話題の本【書評】(2024年9月~) - 2025.08.07
どこかの遠い友に
船城稔美詩集
全国8つのハンセン病療養所入所者73名による合同詩集『いのちの芽』(1953年)が70年ぶりに復刊され、岩波文庫に入ったことで話題を呼んだのは、2024年夏のことだった。そこには、船城稔美(1923-2003年)の詩も5篇収められている。
船城は15歳で入所してすぐ、大人たちにまじって園内誌に詩を書き始めた。79歳で亡くなる前年まで、書き続けた。生前、その詩が世間的な注目を集めることはほとんどなかった。
2023年、国立ハンセン病資料館企画展「ハンセン病文学の新生面――『いのちの芽』の詩人たち』が開催され、船城にかんする重要な(永らく見落とされてきた)事実が指摘された。それは船城が、性的マイノリティだったのではないか、というものだった。
船城は15歳で入所してすぐ、大人たちにまじって園内誌に詩を書き始めた。79歳で亡くなる前年まで、書き続けた。生前、その詩が世間的な注目を集めることはほとんどなかった。
2023年、国立ハンセン病資料館企画展「ハンセン病文学の新生面――『いのちの芽』の詩人たち』が開催され、船城にかんする重要な(永らく見落とされてきた)事実が指摘された。それは船城が、性的マイノリティだったのではないか、というものだった。
想い
別れた人
雪の夜
五月
ウイツチが私に迎ひにくる
他
別れた人
雪の夜
五月
ウイツチが私に迎ひにくる
他