山岳信仰と修験道

著者 鈴木 正崇
出版社 春秋社
ジャンル 民俗・信仰
出版年月日 2025/01/20
ISBN 9784393292068
判型・ページ数 4-6・413ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
日本人の記憶の原風景であり創造性の源泉である山々への信仰は、神仏判然令で大きく崩壊し現在に至る。この山岳信仰の歴史と民俗を探究し、修験道の生成と展開を、民俗学・宗教学・歴史学・人類学といった広範な視点から考察した総合的研究書。
第一章 神と仏
 一 問題の所在
 二 神と仏の多次元的関係性
 三 修験道の再構築
 四 「神仏分離」を問う
 五 山岳信仰の再構築
 六 「神仏習合」と「神仏分離」
 七 大正期の変革
 八 今後の課題

第二章 山岳信仰から修験道へ
 一 概観
 二 信仰の基盤としての風土
 三 信仰の根源にあるもの
 四 生と死が交錯する山
 五 ヤマ・タケ・ミネ・モリ
 六 聖域観の変遷と開山伝承
 七 神体山・カムナビ・神仙思想
 八 開山から山林修行へ
 九 山林修行者と役行者
 十 山寺の成立
 十一 空海と山岳信仰
 十二 比叡山の山岳信仰とその周辺
 十三 女人結界・女人禁制
 十四 吉野から熊野へ
 十五 熊野詣から修験道へ
 十六 熊野信仰と切目の王子
 十七 熊野信仰の伝播

第三章 修験道の成立と展開
 一 修験道とは何か
 二 修験道の定義と成立年代
 三 修験道の形成
 四 峯入りの思想
 五 山林修行から「峯入り」へ
 六 法華持経者
 七 死と再生
 八 独自の崇拝対象①――不動明王
 九 独自の崇拝対象②――蔵王権現
 十 「祖師化」とテクスト化
 十一 修験と自然の荒ぶる力
 十二 修行と芸能の一体化
 十三 修験道の想像力

第四章 女人禁制と山岳信仰
 一 女人禁制への視座
 二 女人禁制とは
 三 女人結界の禁忌
 四 女人禁制の史料
 五 「堂舎の結界」
 六 開山伝承と「山の結界」
 七 一時的規制と恒常的規制
 八 女性劣機観から女性罪業観へ
 九 『血盆経』の民間への浸透
 十 女人禁制の演劇化
 十一 境界をめぐる女性たちの動き
 十二 女人禁制の地域的展開
 十三 富士山の女人禁制
 十四 女人結界の解禁
 十五 現代の女人禁制
 十六 女人禁制の行方

第五章 修験霊山の縁起に関する考察――『彦山流記』を読む
 一 英彦山三峯
 二 彦山と熊野
 三 開山伝承
 四 中興開山・法蓮と山岳信仰
 五 法蓮に関する異伝
 六 臥験の活躍
 七 『彦山流記』の特徴
 八 仏教言説の神道化
 九 善正と忍辱、そして法蓮
 十 中世における勢力の広がり
 十一 中世彦山の行者伝承
 十二 行者と女人
 十三 彦山と中央とのつながり
 十四 峯入り
 十五 即傳による修行の体系化
 十六 近世の彦山
 十七 彦山の近代と現代

第六章 明治維新と修験道
 一 修験宗廃止令とその背景
 二 明治五年の大転換
 三 神仏判然令
 四 在地修験における幕末と明治
 五 在地修験の明治維新
 六 修験の末裔としての「法印様」
 七 修験道の崩壊
 八 修験道の本山の崩壊①――羽黒山
 九 修験道の本山の崩壊②――吉野と大峯
 十 修験道の本山の崩壊③――英彦山
 十一 立山の明治維新
 十二 神仏習合と神仏分離
 十三 大正時代から昭和時代へ
 十四 総力戦体制の時代
 十五 課題としての「神仏習合」

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