賽の河原【ちくま新書1866】

供養の宗教学

著者 村上 晶
出版社 筑摩書房
ジャンル 民俗・信仰
シリーズ ちくま新書
出版年月日 2025/07/10
ISBN 9784480076984
判型・ページ数 新書・252ページ
定価 本体920円+税
在庫 在庫あり
これが、地獄のキワ。
津軽地方の「イタコ」たちのフィールドワークをもとに、日本の供養を考える。

死別した、愛する人はどこにいってしまったのか。人間はその答えを求めて、 死後の世界についてあれこれ考えを巡らせる。 日本では、亡くなった子どもの行先として、独自の「賽の河原」が考えられた。著者は、10年以上にわたって、死者の口寄せなどで知られる津軽地方の「シャーマン」たちの調査をしてきた。本書は、「和製の地獄」とも言われる賽の河原を中心に、日本の供養を考えるものである。
はじめに
賽の河原=和製の地獄/供養について考える/あの世とこの世/この世中心の世界/本書の構成

第1章 口寄せとは何か
1 「イタコ」の成立
近代以前の口寄せ/シャーマン日本代表
2 口寄せの実際
イタコの商売/口寄せには型がある/イタコになるには/イタコはシャーマンか/イタコの意識
3 なぜ口寄せは死者の言葉になるのか
口寄せの条件/真偽を超えて/イタコの現状

第2章 供養と賽の河原
1 供養とはなにか
仏典由来の「供養」/「供養」の民俗的用法/廻向という思想
2 「日本人のあの世観」とはなにか
あの世のイメージ/「成仏」という問題
3 人形供養
人以外に対する供養/人形供養/供養は死を与える
4 賽の河原の物語
地蔵と子ども/賽の河原の初出/「賽」とはなにか/唄にみる賽の河原
5 なぜ石を積むのか
近世の人口政策/善行としての石積み/封印としての石積み/生活宗教

第3章 津軽の地蔵と川倉賽の河原の祭り
1  津軽地方の地蔵
津軽には2種類の地蔵がある/地蔵を祀る
2 川倉賽の河原地蔵尊
川倉賽の河原への案内/大祭/『東奥日報』の記事より
3 供養か娯楽か
イタコの登場/イタコが消える/供養であり、娯楽である

第4章 あの世で成長する子ども
1 花嫁人形供養
花嫁人形供養の研究史/ムカサリ絵馬と巫者との関係/奉納の詳細/奉納数の変化
2 死者の成長
何歳までが「子ども」か/未完成霊/死者は成長する/卒業証書の事例から
3 死者を死者にする
わからないから、ありがたい/口寄せの型/葬儀の意味
4 変わる口寄せ
なぜ口寄せはつづくのか/変化の中で

第5章 生活の中の死者
1 仏壇を考える
仏壇と信仰/なぜ仏壇があるのか(その1)/なぜ仏壇があるのか(その2)
2 継続する絆
グリーフケアの観点から/グリーフの乗り越えモデル/継続する絆へ/手元供養
3 なぜ仏壇だけではだめなのか
位牌の意味/遺影/遺影をどこに置くのか/死者が近くにいること
4 個人の悲嘆を支える
天然のメモリーボックス/絆の変容/大きな供養と個別的供養

第6章 供養の現在
1 死者の居場所
口寄せの現場から
2 楽しい賽の河原へ

あとがき

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