日本古代の政治と仏教

国家仏教論を超えて

著者 佐藤 文子
出版社 吉川弘文館
ジャンル 歴史・資料 > 歴史
出版年月日 2018/01/01
ISBN 9784642046404
判型・ページ数 A5・293ページ
定価 本体11,000円+税
在庫 お取り寄せ
古代の日本は、中央集権的な国家が政治の手立てとして仏教を興隆し、得度を統制したと理解されてきた。それは本当に実態に即した姿なのであろうか。得度と為政者との関係、天皇権の発動契機などを古代人の思想に沿って分析し、古代社会における権力の実情を探る。さらに、〈国家仏教〉論の歴史的成立過程を解き明かし、従来の理解を超克する意欲作。
総説

第一章 優婆塞貢進の実像とその史的意義
 一 優婆塞貢進文の再検討
 二 優婆塞貢進とは何か
 三 〈網羅的官度制〉から〈限定的官度制〉へ
第二章 日本古代における得度前行者の存在形態
 一 古代における白衣の俗人たち
 二 得度前行者の存在形態
 三 得度前行者とは何であったのか
第三章 古代の得度に関する基本概念の再検討―官度・私度・自度を中心に
 一 「官度」の概念と得度システム
 二 「私度」と「自度」とを検証する
 三 古代社会のなかの「私度」の実像
第四章 延暦年分度者制の再検討
 一 延暦年分度者制の基本理念
 二 延暦年分度者制起草以前の得度制
 三 延暦年分度者制成立の基盤と背景
第五章 臨時得度の政治思想
 一 臨時得度の様相
 二 『出家功徳経』の受容とその効果
 三 「度」を賜うことの忌み
 四 いわゆる「例得度」をめぐって
第六章 淳仁朝の造宮計画―宮の新営と天皇権獲得の原理
 一 淳仁期の造営計画
 二 「臨軒」について
 三 宮の新宮と廃棄をめぐる問題
 四 宮の新宮による天皇権獲得の原理―むすびにかえて―
第七章 郊野の思想―長岡京域の周縁をめぐって
 一 長岡「京下」の問題
 二 西郊の特質
 三 郊野の思想―むすびにかえて―
結章 史学史としての〈国家仏教〉論
 一 ふたつの〈国家仏教〉論
 二 〈国家仏教〉論の創出とその背景
 三 〈反律令仏教〉・〈律令仏教〉論の生成
 四 〈国家仏教〉論の復権

あとがき
索引

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