新訳 往生要集 上

付詳註・索引

日本浄土思想に多大な影響を与えた、源信著『往生要集』三巻の全てを、新たに現代語訳。詳細な語註と経典・人名の索引を付す。

著者 源信
梯 信暁
出版社 法藏館
ジャンル 日本仏教 > 浄土宗系
出版年月日 2017/02/20
ISBN 9784831860644
判型・ページ数 A5・286ページ
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり
●恵心僧都源信著『往生要集』三巻。寛和元年(985)完成。

末法の世にふさわしい仏教として極楽往生の道を勧め、その教理・実践を説く多くの聖教の中から、特に「念仏」を説く文だけを選んで、その肝要を抜き書きしたものである。本書は、その成立直後から著者の意図を超えて広く諸方面に流布し、浄土教の根本聖典として諸宗の学僧・修行僧を教え導き、また貴族の信仰の拠り所となった。そのため文学・美術・芸能など、さまざまな分野に多大の影響を与え、日本文化史上極めて重要な役割を果たした。

【本書の特徴】
●原文テキスト=『浄土真宗聖典 七祖篇註釈版』所収本。このテキストは、『浄土真宗聖典 七祖篇原典版』(京都青蓮院藏承安元年写本を底本とし、神奈川県最明寺蔵平安時代写本、建保四年刊本、建長五年刊本などを対校し書き下したもの)に基づく。

●現代語訳の作成にあたっては、難解な専門用語をなるべく用いず、日常語で本文の内容を説明するように努めた。

【現代語訳例】
極楽(ごくらく)に生まれることを目指せと説く教えとその実践とは、我ら末世の者どもが、悟りへの道を行くための目と足となるものである。僧侶も俗人も、貴族も庶民も、みなその教えに心を寄せている。しかし仏の教説は多様で、実践の体系も複雑である。頭が良くて勤勉な人なら、難なくこなせるのかもしれないが、私のような愚か者には、とてもすべてを修得できそうもない。そこで、「念仏(ねんぶつ)の法門一つだけに限定して、その肝要を説く経論の文を少しだけ集めてみた。この書を見ながら念仏すれば、理解しやすく、また実践も容易であろう。

【語註例】
末世=原文は「濁世末代(じょくせまつだい)」。濁りきった末の世。釈尊の滅後、仏法が次第に衰えてゆくと考える歴史観、いわゆる末法思想に基づく時代観。釈尊の滅後千五百年あるいは二千年を経過すると、仏法は形骸化し、悟りを得ることができる者はもちろん、正しい修行をすることのできる者さえもいない「末法」の時代に入ると考えられていた。日本では永承七年(1052)を末法元年とする立場が一般的である。『往生要集』は永観二年(984)秋から翌寛和元年にかけて執筆されているので、やがて来る末法の時代を見据えて、末法相応の仏教として往生極楽の法門を提示したといえよう。
『優婆塞戒経』=『優婆塞戒経』巻七(『大正蔵』二四、1072頁上)に、「四天王上の一年はすなはちこれ活地獄中の一夜なり」とある。

●引用経典と人名の索引を付す。
はじめに
往生要集 巻上
 序文
 大文第一 厭離穢土――「汚れた世界を厭い離れよ」と説く章
  1地獄 2餓鬼 3畜生 4阿修羅 5人 6天 7総結
 大文第二 欣求浄土――「清らかな世界を願い求めよ」と説く章
  1聖衆来迎 2蓮華初開 3身相神通 4五妙境界 5快楽無退 6引接結縁 7聖衆倶会 8見仏聞法 9随心供仏 10増進仏道
 大文第三 極楽証拠――「極楽への往生を勧める文証」を示す章
  1対十方 2対兜率 
 大文第四 正修念仏――「正しい念仏の実践」を示す章
  1礼拝門 2讃嘆門 3作願門
索引

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