新刊チラシ(2025年刊行分) - 2024.11.07
鈴木大拙
その思想構造
『日本的霊性』で知られる鈴木大拙は、禅をZENとして海外に広めた人、エラノス会議との関わりから神秘主義の人、としてイメージされる。 しかし、彼自身の思想の実像に迫った著作は多くない。 また迫っていたとしても大拙自身のイメージを振り切ることに成功していない。 大拙の発言一言一句に基づいて、その思想構造を明らかにしたのが本論考である。 第一部では大拙が浄土教、曹洞禅、神秘主義をどう理解していたか大拙思想の前提が明らかにされる。 第二部では大拙の神秘主義理解の変遷を通時的に追いかける。 大拙の神秘主義への態度は三期に区分できることを著者は発見した。 さらに大拙の思想構造の骨子となる、「体用論」と有名な「即非の論理」の展開を見る。 この第二部が大拙のイメージの洗練に大きな役目を果たすことは間違いない。 第三部では大拙の倫理思想を取り出すことで現代における大拙思想の意味を考察する。
序章 思想研究の射程と方法
序
第一節 鈴木大拙の業績と評価
第二節 本論の基本的方向性
第三節 考察の手順
第四節 資料の選定
結
第一部 鈴木大拙の諸宗教理解
第一章 無限と有限の円環的統一――大拙の浄土教解釈
序
第一節 親鸞をめぐる諸概念
第二節 教理的解釈の問題と妙好人への傾倒
第三節 浅原才市の「機法一体」と大拙の「即非の論理」
第四節 「機法一体」の概念史
第五節 大拙と『安心決定鈔』
結
第二章 悟りの動性――大拙の曹洞禅解釈
序
第一節 時代背景とその制約
第二節 道元の「禅宗」批判
第三節 大拙からの応答
第四節 二種類の動性
第五節 大拙の時間論
結
第三章 宗教体験の深層――大拙の神秘主義解釈
序
第一節 スウェーデンボルグとの出会い
第二節 大拙による神秘主義の四類型
第三節 汎神論批判と華厳教学の四法界
第四節 キリスト教と仏教の接点としてのエックハルト
第五節 神秘主義と「体験」
結
第二部 鈴木大拙の思想形成史
第四章 大拙思想の三期区分仮説――「神秘主義」の評価を基軸として
序
第一節 「神秘主義」評価にみる三期区分の試み
第二節 ジェイムズ宗教学との出会い
第三節 ジェイムズ宗教学の受容
第四節 禅宗の伝統からⅠ ――言語への批判
第五節 禅宗の伝統からⅡ ――「体験」の強調
第六節 後期思想への連続面と非連続面
第七節 前期思想からの連続面と非連続面
結
第五章 体用論的思惟の受容――南宗禅への思想回帰
序
第一節 大拙における体用論の位置――「日本的霊性」から
第二節 体用論の歴史概観
第三節 大拙を取り巻く体用論の文脈
第四節 中国禅思想の研究と大拙の体用論
結
第六章 「即非の論理」の成立と展開――禅思想の立場へ
序
第一節 大拙と『金剛般若経』の間
第二節 定式の評価をめぐる変遷とその思想的背景
第三節 「即非の論理」における知性と霊性
第四節 定式としての「即非の論理」
第五節 矛盾の自己同一としての「即非の論理」
第六節 華厳教学の四法界と「即非の論理」
結
第三部 鈴木大拙の倫理思想
第七章 行為とことば――大拙思想における価値の構造
序
第一節 大拙の凡夫理解
第二節 大拙における「善」と「悪」
第三節 無限と有限の関係
第四節 無限なる事実の世界
第五節 宗教的価値と道徳的価値
第六節 無功徳の功徳
第七節 生の充溢
結
第八章 他者へのまなざし――禅思想の社会性への展開
序
第一節 仏教における「慈悲」概観
第二節 般若の弁証法と体用論
第三節 大悲の具体相
第四節 大悲から方便へ
第五節 方便の具体相
結
第九章 自由の創造性――科学技術との相克
序
第一節 「自由」と悟り
第二節 技術と自由――疎外論として
第三節 技術論の視座
第四節 身体の表現可能性
第五節 「大地性」概念の裏側
結
結章 大拙思想の体系的解釈
序
第一節 本論の総括
第二節 さらなる展望
第三節 大拙思想の構造と体系
結
序
第一節 鈴木大拙の業績と評価
第二節 本論の基本的方向性
第三節 考察の手順
第四節 資料の選定
結
第一部 鈴木大拙の諸宗教理解
第一章 無限と有限の円環的統一――大拙の浄土教解釈
序
第一節 親鸞をめぐる諸概念
第二節 教理的解釈の問題と妙好人への傾倒
第三節 浅原才市の「機法一体」と大拙の「即非の論理」
第四節 「機法一体」の概念史
第五節 大拙と『安心決定鈔』
結
第二章 悟りの動性――大拙の曹洞禅解釈
序
第一節 時代背景とその制約
第二節 道元の「禅宗」批判
第三節 大拙からの応答
第四節 二種類の動性
第五節 大拙の時間論
結
第三章 宗教体験の深層――大拙の神秘主義解釈
序
第一節 スウェーデンボルグとの出会い
第二節 大拙による神秘主義の四類型
第三節 汎神論批判と華厳教学の四法界
第四節 キリスト教と仏教の接点としてのエックハルト
第五節 神秘主義と「体験」
結
第二部 鈴木大拙の思想形成史
第四章 大拙思想の三期区分仮説――「神秘主義」の評価を基軸として
序
第一節 「神秘主義」評価にみる三期区分の試み
第二節 ジェイムズ宗教学との出会い
第三節 ジェイムズ宗教学の受容
第四節 禅宗の伝統からⅠ ――言語への批判
第五節 禅宗の伝統からⅡ ――「体験」の強調
第六節 後期思想への連続面と非連続面
第七節 前期思想からの連続面と非連続面
結
第五章 体用論的思惟の受容――南宗禅への思想回帰
序
第一節 大拙における体用論の位置――「日本的霊性」から
第二節 体用論の歴史概観
第三節 大拙を取り巻く体用論の文脈
第四節 中国禅思想の研究と大拙の体用論
結
第六章 「即非の論理」の成立と展開――禅思想の立場へ
序
第一節 大拙と『金剛般若経』の間
第二節 定式の評価をめぐる変遷とその思想的背景
第三節 「即非の論理」における知性と霊性
第四節 定式としての「即非の論理」
第五節 矛盾の自己同一としての「即非の論理」
第六節 華厳教学の四法界と「即非の論理」
結
第三部 鈴木大拙の倫理思想
第七章 行為とことば――大拙思想における価値の構造
序
第一節 大拙の凡夫理解
第二節 大拙における「善」と「悪」
第三節 無限と有限の関係
第四節 無限なる事実の世界
第五節 宗教的価値と道徳的価値
第六節 無功徳の功徳
第七節 生の充溢
結
第八章 他者へのまなざし――禅思想の社会性への展開
序
第一節 仏教における「慈悲」概観
第二節 般若の弁証法と体用論
第三節 大悲の具体相
第四節 大悲から方便へ
第五節 方便の具体相
結
第九章 自由の創造性――科学技術との相克
序
第一節 「自由」と悟り
第二節 技術と自由――疎外論として
第三節 技術論の視座
第四節 身体の表現可能性
第五節 「大地性」概念の裏側
結
結章 大拙思想の体系的解釈
序
第一節 本論の総括
第二節 さらなる展望
第三節 大拙思想の構造と体系
結