『比叡山延暦寺僧墓総覧 全3巻』チラシを作成しました。 - 2025.09.02
お金と宗教の歴史
YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」には多くの悩みが寄せられます。
悩みのトップにくるのは、「お金の悩み」なのです。少ない人も多い人も、お金で悩んでいます。実は、私たち僧も同じです。正見を説く仏教は、現実に存在するお金の悩みにしっかり対峙し、応えていかなくてはならないのです。
私が学生の頃、教授から言われた言葉があります。
Follow the money.
(世の中で起きる出来事の真実を知りたければ、お金の流れを追いなさい)
お金の流れを追っていくと、そこに「真実」が見えてきます。
歴史というのは言うなれば、「勝者の歴史」です。争いの勝者によって都合よくつくられた物語です。私たちが教科書で習う歴史も、それは同じです。真実を知るためには、お金の流れを追うしかありません。なぜならお金の流れは、嘘をつかないからです。そしてそれは、現在の歴史においても変わりません。
本書は、宗教、お金、戦、この3つの絡まりをほぐしながら、歴史を見ていきます。
3つの絡まりをほぐすことができるのが、お釈迦様の教え=真実を見る目だと私は考えています。
序章 人は太陽、火、そしてお金を崇めた
第1部 宗教とお金の誕生
第1章 宗教とお金、どちらが先に生まれたのか
第2章 農耕が富を生み、そこからさらに争いと宗教が生まれた
第3章 八百万の神の中でも、なぜ太陽神は特別だったのか
第2部 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教
第4章 キリスト教もイスラム教も、ユダヤ教と税金が生んだ
第5章 教会税が大航海時代を導き、教会の堕落が宗教改革につながる
第6章 徴税の成功がもたらした産業革命 失敗がもたらしたフランス革命
第7章 なぜ戦争は起こるのか。世界大戦とその後の世界
第3部 仏教の誕生と広がり
第8章 僧は「生産活動をしない」「支えられる」ことが仏教の前提
第9章 インドで生まれ、インドではいったん滅んだ仏教
第10章 アジアの仏教史①-- 南伝仏教と北伝仏教
第11章 アジアの仏教史②--大乗仏教は中国、朝鮮、台湾、そして日本へ
第4部 日本の仏教
第12章 学問としての仏教から、支配者・統治者のための仏教へ
第13章 「偉い人のため」から「民衆のため」の仏教へ
第14章 葬式仏教に至った江戸時代、「お金教」に絡め取られた明治時代
終章 争いの終わらない世界を生きる
おわりに