比較思想から見た日本仏教

著者 末木 文美士
出版社 山喜房佛書林
ジャンル 哲学・思想 > 仏教哲学・思想
出版年月日 2015/12/28
ISBN 9784796302609
判型・ページ数 A5・551ページ
定価 本体9,500円+税
在庫 お取り寄せ
本書は、平成25、26年度(2013、2014年度)に行われた国際日本文化研究センターの共同研究「日本仏教の比較思想的研究」の研究成果と、それに関連して行なわれた国際研究集会「比較思想から見た日本仏教」(平成27年2月20~21日)の報告をまとめたもの。日本仏教へ多元的に光を当て、その重層性を明らかにする意欲的な論文集。
はじめに―末木文美士

序章 比較思想から見た日本仏教―末木文美士

Ⅰ 前近代仏教への新視点

中世日本における御産と女性の健康
 『産生類聚抄』の仏教的・医学的知識を中心として ―アンナ・アンドレーワ
中世真言密教における五蔵曼荼羅の意義
 『五蔵曼荼羅和会釈』を中心に ―亀山隆彦
『喫茶養生記』再読
 栄西による主張の独創性とその継承 ―米田真理子
問答法の比較思想史のために
 論議とスコラ哲学を手がかりとして ―前川健一
正中の宗論とその背景 ―井上克人
ルイス・フロイスの宗教観
 スペイン王位歴史学学士院の史料を中心に ―滝澤修身
「近世的世俗化」の陥穽
 比較思想から見た日本仏教・近世 ―西村 玲
善書をめぐる近世仏教の交流 ―肖 ?
黄檗宗萬福寺第四祖獨湛と善書 ―田中実マルコス
白隠の「すたすた坊主」
 「作為」論、もう一つの系譜学に向けて ―嘉指信雄

Ⅱ 仏教と近代思想/哲学

村上専精と比較事業
 近代日本仏教の思想形成をめぐる一断面 ―オリオン・クラウタウ
西田の時間論と白隠の「客」 ―エンリコ・フォンガロ
西田幾多郎、高神覚昇、松下幸之助の三者の思想の類似性
 三つの領域で展開される「働く人の哲学」 ―坂本慎一
「無」をめぐるキリスト教神学および仏教の比較考察
 西田哲学とキリスト教的ケノーシス(神の自己空無化に)に焦点を当てて ―阿部仲麻呂
「東洋哲学」とは何か
 西田幾多郎と井筒俊彦の「東洋」概念 ―永井 晋
創発主義的生命論と場所論的生命論 ―冲永宜司
和辻哲郎の「空の倫理学」と比較思想的仏教論 ―セビリア・アントン
日本の宗教的思考における神秘
 鈴木大拙と井筒俊彦をめぐって ―中島隆博
井筒俊彦の「分節」と「無分節」 
 華厳思想の「事」と「理」 ―西平 直
Maruyama's Callenge to Buddhist Communities,
Lay and Clerical, in Japan and Korea: Focusing on the Notion of Invention[作為] ―Woo Sung HUH

Ⅲ 仏教の未来へ向けて

仏教がケアと関わることの意義
 曽我量深の慈悲の思想 ―坂井祐円
空海と山水
 いのちを治む ―岡本貴久子
日本仏教と平和主義
 その実践と課題 ―ランジャナ・ムコパディヤーヤ
バチカンから見たアジア、仏教 ―上野景文
仏教とキリスト教の邂逅の道
 キリシタン時代から続く対話の霊性を求めて ―高橋勝幸
地球社会と日本仏教
 展望と期待 ―ルーベン・アビト

終章 対話・等価性・虚無の天空 ―稲賀繁美

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