新聞掲載広告(2024年9月~) - 2024.11.19
中世日本の宗教テクスト体系
文字、図像、儀礼を含む広大な領域を 「宗教テクスト」 の視座から展望した一冊。聖徳太子伝から仏教儀礼、経蔵、聖教、神祇まで、中世世界の深層に潜む豊穣なる知の体系を解き明かした労作。
序 章 宗教テクスト学試論
1 宗教というテクスト宇宙
2 宗教テクストの探究
3 中世宗教テクストの世界像
4 中世宗教テクストの場へ
第Ⅰ部 聖徳太子宗教テクストの世界
第1章 聖徳太子の世界像
―― 中世太子宗教テクスト体系の形成
1 聖徳太子をめぐる宗教テクストの場
2 古代における聖徳太子伝と絵伝
3 中世聖徳太子尊像図像の生成
4 中世太子宗教テクスト形成の主体
5 太子宗教テクストの生成展開をうながすもの
6 中世太子宗教テクストの座標と布置
第2章 複合宗教テクストとしての聖徳太子伝と絵伝
1 古代における太子像と太子伝の成立
2 平安期における太子伝の生成と『三宝絵』
3 『聖徳太子伝歴』 における正典の確立
4 平安期における聖徳太子絵伝 ―― 法隆寺障子絵伝の成立
5 法隆寺障子絵伝における世界像
6 法隆寺上宮王院の宝物 ―― 舎利と宝物目録
7 文芸テクストに表象された太子の霊地
第3章 霊地における太子像
―― 院政期の聖徳太子崇敬と四天王寺・太子廟
1 院政期太子像の宗教構想
2 慈円における太子像の構想
3 四天王寺の創建伝承と縁起説
4 『御手印縁起』の成立と展開
5 中世太子絵伝における四天王寺図像の世界
6 廟崛太子 ―― 死せる太子の記文と生ける骸 (かばね)
7 顕真における太子廟御記文伝承の文脈
8 太子廟の礼拝空間における尊像と絵伝
第4章 中世聖徳太子絵伝におけるテクスト複合
1 中世太子絵伝の宗教図像テクスト複合
2 中世太子絵伝と太子伝によるテクスト複合の様相
3 中世掛幅太子絵伝の類型と展開
4 中世太子絵伝の 〈外部〉 と 〈内部〉 の複合
5 聖徳太子絵伝テクスト複合の統辞法
第Ⅱ部 寺院経蔵宗教テクストの世界
第5章 寺院における宗教テクストの諸位相
1 日本における仏宝のテクスト
2 一切経と聖教の場としての経蔵
3 中世宗教テクストの縮図としての唱導
4 宗教テクストの主体としての慈円
第6章 宗教テクスト創出による国土の 〈経蔵〉 化
―― 一切経と埋経の融合
1 一切経という宗教テクスト
2 宗教テクストの位相からみる一切経造立の意義
3 埋経儀礼と一切経造立の接点
4 院王権による一切経造立と勧進聖による埋経運動
5 鳥羽院の末代上人一切経勧進結縁と富士山埋経
第7章 宗教テクストとしての経蔵と目録
1 「聖教目録」 という座標
2 円珍と寺門派における中世宗教テクストの形成
3 東寺における空海請来・御筆宗教テクストの布置と展開
4 醍醐寺三宝院における宗教テクスト体系の形成
第8章 灌頂儀礼と宗教テクスト
―― 儀礼テクストとしての中世密教聖教
1 宗教テクストの場としての灌頂
2 守覚法親王の宗教テクストにおける灌頂儀礼
3 即位灌頂という儀礼テクスト
4 密教儀礼テクストの諸位相と口決
第9章 中世密教聖教の極北
―― 文観弘真の三尊合行法テクスト
1 「文観」 像と文観研究
2 文観の三尊合行法テクスト
3 三尊合行法テクストと文観著作
4 『瑜伽瑜祇秘肝鈔』 と後醍醐天皇御影
文観弘真著作年譜
第Ⅲ部 儀礼空間宗教テクストの世界
第10章 仏教儀礼における宗教テクストの諸位相
1 儀礼空間のテクスト
2 二月堂修二会の儀礼テクスト空間
3 唱導の儀礼テクスト ―― 大導師作法の系譜
4 常行堂の法儀と堂僧の念仏 ―― 呪師作法と声明の系譜
5 講式を読む ―― 儀礼テクストによる諸位相の統合
第11章 宗教テクストの核としての願文
1 願文という宗教テクスト
2 古代仏教における願文の諸位相
3 御堂関白の作善と願文
4 院政期の次第法則における願文の位置
5 東大寺大仏をめぐる願文の諸相
第12章 修正会・修二会と儀礼テクスト
1 二月堂修二会の儀礼空間と音声
2 修二会の行法と所作の構造
3 朱唐櫃 ―― 二月堂の 〈聖なるテクスト〉
4 “読む” テクスト ―― 神名帳と過去帳
5 二月堂の神話テクストと神名帳・過去帳
6 常行堂修正会と大念仏の儀礼テクスト
7 僧賀聖人の伝承とそのテクスト
第13章 儀礼の声
1 悔過の声 ―― 修正会・修二会の行いから念仏へ
2 講式の声 ―― 浄土往生の講式と声明の式読
3 高声と一声 ―― 法然伝と 『一遍聖絵』 における念仏の声
4 一味同心の声 ―― 真宗における念仏と法儀の形成
第14章 真宗寺院の宗教空間と儀礼テクスト
1 城端別院虫干法会の儀礼空間
2 虫干法会における宗教テクストの諸位相と機能
3 伝承される宗教テクストの再創造
第Ⅳ部 神祇祭祀宗教テクストの世界
第15章 中世熱田宮の宗教テクスト空間
1 神祇をめぐるテクストの諸位相
2 熱田宮の神典と経典 ―― 神宝としての聖典奉納
3 熱田宮における中世縁起の形成と展開
4 熱田宮炎上をめぐる託宣記と女房日記 ―― 『とはずがたり』 の熱田参詣
5 密教聖教テクストの象る熱田宮
6 「宝釼」 をめぐるテクスト
第16章 真福寺神祇書のテクスト体系
1 宗教テクストとしての神祇書
2 真福寺聖教における神祇書の位置
3 真福寺本神祇書の書誌分類
4 中世神道の展開と真福寺本神祇書
5 東大寺東南院からの神祇書の伝来
第17章 書かれたものとしての神道
―― 密教聖教の中の神祇書
1 テクストとしての中世神道
2 真福寺聖教の中の神道テクスト
3 「三宝院御流」 聖教の中の神道テクスト
4 『野決』 具書神道テクストの概要と思想
5 守覚法親王の宗教テクストと神祇
第18章 修験道における宗教テクスト空間
1 宗教テクストとしての修験道
2 御正躰としての蔵王権現像と埋納聖典の位相
3 修験縁起説と役行者伝の位相
4 霊地を象る宗教テクスト複合 ―― 文観 『金峯山秘密伝』 と吉野曼荼羅彩絵厨子
終 章 中世宗教テクストのゆくえ
1 宗教テクストにおける中世
2 中世宗教テクストの普遍性 ―― 図像における複合と舎利による統合
3 中世宗教テクストの達成としての文字本尊 ―― 名号と題目
4 神祇における中世宗教テクストの到達点 ―― 神号と託宣
1 宗教というテクスト宇宙
2 宗教テクストの探究
3 中世宗教テクストの世界像
4 中世宗教テクストの場へ
第Ⅰ部 聖徳太子宗教テクストの世界
第1章 聖徳太子の世界像
―― 中世太子宗教テクスト体系の形成
1 聖徳太子をめぐる宗教テクストの場
2 古代における聖徳太子伝と絵伝
3 中世聖徳太子尊像図像の生成
4 中世太子宗教テクスト形成の主体
5 太子宗教テクストの生成展開をうながすもの
6 中世太子宗教テクストの座標と布置
第2章 複合宗教テクストとしての聖徳太子伝と絵伝
1 古代における太子像と太子伝の成立
2 平安期における太子伝の生成と『三宝絵』
3 『聖徳太子伝歴』 における正典の確立
4 平安期における聖徳太子絵伝 ―― 法隆寺障子絵伝の成立
5 法隆寺障子絵伝における世界像
6 法隆寺上宮王院の宝物 ―― 舎利と宝物目録
7 文芸テクストに表象された太子の霊地
第3章 霊地における太子像
―― 院政期の聖徳太子崇敬と四天王寺・太子廟
1 院政期太子像の宗教構想
2 慈円における太子像の構想
3 四天王寺の創建伝承と縁起説
4 『御手印縁起』の成立と展開
5 中世太子絵伝における四天王寺図像の世界
6 廟崛太子 ―― 死せる太子の記文と生ける骸 (かばね)
7 顕真における太子廟御記文伝承の文脈
8 太子廟の礼拝空間における尊像と絵伝
第4章 中世聖徳太子絵伝におけるテクスト複合
1 中世太子絵伝の宗教図像テクスト複合
2 中世太子絵伝と太子伝によるテクスト複合の様相
3 中世掛幅太子絵伝の類型と展開
4 中世太子絵伝の 〈外部〉 と 〈内部〉 の複合
5 聖徳太子絵伝テクスト複合の統辞法
第Ⅱ部 寺院経蔵宗教テクストの世界
第5章 寺院における宗教テクストの諸位相
1 日本における仏宝のテクスト
2 一切経と聖教の場としての経蔵
3 中世宗教テクストの縮図としての唱導
4 宗教テクストの主体としての慈円
第6章 宗教テクスト創出による国土の 〈経蔵〉 化
―― 一切経と埋経の融合
1 一切経という宗教テクスト
2 宗教テクストの位相からみる一切経造立の意義
3 埋経儀礼と一切経造立の接点
4 院王権による一切経造立と勧進聖による埋経運動
5 鳥羽院の末代上人一切経勧進結縁と富士山埋経
第7章 宗教テクストとしての経蔵と目録
1 「聖教目録」 という座標
2 円珍と寺門派における中世宗教テクストの形成
3 東寺における空海請来・御筆宗教テクストの布置と展開
4 醍醐寺三宝院における宗教テクスト体系の形成
第8章 灌頂儀礼と宗教テクスト
―― 儀礼テクストとしての中世密教聖教
1 宗教テクストの場としての灌頂
2 守覚法親王の宗教テクストにおける灌頂儀礼
3 即位灌頂という儀礼テクスト
4 密教儀礼テクストの諸位相と口決
第9章 中世密教聖教の極北
―― 文観弘真の三尊合行法テクスト
1 「文観」 像と文観研究
2 文観の三尊合行法テクスト
3 三尊合行法テクストと文観著作
4 『瑜伽瑜祇秘肝鈔』 と後醍醐天皇御影
文観弘真著作年譜
第Ⅲ部 儀礼空間宗教テクストの世界
第10章 仏教儀礼における宗教テクストの諸位相
1 儀礼空間のテクスト
2 二月堂修二会の儀礼テクスト空間
3 唱導の儀礼テクスト ―― 大導師作法の系譜
4 常行堂の法儀と堂僧の念仏 ―― 呪師作法と声明の系譜
5 講式を読む ―― 儀礼テクストによる諸位相の統合
第11章 宗教テクストの核としての願文
1 願文という宗教テクスト
2 古代仏教における願文の諸位相
3 御堂関白の作善と願文
4 院政期の次第法則における願文の位置
5 東大寺大仏をめぐる願文の諸相
第12章 修正会・修二会と儀礼テクスト
1 二月堂修二会の儀礼空間と音声
2 修二会の行法と所作の構造
3 朱唐櫃 ―― 二月堂の 〈聖なるテクスト〉
4 “読む” テクスト ―― 神名帳と過去帳
5 二月堂の神話テクストと神名帳・過去帳
6 常行堂修正会と大念仏の儀礼テクスト
7 僧賀聖人の伝承とそのテクスト
第13章 儀礼の声
1 悔過の声 ―― 修正会・修二会の行いから念仏へ
2 講式の声 ―― 浄土往生の講式と声明の式読
3 高声と一声 ―― 法然伝と 『一遍聖絵』 における念仏の声
4 一味同心の声 ―― 真宗における念仏と法儀の形成
第14章 真宗寺院の宗教空間と儀礼テクスト
1 城端別院虫干法会の儀礼空間
2 虫干法会における宗教テクストの諸位相と機能
3 伝承される宗教テクストの再創造
第Ⅳ部 神祇祭祀宗教テクストの世界
第15章 中世熱田宮の宗教テクスト空間
1 神祇をめぐるテクストの諸位相
2 熱田宮の神典と経典 ―― 神宝としての聖典奉納
3 熱田宮における中世縁起の形成と展開
4 熱田宮炎上をめぐる託宣記と女房日記 ―― 『とはずがたり』 の熱田参詣
5 密教聖教テクストの象る熱田宮
6 「宝釼」 をめぐるテクスト
第16章 真福寺神祇書のテクスト体系
1 宗教テクストとしての神祇書
2 真福寺聖教における神祇書の位置
3 真福寺本神祇書の書誌分類
4 中世神道の展開と真福寺本神祇書
5 東大寺東南院からの神祇書の伝来
第17章 書かれたものとしての神道
―― 密教聖教の中の神祇書
1 テクストとしての中世神道
2 真福寺聖教の中の神道テクスト
3 「三宝院御流」 聖教の中の神道テクスト
4 『野決』 具書神道テクストの概要と思想
5 守覚法親王の宗教テクストと神祇
第18章 修験道における宗教テクスト空間
1 宗教テクストとしての修験道
2 御正躰としての蔵王権現像と埋納聖典の位相
3 修験縁起説と役行者伝の位相
4 霊地を象る宗教テクスト複合 ―― 文観 『金峯山秘密伝』 と吉野曼荼羅彩絵厨子
終 章 中世宗教テクストのゆくえ
1 宗教テクストにおける中世
2 中世宗教テクストの普遍性 ―― 図像における複合と舎利による統合
3 中世宗教テクストの達成としての文字本尊 ―― 名号と題目
4 神祇における中世宗教テクストの到達点 ―― 神号と託宣