明治前期の大谷派教団 【龍谷叢書44】

明治初期の大谷派宗政の全体像を概観する史料の翻刻と解説を収録。明治中期以降に関心が集中する大谷派教団史研究に一石を投じる1冊

著者 中西 直樹 編著
出版社 法藏館
ジャンル 日本仏教 > 真宗系
シリーズ 叢書 > 龍谷叢書
出版年月日 2018/06/15
ISBN 9784831855541
判型・ページ数 A5・252ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
旧幕府と密接な関係を有すいわば佐幕派であった大谷派は明治維新後という一大転換期をどのように乗り越えようとし、またそれがどのような問題をもつものであったのか――。
 近年活況を呈する近代仏教史の研究において、その中心を占めてきた近代大谷派の研究を、明治維新から150年を経て、さらに進展させるためのファーストステップとなる1冊。

【本書の特徴】
 清沢満之の登場と彼も参加した白川党の教団改革運動など、明治中期以降の動向に注目が集まる真宗大谷派研究の状況に対し、戦前に新聞・雑誌等に掲載されたもののなかから、明治初頭の真宗大谷派の歴史を知る上で重要と考えられる史料を翻刻とその解説を収録。石川舜台宗政期の状況や白川党以前の教団改革への動きなど、“満之以前”の大谷派教団の動向を知るための足がかりとなる視座を提供する。
はじめに



第一部 明治期大谷派の宗政史概説

 解 説

  (1)宗史編修所と水谷寿

  (2)明治仏教史研究の高まり

  (3)両派の宗史編纂事業

  (4)借財償却問題

  (5)家臣団解体の過程

  (6)公選議会開設をめぐる動向

  (7)明治新政府との関係

 史 料

  「明治維新以後に於ける大谷派宗政の変遷」水谷寿(一)~(完)

  (『真宗』372~390号〈1932年10月~1934年4月〉)



第二部 石川舜台とアジア布教

 解 説

  (1)石川舜台に関する伝記類

  (2)石川舜台の経歴

  (3)第一次宗政期の事蹟

  (4)第二次宗政期の事蹟

  (5)石川宗政と史料の検討

  (6)石川舜台の面影

 史 料

  (1)光瑩伯の思出 石川舜台翁談

     (1923年2月10日付『中外日報』)

  (2)光瑩伯の思出(承前)(洋行の時) 石川舜台翁談

     (1923年2月11日付『中外日報』)

  (3)光瑩伯の思出(承前)(洋行の時)(二) 石川舜台翁談

     (1923年2月13日付『中外日報』)

  (4)光瑩伯の思出(承前)(洋行の時)(三) 石川舜台翁談

     (1923年2月15日付『中外日報』)

  (5)明治仏教秘史① 石川舜台翁談

     (1923年3月21日付『中外日報』)

  (6)明治仏教秘史② 石川舜台翁談

     (1923年3月22日付『中外日報』)

  (7)明治仏教秘史③ 石川舜台翁談

     (1923年3月24日付『中外日報』)

  (8)明治仏教秘史④ 石川舜台翁談

     (1923年3月25日付『中外日報』)

  (9)明治仏教秘史を読んで 上原芳太郎

     (1923年3月27日付『中外日報』)



第三部 教団改革運動への胎動

 解 説

  (1)改革趣意書の発表

  (2)尾州得明会と改革運動の拡大

  (3)改革運動のその後

 史 料

  (1)大谷派本願寺事務改革趣意書

     (『愛国新報』第86号附録広告)

  (2)真宗大谷派の改革党の旨趣

     (1891年2月20日付『明教新誌』)

  (3)『欧米之仏教』第五編〈抄録〉

     (1891年7月29日発行)

  (4)『欧米之仏教』第六編〈抄録〉

     (1891年8月30日発行)

  (5)大谷派本願寺改革党の運動

     (1891年11月2日付『明教新誌』)



 あとがき

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