新聞掲載広告(2024年9月~) - 2024.11.19
奈良時代の阿弥陀如来像と浄土信仰
西方極楽浄土への往生を説く浄土教・阿弥陀信仰は、日本仏教の展開において看過することのできない大きな位置を占めている。
しかし、平安時代以降の研究に比して、奈良時代における阿弥陀信仰の研究は、その史料的制約からも未解決な問題が多く、なお検討の余地を残している。
本書では、政界・仏教界双方に影響力を有した光明皇后の阿弥陀信仰を中心に考察し、奈良時代における阿弥陀如来像の機能や特質をその形態の比較から位置づける。また、当時の法会における法具や経典に着目することにより宗教的・思想的背景を論じ、これまで日本浄土教受容史上の定説とされてきた井上光貞の論を再検討することで、奈良時代における阿弥陀信仰の実相とその歴史的意義、そして東アジア仏教文化圏におけるその特質を明らかにする。
序 文 大橋一章
凡 例
緒 言
序論 上代阿弥陀信仰と造像をめぐる先行研究
はじめに
一 飛鳥白鳳時代の阿弥陀信仰とその造像
二 井上光貞氏の研究
三 井上光貞氏以後の研究
四 上代における阿弥陀如来像の制作背景
小結
第一部 光明皇后の阿弥陀信仰
第一章 光明皇后以前の阿弥陀如来像とその信仰
はじめに
一 飛鳥時代の無量寿国信仰
二 弥勒如来図像と阿弥陀如来図像
三 阿弥陀如来の新図像
四 白鳳時代の宮廷女性と唐代浄土教
五 統一新羅からの受容
小結
第二章 光明皇后と東大寺阿弥陀堂
はじめに
一 東大寺阿弥陀堂の安置仏と荘厳
二 東大寺阿弥陀堂に関する先行研究
三 東大寺阿弥陀悔過に関する先行研究
四 数珠と光明皇后の阿弥陀信仰
五 阿弥陀悔過と光明皇后の阿弥陀信仰
小結
第三章 智光と光明皇后
はじめに
一 奈良時代の浄土教家と在俗者
二 智光と光明皇后との関係
三 智光の浄土思想
四 光明皇后への影響力
小結
第四章 法隆寺伝法堂と光明皇后の浄土信仰
はじめに
一 法隆寺伝法堂の阿弥陀三尊像
二 法隆寺東院伽藍の創立と光明皇后
三 法隆寺東院伽藍の機能
四 光明皇后の法華経信仰と阿弥陀信仰
小結
第二部 奈良時代の阿弥陀如来像
第一章 法隆寺伝法堂西の間阿弥陀如来像と『陀羅尼集経』
はじめに
一 法隆寺伝法堂西の間阿弥陀像の様式
二 法隆寺伝法堂西の間阿弥陀像の説法印
三 『陀羅尼集経』所説説法印阿弥陀像の性格
四 光明皇后の阿弥陀信仰と雑密信仰
小結
第二章 法華寺阿弥陀浄土院本尊と『陀羅尼集経』
はじめに
一 法華寺阿弥陀浄土院の造営をめぐる先行研究
二 法華寺阿弥陀浄土院創建時期の再検討
三 法華寺阿弥陀浄土院とその本尊の性格
四 法華寺阿弥陀浄土院本尊と阿弥陀仏輪印法
五 法華寺阿弥陀浄土院本尊の周辺
小結
第三章 『陀羅尼集経』所説阿弥陀如来像の成立背景
はじめに
一 阿弥陀信仰と十一面観音信仰の結び付き
二 阿弥陀信仰と不空羂索観音信仰の結び付き
三 阿弥陀信仰と華厳教学の結び付き
四 奈良時代の阿弥陀信仰と観音信仰
小結
第四章 頭塔阿弥陀三尊石仏の制作
はじめに
一 頭塔阿弥陀三尊石仏の図像
二 頭塔阿弥陀三尊石仏と東大寺阿弥陀堂本尊
三 東大寺阿弥陀堂本尊の像容
四 頭塔阿弥陀三尊石仏と光明皇后
小結
第五章 奈良時代阿弥陀如来像制作の意義
はじめに
一 上代の阿弥陀信仰と造像
二 阿弥陀如来図像の受容
三 雑密系阿弥陀如来像成立の史的意義
四 平安時代への展望
小結
結 語
付論一 上代仏教彫像制作における追善の意味
はじめに
一 日本上代の追善像
二 光明皇后の法隆寺信仰
三 阿弥陀信仰と観音信仰
四 仏像制作における追善の目的
小結
付論二 法華寺十一面観音菩薩像の性格
はじめに
一 法華寺十一面観音像と光明皇后
二 光明皇后の十一面観音信仰
三 法華寺十一面観音像の原所在と性格
四 風動表現と蓮華光背
五 模刻としての法華寺十一面観音像
小結
あとがき
初出と構成
図版出典一覧
索 引
凡 例
緒 言
序論 上代阿弥陀信仰と造像をめぐる先行研究
はじめに
一 飛鳥白鳳時代の阿弥陀信仰とその造像
二 井上光貞氏の研究
三 井上光貞氏以後の研究
四 上代における阿弥陀如来像の制作背景
小結
第一部 光明皇后の阿弥陀信仰
第一章 光明皇后以前の阿弥陀如来像とその信仰
はじめに
一 飛鳥時代の無量寿国信仰
二 弥勒如来図像と阿弥陀如来図像
三 阿弥陀如来の新図像
四 白鳳時代の宮廷女性と唐代浄土教
五 統一新羅からの受容
小結
第二章 光明皇后と東大寺阿弥陀堂
はじめに
一 東大寺阿弥陀堂の安置仏と荘厳
二 東大寺阿弥陀堂に関する先行研究
三 東大寺阿弥陀悔過に関する先行研究
四 数珠と光明皇后の阿弥陀信仰
五 阿弥陀悔過と光明皇后の阿弥陀信仰
小結
第三章 智光と光明皇后
はじめに
一 奈良時代の浄土教家と在俗者
二 智光と光明皇后との関係
三 智光の浄土思想
四 光明皇后への影響力
小結
第四章 法隆寺伝法堂と光明皇后の浄土信仰
はじめに
一 法隆寺伝法堂の阿弥陀三尊像
二 法隆寺東院伽藍の創立と光明皇后
三 法隆寺東院伽藍の機能
四 光明皇后の法華経信仰と阿弥陀信仰
小結
第二部 奈良時代の阿弥陀如来像
第一章 法隆寺伝法堂西の間阿弥陀如来像と『陀羅尼集経』
はじめに
一 法隆寺伝法堂西の間阿弥陀像の様式
二 法隆寺伝法堂西の間阿弥陀像の説法印
三 『陀羅尼集経』所説説法印阿弥陀像の性格
四 光明皇后の阿弥陀信仰と雑密信仰
小結
第二章 法華寺阿弥陀浄土院本尊と『陀羅尼集経』
はじめに
一 法華寺阿弥陀浄土院の造営をめぐる先行研究
二 法華寺阿弥陀浄土院創建時期の再検討
三 法華寺阿弥陀浄土院とその本尊の性格
四 法華寺阿弥陀浄土院本尊と阿弥陀仏輪印法
五 法華寺阿弥陀浄土院本尊の周辺
小結
第三章 『陀羅尼集経』所説阿弥陀如来像の成立背景
はじめに
一 阿弥陀信仰と十一面観音信仰の結び付き
二 阿弥陀信仰と不空羂索観音信仰の結び付き
三 阿弥陀信仰と華厳教学の結び付き
四 奈良時代の阿弥陀信仰と観音信仰
小結
第四章 頭塔阿弥陀三尊石仏の制作
はじめに
一 頭塔阿弥陀三尊石仏の図像
二 頭塔阿弥陀三尊石仏と東大寺阿弥陀堂本尊
三 東大寺阿弥陀堂本尊の像容
四 頭塔阿弥陀三尊石仏と光明皇后
小結
第五章 奈良時代阿弥陀如来像制作の意義
はじめに
一 上代の阿弥陀信仰と造像
二 阿弥陀如来図像の受容
三 雑密系阿弥陀如来像成立の史的意義
四 平安時代への展望
小結
結 語
付論一 上代仏教彫像制作における追善の意味
はじめに
一 日本上代の追善像
二 光明皇后の法隆寺信仰
三 阿弥陀信仰と観音信仰
四 仏像制作における追善の目的
小結
付論二 法華寺十一面観音菩薩像の性格
はじめに
一 法華寺十一面観音像と光明皇后
二 光明皇后の十一面観音信仰
三 法華寺十一面観音像の原所在と性格
四 風動表現と蓮華光背
五 模刻としての法華寺十一面観音像
小結
あとがき
初出と構成
図版出典一覧
索 引