話題の本【書評】(2024年9月~) - 2024.10.31
唯識の真理観
大乗仏教における真理とは何か。「真理」「真如」等の漢訳の変遷と意味、主に瑜伽行派による心の浄化法とその対象としての「真如」など、唯識研究の第一人者による研究成果。
第一部 真理とは
第一章 「真理」という訳語の成立と内容
第一節 『瑜伽論』における「理」
第二節 『成唯識論』における「真理」
第三節 『成唯識論述記』における「真理」
第四節 日本撰述書における「真理」
第二章 「真理」を表す語
第一節 真理の二面性
第一項 「所知の真理」と「能知の真理」
第二項 真如と無分別智
第二節 認識される客観としての真理(所知の真理)
第一項 漢訳「真実」の種々の意味
第二項 所知について
一、『瑜伽論』における所知
二、その他の論書における所知
1、阿毘達磨論書における所知
(ア)『婆沙論』における所知
(イ)『倶舎論』における所知
2、『瑜伽論』以外の唯識論書における所知
(ア)『大乗荘厳経論』における所知
(イ)『弁中辺論』(『中辺分別論』)における所知
(ウ)『摂大乗論』における所知
(エ)『成唯識論』における所知
第三項 『瑜伽論』における真理(tattva真実)観
一、所知の真実
二、四種の真実
三、真実分類法の発展
第四項 『大乗荘厳経論』における真理観
第三節 認識する主観としての真理(能知の真理)
第一項 さまざまな智
第二項 『瑜伽論』における無分別智について
第三項 二つの真理の関係
第三章 とくに「真如」について
第一節 瑜伽行派以前の真如
第二節 瑜伽行派の真如観
第一項 真如の強調
一、『瑜伽論』「本地分」と『解深密経』、『瑜伽論』「摂決択分」との関係
二、『瑜伽論』「本地分中菩薩地」における真如観
三、『解深密経』における真如観
四、『瑜伽論』「摂決択分」における真如観
第二項 瑜伽行唯識派独自の真如観
一、所顕真如
二、不一不異
三、無二(不二)
1、所知真実の無二
2、能知真実の無二
(ア)『大乗荘厳経論頌』における無二智
(イ)『瑜伽論』『解深密経』における無二智
(ウ)『瑜伽論』における所取・能取
四、不可思議
第三項 真如と証する必要性
第二部 言葉と真理
第一章 名と義とについて
第一節 名の定義
第二節 名と声との関係
第三節 義について
第四節 名の種類
第二章 言葉の生じる機構
第一節 想と尋伺のはたらき
第二節 意識と言説との関係 とくに意言について
第三章 言葉と種子
第一節 言葉への目覚め 『瑜伽論』「本地分」
第一項 「刹那展転の生起」と「他生への生起」
第二項 言葉と現象、言葉と種子
第二節 言葉の現象への介入 『瑜伽論』「本地分中菩薩地」と『解深密経』
第一項 真如と言葉、言葉と現象
第二項 言葉と種子(習気)
第三節 言葉へのより深き考察 『瑜伽論』「摂決択分」
第四節 言葉を用いた唯識観の成立 『大乗荘厳経論頌』
第五節 言葉と種子との結合 『摂大乗論』と『成唯識論』
まとめ
第四章 言葉の限界と束縛
第一節 言葉と対象との関係 名義相互客塵性について
第二節 執著を生じる言葉
第一項 遍計所執性について
第二項 遍計について
第三項 所執について
第四項 遍計する主体(能遍計)と遍計される客体(所遍計)について
第五章 正しい言葉 善説・正法
第三部 真理に至る道 心の浄化、ヨーガ
第一章 ヨーガの対象としての真如
第一節 真如を証する智と生じる根源的力
第二節 出世間智が生じるための第二次的な力
第一項 正法を聞くことの重要性
一、正法を聴聞しようとする原因は何か
二、どのような人から正法を聞くのか
三、正法とはどのような法か
四、「正しく聞く」とはどういうありようか
五、修行の過程
六、「正聞熏習」成立までの思想的展開
1、『娑沙論』における熏習
2、『倶舎論』における熏習
3、『瑜伽論』における熏習
4、言葉による熏習
5、二つの意味の熏習
6、『摂大乗論』における熏習
7、『成唯識論』における熏習
第二項 熏習の具体的なありよう
一、『瑜伽論』
二、『摂大乗論』
三、『成唯識論』
第三項 理の如くに思考する(如理作意)ことの重要性
一、如理作意の原語
二、『瑜伽論』における如理作意
第三節 真如の観察
第一項 真如の強調(四聖諦と真如との区別)
第二項 ヨーガの対象としての真如
第二章 心浄化の機構
第一節 ヨーガによる心の浄化
第一項 心を覆う障害
一、煩悩障・所知障
1、『瑜伽論』における煩悩障・所知障
2、煩悩障と所知障との断
3、仏陀になることと二障の滅との関係
二、相縛・麁重縛
第二項 ヨーガについて
一、広義のヨーガ
二、ヨーガの実践
1、止観を修する場所
2、止観の定義
第三項 ヨーガによってもたらされるもの
一、心の浄化
二、ヨーガによる心の清浄化
三、真如の特質と心の浄化
四、真如と心との関係
五、転依
第二節 相から性へ
第一項 性相の原語
第二項 性相の意味
第三項 性と相との関係
第四項 性相の実践的意義
付録 とくに「相」(nimitta)についての考察
初出一覧
あとがき
索引
第一章 「真理」という訳語の成立と内容
第一節 『瑜伽論』における「理」
第二節 『成唯識論』における「真理」
第三節 『成唯識論述記』における「真理」
第四節 日本撰述書における「真理」
第二章 「真理」を表す語
第一節 真理の二面性
第一項 「所知の真理」と「能知の真理」
第二項 真如と無分別智
第二節 認識される客観としての真理(所知の真理)
第一項 漢訳「真実」の種々の意味
第二項 所知について
一、『瑜伽論』における所知
二、その他の論書における所知
1、阿毘達磨論書における所知
(ア)『婆沙論』における所知
(イ)『倶舎論』における所知
2、『瑜伽論』以外の唯識論書における所知
(ア)『大乗荘厳経論』における所知
(イ)『弁中辺論』(『中辺分別論』)における所知
(ウ)『摂大乗論』における所知
(エ)『成唯識論』における所知
第三項 『瑜伽論』における真理(tattva真実)観
一、所知の真実
二、四種の真実
三、真実分類法の発展
第四項 『大乗荘厳経論』における真理観
第三節 認識する主観としての真理(能知の真理)
第一項 さまざまな智
第二項 『瑜伽論』における無分別智について
第三項 二つの真理の関係
第三章 とくに「真如」について
第一節 瑜伽行派以前の真如
第二節 瑜伽行派の真如観
第一項 真如の強調
一、『瑜伽論』「本地分」と『解深密経』、『瑜伽論』「摂決択分」との関係
二、『瑜伽論』「本地分中菩薩地」における真如観
三、『解深密経』における真如観
四、『瑜伽論』「摂決択分」における真如観
第二項 瑜伽行唯識派独自の真如観
一、所顕真如
二、不一不異
三、無二(不二)
1、所知真実の無二
2、能知真実の無二
(ア)『大乗荘厳経論頌』における無二智
(イ)『瑜伽論』『解深密経』における無二智
(ウ)『瑜伽論』における所取・能取
四、不可思議
第三項 真如と証する必要性
第二部 言葉と真理
第一章 名と義とについて
第一節 名の定義
第二節 名と声との関係
第三節 義について
第四節 名の種類
第二章 言葉の生じる機構
第一節 想と尋伺のはたらき
第二節 意識と言説との関係 とくに意言について
第三章 言葉と種子
第一節 言葉への目覚め 『瑜伽論』「本地分」
第一項 「刹那展転の生起」と「他生への生起」
第二項 言葉と現象、言葉と種子
第二節 言葉の現象への介入 『瑜伽論』「本地分中菩薩地」と『解深密経』
第一項 真如と言葉、言葉と現象
第二項 言葉と種子(習気)
第三節 言葉へのより深き考察 『瑜伽論』「摂決択分」
第四節 言葉を用いた唯識観の成立 『大乗荘厳経論頌』
第五節 言葉と種子との結合 『摂大乗論』と『成唯識論』
まとめ
第四章 言葉の限界と束縛
第一節 言葉と対象との関係 名義相互客塵性について
第二節 執著を生じる言葉
第一項 遍計所執性について
第二項 遍計について
第三項 所執について
第四項 遍計する主体(能遍計)と遍計される客体(所遍計)について
第五章 正しい言葉 善説・正法
第三部 真理に至る道 心の浄化、ヨーガ
第一章 ヨーガの対象としての真如
第一節 真如を証する智と生じる根源的力
第二節 出世間智が生じるための第二次的な力
第一項 正法を聞くことの重要性
一、正法を聴聞しようとする原因は何か
二、どのような人から正法を聞くのか
三、正法とはどのような法か
四、「正しく聞く」とはどういうありようか
五、修行の過程
六、「正聞熏習」成立までの思想的展開
1、『娑沙論』における熏習
2、『倶舎論』における熏習
3、『瑜伽論』における熏習
4、言葉による熏習
5、二つの意味の熏習
6、『摂大乗論』における熏習
7、『成唯識論』における熏習
第二項 熏習の具体的なありよう
一、『瑜伽論』
二、『摂大乗論』
三、『成唯識論』
第三項 理の如くに思考する(如理作意)ことの重要性
一、如理作意の原語
二、『瑜伽論』における如理作意
第三節 真如の観察
第一項 真如の強調(四聖諦と真如との区別)
第二項 ヨーガの対象としての真如
第二章 心浄化の機構
第一節 ヨーガによる心の浄化
第一項 心を覆う障害
一、煩悩障・所知障
1、『瑜伽論』における煩悩障・所知障
2、煩悩障と所知障との断
3、仏陀になることと二障の滅との関係
二、相縛・麁重縛
第二項 ヨーガについて
一、広義のヨーガ
二、ヨーガの実践
1、止観を修する場所
2、止観の定義
第三項 ヨーガによってもたらされるもの
一、心の浄化
二、ヨーガによる心の清浄化
三、真如の特質と心の浄化
四、真如と心との関係
五、転依
第二節 相から性へ
第一項 性相の原語
第二項 性相の意味
第三項 性と相との関係
第四項 性相の実践的意義
付録 とくに「相」(nimitta)についての考察
初出一覧
あとがき
索引