新聞掲載広告(2024年9月~) - 2024.11.19
中世仏教文学の思想
文学とは人間の精神的営為の表出である。また中世という時代は仏教の文学への影響が著しい時代であった。
その中世において、人々が心を見つめた基盤にあったのが仏教思想、なかんづく無常観である。
本書では、それが表われているのが中世文学であり、中世仏教文学であるとの立場をとる。そこで中世仏教文学の大きな峰である、中世仏教説話集、『平家物語』、隠者文学の三を柱にたて、根底に無常観を持つ精神的営為の表われを中世文学の「思想」と位置づける。具体的には、人間への凝視、自己への凝視、心への凝視として表われていることをそれぞれについて考察した。
その中世において、人々が心を見つめた基盤にあったのが仏教思想、なかんづく無常観である。
本書では、それが表われているのが中世文学であり、中世仏教文学であるとの立場をとる。そこで中世仏教文学の大きな峰である、中世仏教説話集、『平家物語』、隠者文学の三を柱にたて、根底に無常観を持つ精神的営為の表われを中世文学の「思想」と位置づける。具体的には、人間への凝視、自己への凝視、心への凝視として表われていることをそれぞれについて考察した。
序章
第一節 中世文学を底流するもの
第二節 仏教文学の定義をめぐって
第一章 『撰集抄』の研究
第一節 中世仏教説話の特異性―『撰集抄』を中心に
第二節 『撰集抄』における清僧意識
第三節 「配所の月」をめぐって―『撰集抄』巻四第五話を中心に
第四節 西行像試論―『撰集抄』と『西行物語』における異質性
第五節 『撰集抄』の説話配列―巻一を中心に
第二章 中世仏教説話集の研究
第一節 隠遁の思想的背景―中世仏教説話集成立の一基盤
第二節 中世仏教説話と摩訶止観―「第一節 隠遁の思想的背景」補説
第三節 民衆の中へ―聖たちの世界
第四節 行基と空也―中世仏教説話集の一側面
第三章 仏教説話の研究
第一節 仏教説話の成立
第二節 仏教説話における因果応報―『今昔物語集』本朝仏法部にみる
第三節 親を殺す話―因果応報譚の一つについて
第四章 覚一本『平家物語』の研究
第一節 『平家物語』の世界―男性群像をめぐって
第二節 「死」への思い―『平家物語』の語るもの
第三節 「とぞ見えし」考―『平家物語』における無常観の一表現
第四節 『平家物語』の性格―「あはれ」の語の考察を通して
第五節 貴族の眼・武士の眼―『平家物語』における二つの価値観
第六節 『平家物語』における「罪」と「悪」(1)―「罪」について
第七節 『平家物語』における「罪」と「悪」(2)―「悪」について
第八節 覚一本『平家物語』の展開
第九節 「諸行無常」・「盛者必衰」と経論―『平家物語』序章をめぐって
第十節 「祇園精舎の鐘の声」―『平家物語』冒頭の理解をめぐって
第五章 隠者文学の研究
第一節 西行における遁世―『山家集』より
第二節 「不請の阿弥陀仏」考
第三節 『方丈記』終章にみる長明の意図
第四節 『徒然草』にみる人生観―『徒然草』第四十段の解釈をめぐって
第五節 三つの自己―『徒然草』序段の謙辞をめぐって
●附篇 中世仏教文学の周縁
第一章 中世文学にみる人間観
第一節 『宇治拾遺物語』にみる人間観
第二節 中世女流日記にみる人間観―『建礼門院右京大夫集』・『とはずがたり』を中心に
第二章 「雅び」の崩壊と継承
第一節 平安王朝期における「雅び」
第二節 中世女流日記にみる「雅び」
第三章 狂言綺語観の展開
初出一覧/あとがき
第一節 中世文学を底流するもの
第二節 仏教文学の定義をめぐって
第一章 『撰集抄』の研究
第一節 中世仏教説話の特異性―『撰集抄』を中心に
第二節 『撰集抄』における清僧意識
第三節 「配所の月」をめぐって―『撰集抄』巻四第五話を中心に
第四節 西行像試論―『撰集抄』と『西行物語』における異質性
第五節 『撰集抄』の説話配列―巻一を中心に
第二章 中世仏教説話集の研究
第一節 隠遁の思想的背景―中世仏教説話集成立の一基盤
第二節 中世仏教説話と摩訶止観―「第一節 隠遁の思想的背景」補説
第三節 民衆の中へ―聖たちの世界
第四節 行基と空也―中世仏教説話集の一側面
第三章 仏教説話の研究
第一節 仏教説話の成立
第二節 仏教説話における因果応報―『今昔物語集』本朝仏法部にみる
第三節 親を殺す話―因果応報譚の一つについて
第四章 覚一本『平家物語』の研究
第一節 『平家物語』の世界―男性群像をめぐって
第二節 「死」への思い―『平家物語』の語るもの
第三節 「とぞ見えし」考―『平家物語』における無常観の一表現
第四節 『平家物語』の性格―「あはれ」の語の考察を通して
第五節 貴族の眼・武士の眼―『平家物語』における二つの価値観
第六節 『平家物語』における「罪」と「悪」(1)―「罪」について
第七節 『平家物語』における「罪」と「悪」(2)―「悪」について
第八節 覚一本『平家物語』の展開
第九節 「諸行無常」・「盛者必衰」と経論―『平家物語』序章をめぐって
第十節 「祇園精舎の鐘の声」―『平家物語』冒頭の理解をめぐって
第五章 隠者文学の研究
第一節 西行における遁世―『山家集』より
第二節 「不請の阿弥陀仏」考
第三節 『方丈記』終章にみる長明の意図
第四節 『徒然草』にみる人生観―『徒然草』第四十段の解釈をめぐって
第五節 三つの自己―『徒然草』序段の謙辞をめぐって
●附篇 中世仏教文学の周縁
第一章 中世文学にみる人間観
第一節 『宇治拾遺物語』にみる人間観
第二節 中世女流日記にみる人間観―『建礼門院右京大夫集』・『とはずがたり』を中心に
第二章 「雅び」の崩壊と継承
第一節 平安王朝期における「雅び」
第二節 中世女流日記にみる「雅び」
第三章 狂言綺語観の展開
初出一覧/あとがき