死を笑う

落語ととむらい

著者 高橋 繁行
出版社 創元社
ジャンル 入門・お経・実用 > 生・死、福祉・医療
出版年月日 2025/05/20
ISBN 9784422230467
判型・ページ数 4-6・235ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり
落語『らくだ』は、死体にかんかん踊りを踊らせ、長屋の住人を震え上がらせる話だ。かつて立川談志の『らくだ』を聴いた著者は、落語の自由奔放さに驚き、喜びを感じたという。

古典落語には葬式を題材にした噺が多く、死を「おめでたくなった」と表現する。変わった葬式や野辺送り、遺体を洗い清める湯灌の風習などが描かれ、葬儀屋、ニセ坊主、怪しげな拝み屋、幽霊、死神が登場、さらに化け猫、人をだます女ギツネなど異界と交信する神獣が跳梁跋扈し、弔いの場面を彩った。

本書では、長年、葬祭を研究してきた著者が、死やとむらいにかかわる落語を取り上げ、江戸落語と上方落語を対比しながら、その背景にある江戸から昭和初期の葬送の習俗や文化、精神性を解き明かす。落語ではナンセンスな会話が続く中に、日本人の死生観が反映されている。

実際にあった珍しい葬式や歌舞伎狂言の怪談話などを紹介するコラムも交え、多くの切り絵が楽しさを添える。
あの世とこの世の垣根をいとも簡単に乗り越える落語の変幻自在な世界へ!
一 江戸落語編
1『猫怪談』◎おめでたくなるハナシ
2『道具屋』◎与太郎と江戸の葬式事情
3『粗忽長屋』◎お江戸SF不条理落語
4『黄金餅』◎欲にくらんでお布施と焼き賃を踏み倒す
5『片棒』◎冥土ゆき早桶の片棒かつぎ
6『寿限無』◎言葉の呪縛から解放されたデタラメ経文 
7『真景累ヶ淵』◎落語中興の祖・円朝、背筋の凍る怪談噺
8『かつぎや』◎ゲン直しにおススメ、棺桶ばなし
9 『三年目』◎亡者を丸坊主にする出家儀礼 
10『野ざらし』◎しゃれこうべの恩返し
11『お血脈』◎地獄が空っぽになった!
12『品川心中』◎心中の道行きに、いろを着る
13『付き馬』◎江戸のとむらいビジネス、早桶屋
14『死神』◎ぞっとする〝死神商売〟
15『らくだ』(江戸版)◎死体が躍るとむらい騒動記
二 上方落語編
1『らくだ』(上方版)◎落語でわかる東西焼き場事情
2『でば吉』『辻占茶屋』◎心中しぞこない 二話
3『いもりの黒焼き』◎千日前墓所の都市伝説
4『げほう頭』◎生き神サマをでっちあげ、御開帳
5『地獄八景亡者戯』◎大スペクタクル! あの世ご案内ツアー 
6『饅頭こわい』(上方版)◎こわい話がながながと続く
7『片袖』◎幽霊噺その一 住吉町いとはんの幽霊
8『幽霊飴』◎幽霊噺その二 実在の飴屋をモデルに
9『三年酒』◎仏式か?神式か?お葬式論争が勃発!
10『天神山』◎立て続けの恩返し
11『土橋萬歳』◎明治、商都大阪の葬礼を活写!
12『まめだ』◎三津寺さんに伝わるタヌキ供養譚
13『七度狐』◎キツネのだまし方研究
14『けんげしゃ茶屋』◎言霊の魔力
 コラム1 棺桶作家鶴屋南北1 『法懸松成田利剣』
 コラム2 ABESADAファルスと湯灌考
 コラム3 ある土俗宗教の湯灌◎わが塔はそこに立つ
 コラム4 霊柩カタログ
 コラム5 棺桶作家鶴屋南北2 最後っ屁
 コラム6 千日前墓所1 聖なる俗物
 コラム7 千日前墓所2 死刑囚の盛装
 コラム8 名人桂文吾の珍葬式
 コラム9 商都大阪を彩った大名行列式野辺送り

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