大乗起信論成立問題の研究

『大乗起信論』は漢文仏教文献からのパッチワーク

著者 大竹 晋
出版社 国書刊行会
ジャンル 経典・聖典(学術的)
出版年月日 2017/11/20
ISBN 9784336061874
判型・ページ数 A5・567ページ
定価 本体13,000円+税
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崩れ去る、インド人撰述説という〈幻想〉――。『大乗起信論』が漢文仏教文献からの一種の〈パッチワーク〉であることを明らかにし、〈北朝人撰述説〉を確定。同論の〈素材〉である漢文仏教文献、同論に含まれる〈北朝仏教固有の学説〉とインド仏教教理への〈誤解〉とを逐一指摘。さらに、馬鳴と真諦への仮託の経緯をも解明。『大乗起信論』の出現以来、1500年に亙る謎であった成立問題に、今、終止符が打たれる。
まえがき
 序 論
  一 はじめに
  二 研究史の概観
  三 本研究の構成
  四 おわりに

第一部 資料篇
 第一章 敦煌写本系『大乗起信論』
 第二章 北朝現在漢文仏教文献対照『大乗起信論』

第二部 研究篇
 第一章 『大乗起信論』の素材
  一 はじめに
  二 元魏漢訳に先行する諸訳
  三 元魏漢訳に先行する偽経
  四 元魏漢訳
  五 元魏菩提流支著作および講義録
  六 おわりに
 第二章 『大乗起信論』における北朝仏教説
  一 はじめに
  二 五蘊を色心と見なす説
  三 心を無明と見なす説
  四 双運道における止観の対象を別々と見なす説
  五 大乗の語義を三大と見なす説
  六 おわりに
 第三章 『大乗起信論』における奇説
  一 はじめに
  二 あらゆる諸法を真如と見なす説
  三 意を五意と見なす説
  四 熏習を熏と見なす説
  五 前世の業障が今世に残っていると見なす説
  六 阿惟越致を信から退かなくなることと見なす説
  七 正定聚を信から退かなくなる者と見なす説
  八 おわりに
 第四章 『大乗起信論』の成立と流伝
  一 はじめに
  二 北朝における成立と馬鳴への仮託
  三 南朝における流伝と真諦への仮託
  四 おわりに

 結 論
  一 はじめに
  二 中国仏教史における『大乗起信論』
  三 通仏教史における『大乗起信論』
  四 おわりに

 註
 索引
 Table of Contents
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