話題の本【書評】(2024年9月~) - 2025.08.18
寺社が語る秦氏の正体 【祥伝社新書553】
ところが秦氏の経歴は、謎の多い古代氏族の中でも、とくにわかっていない。聖徳太子に寵愛されたという秦河勝は、のちに播磨国坂越まで逃げ、現地で亡くなったと伝わる。彼はなぜ本拠地の京都に戻らなかったのか。
また秦氏の末裔でもある世阿弥は、『風姿課伝』に「秦河勝は鬼」と書いている。これは何を意味するのか。
本書は、隆盛をきわめたはずの秦氏が正史から消された理由を大胆に推理、日本古代史最大の暗部に迫る。
神社に集う男と女
京都の神社は渡来系ばかり? ほか
第2章 太秦広隆寺と祟る秦氏の謎
聖徳太子と秦氏を結ぶ京都最古の寺
広隆寺にユダヤの痕跡が隠されている? ほか
第3章 日本文化の基層をつくった渡来氏族=秦氏
没落する秦氏
「幡」と「秦」 ほか
第4章 秦河勝の聖者殺し
蘇我入鹿も祟っていた
『日本書紀』に書かれた壮大な絵空事 ほか
第5章 権力を捨てた秦氏が日本に残したもの
荒ぶる仏法の守護神となった秦河勝
新羅から来た神 ほか