古代寺院史の研究

著者 菱田 哲郎
吉川 真司
出版社 思文閣出版
ジャンル 日本仏教 > 日本仏教総論
出版年月日 2019/07/31
ISBN 9784784219681
判型・ページ数 B5・497ページ
定価 本体13,000円+税
在庫 品切れ・重版未定
古代の寺院遺跡について、実地に検討をおこない、分野の垣根をとりはらって議論できる場を設けようと、「古代寺院史研究会」は発足した。
考古学・文献史学・美術史学・建築史学・地理学など、さまざまな分野の研究者が集って、遺跡を見学し、遺物を熟覧し、調査・研究について議論する会を積み重ねてきた。

本書は、主としてその参加者が執筆した、畿内・周辺地域の古代寺院に関する論考と最新の調査知見、さらに古代朝鮮・中国の寺院研究を収録し、分野横断的な視点で古代寺院史研究の新地平を拓く。
序 (菱田哲郎・吉川真司)

◆寺院の変遷とその荘厳
 堂内荘厳の考古学―緑釉波紋?と?仏から(大脇潔)
 三彩・緑釉?再論(高橋照彦)
 日本古代寺院における「幢」の考古学的研究(高正龍)
 古代寺院の数的変遷(吉川真司)
 常修多羅衆成立をめぐる基礎的考察―大寺を支える僧侶組織(堀裕)

◆山城国
 高麗寺からみた日本古代の仏教(菱田哲郎)
 古代・中世寺院史研究における東安寺の射程―京都市伏見区の小野廃寺について(黒羽亮太)
 平安京の周辺諸寺圏(古閑正浩)
 造仏の場としての法成寺の意義(根立研介)
 [コラム]樫原廃寺(堀大輔)
 [コラム]宝菩提院廃寺(梅本康広)
 [コラム]神雄寺跡(大坪州一郎)

◆大和国
 高市大寺の所在地をめぐって(小澤毅)
 香山堂再考(平松良順)
 東大寺法華堂伝来の天平期諸像に関する一考察(藤岡穣)
 [コラム]尼寺廃寺(山下隆次)
 [コラム]安倍寺跡(丹羽恵二)
 [コラム]奥山廃寺跡(岩本正二)

◆河内国
 古代寺院と寺辺の景観―河内九頭神廃寺周辺の調査成果から(西田敏秀)
 交野ケ原の歴史地理―北河内の寺院を結ぶ(上杉和央)
 生駒西麓の古代寺院の研究―河内寺廃寺跡と法通寺跡を中心に(網伸也)
 河内六寺と知識(安村俊史)
 [コラム]河内九頭神廃寺(西田敏秀)
 [コラム]百済寺跡(大竹弘之)
 [コラム]高宮廃寺跡(丸山香代)
 [コラム]河内寺廃寺跡(仲林篤史)

◆行基寺院
 行基建立の四十九院と開発(近藤康司)
 山背の行基寺院―紀伊郡域を中心に(吉野秋二)
 摂津国西成郡津守村の行基寺院(西本昌弘)
 [コラム]おうせんどう廃寺・がんぜんどう廃寺(堀大輔)
 [コラム]山崎廃寺〔山崎院〕(古閑正浩)
 [コラム]大野寺跡〔土塔〕(近藤康司)

◆地方寺院の諸相
 地方寺院の法会―伽藍配置・仏像・経典(三舟隆之)
 飛騨における軒瓦の一様相(三好清超)
 古代若狭における寺院造営の一様相―興道寺廃寺を中心に(松葉竜司)
 [コラム]伊丹廃寺跡(中畔明日香)
 [コラム]海会寺跡(近藤康司)

◆中国と朝鮮
 中国における双塔伽藍の成立と展開(向井佑介)
 百済寺院の立地―谷に造営された寺々(清水昭博)
 新羅王京寺院の伽藍配置について(田中俊明)
 新羅下代景文王の宗廟祭祀と崇福寺(井上直樹)

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