新聞掲載広告(2024年9月~) - 2024.11.05
禅と哲学のあいだ
平等は差別をもって現れる
仏教の言葉は多くが、相対的な表現で説かれてきた。「差別と平等」「生と死」「迷いと悟り」「我と他」「明と暗」……ここに、互いに相反する言葉をあげて、そのなかから、二つに分かれる以前の真心が現れてくるところを証してゆく。読み手は、仏教の哲学的思考を再確認するための重要性に気づかされる。
内容的には、趙州従?(778~897)、関山慧玄(1277~7360)、臨済慧照(?~876)、雲門文偃(864~949)、至道無難(1676~1750)、白隠慧鶴(1685~1768)、明庵栄西(1141~1275)など多くの禅者の語録から取材。「空」「無」「無明」「十二因縁」「五蘊」といった膨大な哲学体系にふれながら、禅仏教の「言葉」と「考え方」理解のための、これまでの一般書からは一歩踏み込んだ深い創造的アプローチを試みている。
巻末に日本人に最も親しまれる「般若心経」を段落ごとにていねいに解説。原文にルビ(読み仮名)、書き下し、現代語訳付き。
著者は、一般の寺院住職ではない。檀家にたよらず、禅修行・指導に日夜はげむ「異色の僧」である。著書『禅に問う』(大法輪閣)、『心が動く・一日一話』(佼成出版社)、『無心という生き方』(ベストブック)他。
内容的には、趙州従?(778~897)、関山慧玄(1277~7360)、臨済慧照(?~876)、雲門文偃(864~949)、至道無難(1676~1750)、白隠慧鶴(1685~1768)、明庵栄西(1141~1275)など多くの禅者の語録から取材。「空」「無」「無明」「十二因縁」「五蘊」といった膨大な哲学体系にふれながら、禅仏教の「言葉」と「考え方」理解のための、これまでの一般書からは一歩踏み込んだ深い創造的アプローチを試みている。
巻末に日本人に最も親しまれる「般若心経」を段落ごとにていねいに解説。原文にルビ(読み仮名)、書き下し、現代語訳付き。
著者は、一般の寺院住職ではない。檀家にたよらず、禅修行・指導に日夜はげむ「異色の僧」である。著書『禅に問う』(大法輪閣)、『心が動く・一日一話』(佼成出版社)、『無心という生き方』(ベストブック)他。
はじめに
第一章 一切衆生を救うために迷ってゆく
色即是空 空即是色 空と慈悲
差別と平等 平等が現れるときは差別になる/ 異(差別)と類(平等)の中を行く
生と死 別に働く者は何か/死んで生きている
迷い(煩悩)と悟り(菩提) 日本的心性への憧れ/仏が迷っている
嘘と真 信じられたくて嘘をつく/眼は見る耳は聞く
第二章 富士山が水上を歩いてゆく
我と他 我思わず、故に我なし/我が本心に出会いたい
明と暗 一つ命を同じくする者/明は暗によって証される
「私」と「私」を支える者 自他一如になっての「私」/妙不可思議な調和力
正受と不受 否定させるものがある/東山が我が上を行く
分かることと分からないこと 体験を積んで初めて分かる/我が心に知っている
第三章 仏法の悟りは、在家出家を問わない
戦争と平和 平和観が一つではない/「比べ心」を去る
自力と他力 永遠の昔に悟っていた/慣れ親しんだ安心の道
時節と因縁 だれも正しい時を知らない/光陰虚しく過ごすなかれ
動中と静中 苦行では安心を得ない/動と静と差別なき心
在家と出家 直心が道場/念々に余念を加えないで行く
不便と便利 臂は外に曲がらない/逃げない自由
第四章 一切衆生はみな、仏性を具えている
三種の病人と接物利生 不自由な者に具わる自由な心/魂を解放した一言
知識と体験 知識だけでは、すぐ濁る/見性体験が説いてある
大悟と小悟 命に与っての煩悩妄想/迷いと悟りのくり返し
無明と一仏乗 十二因縁の法則/宇宙の創成に連なってきた
苦痛と安楽 身体と心と丹田をゼロにする/だれでも無心になる
存在と時間 時間は存在の根本動機/みな一つ大地に坐っている
第五章 大いなるかな心や、心は天の上に出る
大阪の我と東京の我 家に二主なし/咲く力が散る力
学者と禅者 どんなワナもない/解釈しない勇気
仏教と葬式 心と身体は別々の物ではない/真に「空」に帰してゆく
公案体系と禅修行 公案体系という階梯/根こそぎ奪ってゆく者
思いと心 思わねば心も無い/思えば見方が偏る
修行と妙境 なぜ真意に気づかないのか/思いの妙境に酔った者
第六章 天地はつねに書かざる経を説いている
臨済禅と道元禅 臨済は修証を見ない/道元は修証一如と見た/臨済には仏性も眼中の塵禅と悟り 悟りを求めることが、迷いの原因/暗黒の中で、空っぽを悟る
心と物 「五蘊」で心の働きを見る/十二因縁を見て、存在の根源を悟る/無明が根源の動機/主体が「空」だから、持続してゆく
付録 般若心経を読む
おわりに
第一章 一切衆生を救うために迷ってゆく
色即是空 空即是色 空と慈悲
差別と平等 平等が現れるときは差別になる/ 異(差別)と類(平等)の中を行く
生と死 別に働く者は何か/死んで生きている
迷い(煩悩)と悟り(菩提) 日本的心性への憧れ/仏が迷っている
嘘と真 信じられたくて嘘をつく/眼は見る耳は聞く
第二章 富士山が水上を歩いてゆく
我と他 我思わず、故に我なし/我が本心に出会いたい
明と暗 一つ命を同じくする者/明は暗によって証される
「私」と「私」を支える者 自他一如になっての「私」/妙不可思議な調和力
正受と不受 否定させるものがある/東山が我が上を行く
分かることと分からないこと 体験を積んで初めて分かる/我が心に知っている
第三章 仏法の悟りは、在家出家を問わない
戦争と平和 平和観が一つではない/「比べ心」を去る
自力と他力 永遠の昔に悟っていた/慣れ親しんだ安心の道
時節と因縁 だれも正しい時を知らない/光陰虚しく過ごすなかれ
動中と静中 苦行では安心を得ない/動と静と差別なき心
在家と出家 直心が道場/念々に余念を加えないで行く
不便と便利 臂は外に曲がらない/逃げない自由
第四章 一切衆生はみな、仏性を具えている
三種の病人と接物利生 不自由な者に具わる自由な心/魂を解放した一言
知識と体験 知識だけでは、すぐ濁る/見性体験が説いてある
大悟と小悟 命に与っての煩悩妄想/迷いと悟りのくり返し
無明と一仏乗 十二因縁の法則/宇宙の創成に連なってきた
苦痛と安楽 身体と心と丹田をゼロにする/だれでも無心になる
存在と時間 時間は存在の根本動機/みな一つ大地に坐っている
第五章 大いなるかな心や、心は天の上に出る
大阪の我と東京の我 家に二主なし/咲く力が散る力
学者と禅者 どんなワナもない/解釈しない勇気
仏教と葬式 心と身体は別々の物ではない/真に「空」に帰してゆく
公案体系と禅修行 公案体系という階梯/根こそぎ奪ってゆく者
思いと心 思わねば心も無い/思えば見方が偏る
修行と妙境 なぜ真意に気づかないのか/思いの妙境に酔った者
第六章 天地はつねに書かざる経を説いている
臨済禅と道元禅 臨済は修証を見ない/道元は修証一如と見た/臨済には仏性も眼中の塵禅と悟り 悟りを求めることが、迷いの原因/暗黒の中で、空っぽを悟る
心と物 「五蘊」で心の働きを見る/十二因縁を見て、存在の根源を悟る/無明が根源の動機/主体が「空」だから、持続してゆく
付録 般若心経を読む
おわりに