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仏教儀礼の音曲とことば

中世の〈声〉を聴く

法華経読誦は後白河院の時代を画期に芸道化し、書写山圓教寺で花開いた。読経音曲や如意輪講式など、今は途絶えた儀礼の声に迫る。

著者 柴 佳世乃
出版社 法藏館
ジャンル 哲学・思想 > 宗教総論
出版年月日 2024/02/28
ISBN 9784831862839
判型・ページ数 A5・784ページ
定価 本体9,000円+税
在庫 在庫あり
法華経読誦は、後白河院の時代を画期として芸道化し、和歌や平家語りなどの文化と地続きのなかで、読経道として確立。のちに書写山圓教寺で花開いた。読経音曲や如意輪講式など、今は絶えた仏教儀礼の声に迫る。
序論

論考編
第一部 中世の〈声〉――読経、唱導、念仏、和歌
 第一章 芸道としての法華経読誦――信仰と〈声〉
 第二章 音声のルネサンス――読経道にみる中世文化
 第三章 和歌の声と読経の声――〈声〉のつらなり
 第四章 〈西行〉と読経の声
 第五章 念仏と声明――良忍をめぐる〈声〉
 第六章 仏教儀礼における〈声〉――読経と唱導の交差、連動

第二部 読経の音曲とことば――『読経口伝明鏡集』と読経道
 第一章 読経道口伝書の生成――『読経口伝明鏡集』著者能誉の周辺
 第二章 『沙石集』の道命和泉式部説―話―読経道伝承から読み解く
 第三章 読経道の成尋阿闍梨説話―――読誦と奇瑞
 第四章 読経道の相応和尚説話――読誦の秘伝
 第五章 読経道と読経音曲――〈声〉の復元に向けて
 第六章 平家語りと読経道――書写山をめぐる〈声〉
 第七章 伏見宮と法華経談義――心空・鎮増との関わりに触れて

第三部 唱導の音曲とことば――澄憲『如意輪講式』とその周辺
 第一章 澄憲と『如意輪講式』――その資料的価値への展望
 第二章 『如意輪講式』におけることばと〈声〉――表白・第四段を読む
 第三章 如意輪観音信仰の日本における展開――第五段「宿縁厚故門」を読む
 第四章 澄憲の講式作成の具体相――『如意輪講式』における経文引用
 第五章 澄憲から貞慶へ――『如意輪講式』の改作
 第六章 慶政と延朗、法華山寺――『尊師講式』を読む
 第七章 金沢文庫唱導資料『堀川院御事』と『発心集』――堀河院を追慕する人々

資料編
読経関連資料
一 六所家蔵『読経口伝明鏡集』解題と影印
二 弥勒寺蔵『読経口伝明鏡集』『法華経声事』解題と翻刻――書写山伝来と円空書写をめぐって
三 西来寺蔵 義源撰『法華読音』解題と影印、翻刻
四 求法寺南溪蔵所蔵『仁王経文点』解題と翻刻

唱導関連資料
五 大覚寺蔵 澄憲『如意輪講式』解題と翻刻
六 澄憲『如意輪講式』全訓読
七 書写山圓教寺蔵『如意輪講式』解題と翻刻
八 醍醐寺蔵 貞慶作三段式『如意輪講式』解題と翻刻
九 書写山圓教寺蔵『随心如意輪経』(『随心如意宝珠転輪秘密観自在菩薩根本陀羅尼経』)解題と翻刻――澄憲『如意輪講式』と書写山
  
結論
初出一覧
あとがき
索引

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