雅楽のコスモロジー

日本宗教式楽の精神史

1400年、王権を支える儀礼式楽として続いてきた日本の雅楽。天王寺舞楽の伝承者である著者が、日本宗教のコスモロジーを探る。

著者 小野 真龍
出版社 法藏館
ジャンル 日本仏教 > 日本仏教総論
出版年月日 2019/10/10
ISBN 9784831862563
判型・ページ数 4-6・256ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり
1400年、王権を支える儀礼式楽として続いてきた日本の雅楽。
天王寺舞楽の伝承者である著者が、日本宗教のコスモロジーを探る。
序 雅楽のコスモロジー

一、「雅楽」と祭政
   「雅楽」の語の初出は『論語』
仏教より前に広く受容された儒教
 
二、日本人の宗教的心性の根底――アニミズム
   霊威あるエネルギーが宿るものはなんでもカミ
   「まつり」はカミのご接待
   古代天王は祭祀王
   神事歌舞の発祥はアメノウズメの神懸かり
   日本芸能の基層にある呪的なタマフリ
   
三、仏教の導入と外来音楽――聖徳大師が結びつけた仏教と「伎楽」
   ホトケも最初は外来のカミ
   日本の宗教芸能の流れを決めた聖徳太子

四、東大寺大仏開眼供養会の意義――聖徳太子の仏教音楽理念の実現
   律令国家は「雅楽寮」で音楽を管理
   東大寺大仏開眼供養会は日本雅楽の成立前夜祭
   プレ雅楽芸能は百花繚乱

五、雅楽のコスモロジーの端緒としての八幡神
   悟りを目指す日本の神々
   神仏習合を先導する八幡神

六、日本の雅楽の形成
   日本の雅楽は平安時代にクリエイトされた
   神聖な天皇や高位貴族も雅楽プレーヤー

七、浄土思想と雅楽
   空海の密教と御霊会も雅楽形成の背景
   平安朝廷ではケガレ忌避が強まった
   ケガレ忌避観念が浄土を求める
   浄土でも響くケガレなき雅楽

八、往生伝と往生講式――音楽成仏思想
   極楽往生の際に聞こえる雅楽
   雅楽は極楽往生の因となるか
   催馬楽を歌っても極楽往生
   悟りの立場からはどんな音楽でも成仏可能
 
九、内侍所御神楽儀――神道的エートスの核
   御神楽儀は宮中の秘儀
   仏教救済の平等原則と高等神話の系統主義は並び立つのか
   大乗仏教が極まれば神祇不拝となる

十、楽所と楽家の成立と盛衰――近代までの雅楽伝承者
   平安時代に内裏の中に雅楽楽団(大内楽所)が設置された
   四天王寺には聖徳太子以来の楽団(天王寺楽所)が存続

十一、神仏習合と雅楽の風景――中世・近世の雅楽のコスモロジー
   舞楽が彩る石清水八幡宮での仏教法会(放生会)
   天野社や嚴島神社での華やかな舞楽法要
   本地垂迹と春日曼荼羅が育む南都楽人の信仰
   雅楽は武家時代の皇室と衰微を共にする
   江戸幕府に支えられる雅楽の伝承

十二、神仏分離と国家神道――「近代」雅楽への変異
   江戸時代を通じて準備された神仏分離の基盤
   日本宗教のコスモロジーへの深刻な影響
   引き裂かれる機内の雅楽ネットワ―ク
  「楽部」における「近代」雅楽の形成
   歪められた「雅楽のコスモロジー」とその回復
   
雅楽年表
あとがき
索引

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