アマテラスの正体【新潮新書 1056】

著者 関 裕二
出版社 新潮社
ジャンル 歴史・資料 > 歴史
シリーズ 新潮新書
出版年月日 2024/09/20
ISBN 9784106110566
判型・ページ数 新書・187ページ
定価 本体860円+税
在庫 在庫あり
天皇家の祖神、天照大神(アマテラス)は伊勢神宮に祀られている。だが近世以前、歴代天皇がほとんど誰も参拝していないのは、一体なぜなのか。実は、アマテラスは宮中に祀られていたのだが、崇神天皇の時代、もう一柱の神とともに、そこから出された。その神の名は日本大国魂神。これまで注目されなかったこの神に光を当てることで、アマテラスの本当の姿が浮かび上がる――。古代史研究の鬼才が、最大の謎に迫る。
はじめに
第一章 アマテラスと持統天皇をめぐる謎を解く
日本人だけは太陽を赤く描く/アマテラスが先か持統が先か/誰のために『日本書紀』は書かれたか/蘇我氏見直し論の背景/壬申の乱と皇親政治/皇太子は草壁皇子ではなく大津皇子だった?/蘇我氏を表す「石川郎女」という隠語/奈良・薬師寺の秘密/草壁皇子が岡宮に住んだわけ/異常な回数の吉野行幸/高市皇子に冷淡な日本書紀/実は即位していた?/アマテラスと持統天皇
第二章 太陽神と伊勢の地をめぐる謎を解く
なぜ王家はアマテラスを恐れたか/崇神天皇が恐れた大物主神/祟る神は祟りを鎮める力を持つ/ヤマト建国時の日神とアマテラス/スサノヲの生んだ神は男か女か/スサノヲはもとは太陽神だった/天皇はいつから現人神になったか/大物主神とスサノヲの共通点/「伊勢と三輪は一体分身」の意味/アマテラスの性別をめぐる議論/内宮の別宮が古墳時代の祭祀場/『続日本紀』が語る伊勢創祀/太陽神でつながる荒祭宮と葛城山/日本書紀が語る伊勢と東国/海に沈んだサルタヒコ/封印されたヤマトの太陽神
第三章 ヤマト建国と尾張氏をめぐる謎を解く
大国魂神という古代史の盲点/神武東征の功労者・椎根津彦/大国魂神と東海の海人の関係/ヤマト建国の考古学/日本海と東海はなぜ没落したか/日本書紀が無視する「東海」と「尾張」/東海からヤマトに乗り込んだ尾張氏/ヤマトタケルに怯えた持統天皇/二つに分かれていた黎明期の王家/タラシヒコの諡号の由来と成立/ヤマト建国と「タラシの王家」/北部九州に流れ込んだ集団/日本書紀が分解したヤマト建国史/ナガスネビコは尾張氏の祖か/崇神天皇と前方後円墳体制/四尺一寸ものスネを持つ王
第四章 大国魂神とアマテラスをめぐる謎を解く
大国魂神と伊勢/謎解きの鍵は「出雲の国譲り」/仲哀天皇を追い詰めた神の正体/「魏志倭人伝」に書かれた悲劇/仲哀天皇、天稚彦、新邪馬台国の男王/悲劇の男王をめぐる仮説/ヤマトを二分する勢力の存在/朝鮮半島へと続く航路/天稚彦とアジスキタカヒコネ/葛城と尾張のつながり/なぜアマテラスと同等の尊称なのか/二度の悲劇に見舞われた東海勢力/アマテラスの正体
おわりに 参考文献

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