・金剛身品・名字功徳品
集衆/鶴林/二施/純陀/純陀と文殊/三徳/常楽我浄/客医乳薬/迦葉菩薩/問偈/長寿の業/愛念呵責/変化身/護持正法/名字功徳
第二集 如来性の巻――如来性品・大衆所問品
如来性/四法/断肉/制戒/秘密蔵/大涅槃/一闡提/人の四依/正法の余八十年/涅槃経の義味/知法と持戒/法の四依/邪正/悉有仏性/護戒/四諦/四倒/悉有仏性/一帰依処/半字満字/鳥喩/月喩/断善根/微密の教/本有今無偈/三乗/法華経と涅槃経/純陀の供養/不入涅槃/有余義/一闡提の定義/少分の一切/文殊付嘱
第三集 五行の巻――現病品・聖行品・梵行品・嬰児行品
五行/病因/三種病人/有病行処五種人/五行と如来行/聖行/護持禁戒/観四聖諦/上智中智/二諦/盲人乳色を知らず/二種転法輪/五味相生の譬/血写/雪山求道/梵行七善四無量心/極愛一子地/仏は煩悩の因縁とならず/空平等地/四無礙/本有今無偈/世諦即第一義諦/常住法と証得/法滅時の諍論/闍王入信/天行品/嬰児行
第四集 十徳の巻――光明遍照高貴徳王菩薩品
十事功徳/微密の義/光明遍照/涅槃常住/一闡提と仏性/売身供養/六難値遇/一篋四蛇/如来不定/涅槃と大涅槃/八十種神/無勝世界/涅槃/心の本性/闡提発心/性空修空/非仏説
第五集 師子吼説の巻――師子吼菩薩品
催問/仏性とは何か/涅槃無因/仏性正因/拘尸那城涅槃/無相定/業と修行/仏性と修行/大信心/不退
第六集 迦葉説の巻――迦葉菩薩品
迦葉菩薩/善星比丘/二十一諍論/善見太子/不解我意/恒河七衆生/十想
第七集 破邪の巻――憍陳如品
憍陳如/唯仏是真/先尼梵志/十外道帰伏/阿難は何処/須跋陀/得益
大涅槃経序
涅槃経略科及び要項
涅槃経三本対照表
文庫版解説
仏典研究の歴史性――横超慧日『涅槃経』を再読する―― 下田正弘