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世界文学としての方丈記【日文研叢書60】

夏目漱石や南方熊楠の英訳により、『方丈記』が〈日本三大随筆〉から、世界文学の最高傑作として受容された過程を追った、初の研究。

著者 プラダン・ゴウランガ・チャラン
出版社 法藏館
ジャンル 哲学・思想 > 仏教哲学・思想
シリーズ 叢書 > 日文研叢書
出版年月日 2022/02/28
ISBN 9784831877567
判型・ページ数 4-6・360ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
夏目漱石の『方丈記』英訳から1930年代までの英米におけるその受容史を具体的に追うことで、日本文学作品の国際流通という文芸批評の新たな方向性を示す。
まえがき

序章 世界文学としての『方丈記』――古典文学の新たな可能性に向けて
第1節 研究の背景
第2節 先行研究と問題の所在
第3節 研究の範囲と実施方法
第4節 本書の構成

第1部 日本国内における『方丈記』の受容
第1章 成立から明治初期までの『方丈記』受容の概要
はじめに
第1節 鴨長明の生涯と『方丈記』の成立
第2節 成立から近世までの『方丈記』の受容
第3節 近世における『方丈記』の受容
終わりに

第2部 自然文学作品としての『方丈記』――夏目漱石の「英訳方丈記」を中心に
第2章 開国後に欧文で見る『方丈記』―ジェームス・メイン・ディクソンを中心に
はじめに
第1節 ディクソンに関する先行研究
第2節 ディクソンの略歴
第3節 日本の高等教育への貢献
3‐1 ディクソンと日本の英語教育の発展
3‐2 ディクソンと東京女学館の設立
3‐3 ディクソンの米国における研究活動
第4節 ディクソンと『方丈記』の出会い
終わりに

第3章 夏目漱石と『方丈記』の最初の外国語訳への挑戦-詩人化された鴨長明
はじめに
第1節 先行研究
第2節 夏目漱石と『方丈記』の関係
2-1 ディクソンによる『方丈記』の英訳の依頼
2-2 漱石の『方丈記』への関心
第3節 「英訳方丈記」から見る漱石の『方丈記』理解
3‐1 漱石の「作家論」における『方丈記』の位置づけ
3‐2 ロマン主義的な自然作品としての『方丈記』
3‐3 漱石の『方丈記』論とディクソンとの関係
第4節 漱石の翻訳思想
終わりに

第4章 漱石とディクソンの『方丈記』英訳の比較検討―在日西洋人が見た鴨長明
はじめに
第1節 漱石のエッセイとディクソンの論文の関連性
1-1 東西における自然観・隠遁習慣
1-2 鴨長明の人間嫌い論
第2節 漱石とディクソンの英訳の関連性
第3節 ディクソンの鴨長明像
第4節 在日西洋人が捉えた鴨長明像
終わりに

第3部 19世紀末・20世紀初頭の英語圏における『方丈記』の流通と受容の諸相
第5章 日本からアメリカへ―Sunrise Storiesに見る『方丈記』
はじめに
第1節 Sunrise Storiesの著者と執筆背景
第2節 本著書に見る鴨長明像
終わりに

第6章 アメリカからイギリスへ―南方熊楠・ディキンズの『方丈記』共訳とその受容
はじめに
第1節 南方熊楠の『方丈記』英訳
1-1 熊楠の英訳の底本とその実態
1-2 熊楠・ディキンズ共訳「題目」
第2節 東洋学者デイヴィスの日本への関心
終わりに

第7章 英詩人バジル・バンティングの見た『方丈記』― Chomei at Toyama を中心に
はじめに
第1節 バジル・バンティングとモダニズム運動
第2節 Chomei at Toyama
第3節 モダニズム英詩としての Chomei at Toyama
終わりに

終章 夏目漱石と文学作品の歴史性
まとめに
今後の展望

あとがき
参考文献

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