明恵と龍になった女

鎌倉時代の名僧・明恵は女神像・善妙神像を作らせた。善妙神のルーツを求めて韓国、中国を訪ね、善妙化龍説話の背景を探る。

著者 谷口 義介
出版社 法藏館
ジャンル 日本仏教 > 奈良仏教系
出版年月日 2019/04/25
ISBN 9784831856494
判型・ページ数 4-6・192ページ
定価 本体1,500円+税
在庫 在庫あり
京都・高山寺の名僧明恵が描かせた『華厳宗祖師絵伝』(国宝)には、龍になった美女善妙が登場し、高山寺では今も善妙神立像(重文)を祀っている。彼女のルーツを求めて韓国から中国を訪ね、善妙化龍説話が形成されてくる背景を探る。あわせて明恵創建の善妙寺につどった尼たちの信仰の諸相を明らかにする。
第一章 明恵と比丘尼たち―京都・高山寺―

栂尾詣で

阿難塔

善妙寺の守り神  

高山寺細見  

糸野の御前

春日明神の憑依  

仮身としての春日明神像  

二つの神像の比較  

『華厳宗祖師絵伝』 

「義湘絵」の材料  

女弟子から女神へ  

善妙寺の尼僧たち

第二章 浮石大師義湘―韓国・浮石寺―

韓国初訪

清州から栄州へ

念願の浮石寺に

善妙尼像

善妙井

華厳十刹

海印寺・石窟庵・仏国寺

護国のための寺  

李杜鉉博士の説

高麗時代に伝来

新羅における善妙

第三章 善妙の実像―中国・赤山法華院―

文登へ  

円仁の記録から  

山東半島の新羅人社会  

赤山法華院  

「義湘伝」について  

ロマンスの舞台  

善妙の実像  

善妙化龍  

善妙説話の成立  

山東半島の善妙廟

第四章 善妙における〈性〉と〈聖〉―ふたたび善妙寺にて―

善妙遊女説をめぐって  

「娘子」の両義性  

小箱のモチーフ  

「大蛇となりて男を追ふ」  

道成寺説話  

〈清僧〉対〈淫女〉の構図

「仏道の種子」  

明達と禅恵  

その後の善妙寺  

江戸時代の記録

その後の善妙寺



基本文献

あとがき

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