真宗の往生論

親鸞は「現世往生」を説いたか

親鸞が「現世往生」を説いたと理解してきた大谷派近代教学の問題点を、近代仏教学の実証的な手法を用いて指摘する挑戦的な一冊。

著者 小谷 信千代
出版社 法藏館
ジャンル 日本仏教 > 真宗系
出版年月日 2015/06/20
ISBN 9784831887320
判型・ページ数 A5・387ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
親鸞が「現世往生」を説いたと理解してきた大谷派近代教学の問題点を、近代仏教学の実証的な手法を用いて指摘する挑戦的な一冊。
はじめに

序章

第一章 世親の往生論
 一 論題「無量寿経優波提舎願生偈」について
 二 『浄土論』の著者世親
 三 浄土と荘厳仏土
 四 『浄土論』に説かれる五念門
  1 幡谷説 『大乗荘厳経論』述求品所説の五瑜伽地に基づく
  2 大竹説 『大乗荘厳経論』教授品所説の止観の修習法に基づく
  3 幡谷・大竹説の相違点と共通点
 五 瑜伽行唯識派の修習法
 六 別時意説再考
 七 『浄土論註』に説かれる往生行
 八 不退転と正定聚の階位
  1 原始経典に見える正定聚と不退転
  2 部派の論書に見える正定聚と不退転
  3 大乗経典に見える正定聚と不退転
  4 『十住毘婆沙論』に見える正定聚と不退転
   a 信方便易行の信
   b 仏身観の加行としての称名(念仏即称名)
   c 方便となる信は信受
   d 「現生不退」「即得往生」の淵源
  5 『浄土論註』に見える正定聚と不退転
   a 龍樹の教説の継承
   b 無生の生
   c 無生の「生」を無生法忍の「生」とする解釈
 九 一法句とは何か
  1 句を依事・依処とする山口説
  2 経典の用例からの再検討
  3 『浄土論』「広・略」説の観点からの再検討
  4 『大乗荘厳経論』世親釈からの考察
 十 『浄土論』所説の往生行概観
  1 願生偈
   a 帰敬偈
   b 造論の趣旨
   c 仏国土の功徳荘厳
   d 仏の功徳荘厳
   e 菩薩の功徳荘厳
   f 廻向偈
  2 論
   a 五念門(第二節「起観生信」)
   b 観察門広説(第三節「観察体相」)
   c 廻向門広説
  3 五念門を法蔵菩薩の行とする親鸞の解釈
  4 還相廻向論の源流を求めて

第二章 親鸞の往生論 「現世往生」は「即得往生」の誤解に基づく謬説
 一 問題の所在
 二 現世往生説の典拠
  1 『一念多念文意』
  2 『浄土三経往生文類』
  3 『唯信鈔文意』
  4 『愚禿鈔』
 三 親鸞が「即得往生」を要注意の語とする理由
 四 別時意説と親鸞の「即得往生」理解
 五 世親の批判する≪発願 往生極楽≫の教説
 六 現世往生説の由来
 七 近代教学の蹉跌
  1 曽我教学の過失
   a 親鸞の説く往生を「不体失往生」とした過ち
   b 法蔵菩薩を阿頼耶識と見た過ち
 八 近代教学の終焉
  1 二益法門を否定する過ち
  2 往生思想成立への思想史を考慮しない過ち
   a 仏教における二大思想の潮流
   b 往生思想の源流
  3 親鸞の読み替えの企図を誤解した過ち
 九 親鸞の往生論
  1 親鸞が不退転を現生に移し替えた動機
  2 三願転入の往生論
 十 親鸞の説く「命終往生」の意義

索引

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