新聞掲載広告(2024年9月~) - 2024.11.19
〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗
「大逆事件」(1910年/明治43年)に連座し、37歳で刑死した禅僧内山愚童(1874-1911年)の評伝。従来、社会主義者・無政府主義者の側面が強調されてきた愚童について、彼が書き遺した著作や書簡などから、その仏教者としての実像に光をあてる。愚童は仏教思想に基づいて、明治期の国家・戦争・身分制・貧富・性差などをどのように捉え、何を訴えたのか――。明治維新から150年目を期して、時代の先を歩んだ一禅者の思想と行動がいま明かされる。巻末に註と内山愚童年譜を付す。
はしがき――内山愚童が、いま問うているもの
第Ⅰ章 禅僧内山愚童の不服従の抵抗と殉教
1 「大逆事件」の禅僧内山愚童とは
2 内山愚童とディートリッヒ・ボンヘッファーとの「対話」があったとしたら
3 内山愚童と「信教の自由」
4 愚童の抵抗の宗教的倫理と責任
第Ⅱ章 「大逆事件」と三人の僧侶
1 いわゆる「大逆事件」とは
2 大逆事件と内山愚童の弁護人花井卓藏
3 大逆事件と天皇制国家
4 「大逆事件」に連座した三人の僧侶に対する社会の好奇心
第Ⅲ章 大逆事件をめぐる関係宗門の対応と宗門内僧侶の批判的対応
1 徳冨蘆花の仏教者批判
2 愚童と佐藤実英老師
3 昭和五四年の「内山愚童を偲ぶ会」の結成と「町田差別発言事件」
4 新村善兵衛・忠雄兄弟と西沢学雄上人
5 丸茂天霊と長野善光寺僧侶
第Ⅳ章 内山愚童の思想と行動の遍歴
1 愚童の「人生の幸福」とは
2 愚童と社会主義思想との出会い
3 愚童の生い立ちと社会主義思想の萌芽
4 愚童の仏道修行への道
5 愚童の林泉寺晋山と布教活動
第Ⅴ章 内山愚童と『平凡の自覚』
1 『平凡の自覚』の草稿
2 「一平民になるの自覚」と『平凡の自覚』
3 『平凡の自覚』と愚童の宗教間対話の実践
4 『平凡の自覚』という論稿の名称
5 『平凡の自覚』における自由・平等・博愛の主張
6 愚童のユートピア社会と現実的予見
第Ⅵ章 「伊藤中将姦通事件」と愚童の「平凡の自覚」
1 愚童は「経巻を棄てゝ何を採らん」としたか
2 愚童の「伊藤中将姦通観」
3 愚童の「私有制度」論
第Ⅶ章 『入獄紀念・無政府共産・革命』の秘密出版
1 出版法と秘密出版
2 愚童の秘密出版の第一作としての『入獄紀念・無政府共産・革命』
3 愚童の『入獄紀念・無政府共産・革命』
4 三つの迷信からの解放
第Ⅷ章 『道徳非認論』と『帝国軍人座右之銘』(新兵諸君に与ふ)
1 「迷信ヲステヨ」と『道徳非認論』
2 愚童の非戦論と『帝国軍人座右之銘』(新兵諸君に与ふ
第Ⅸ章 愚童の非暴力による不服従の抵抗運動
1 日本の歴史上最大の悪書か、『無政府共産・革命』
2 「平凡の自覚」から「迷信からの覚醒と被搾取者の自覚」へ
3 愚童の非暴力による市民的抵抗運動の提唱
4 「社会参加仏教」の近代的先覚者としての内山愚童
第Ⅹ章 内山愚童の処刑と宗内復権・名誉回復
1 処刑台に立つ愚童
2 愚童の宗内復権と名誉回復
3 髙木顕明の宗内復権と名誉回復および峰尾節堂の宗内復権
4 大逆事件の犠牲者を顕彰する市民運動
註
附録 内山愚童年譜
第Ⅰ章 禅僧内山愚童の不服従の抵抗と殉教
1 「大逆事件」の禅僧内山愚童とは
2 内山愚童とディートリッヒ・ボンヘッファーとの「対話」があったとしたら
3 内山愚童と「信教の自由」
4 愚童の抵抗の宗教的倫理と責任
第Ⅱ章 「大逆事件」と三人の僧侶
1 いわゆる「大逆事件」とは
2 大逆事件と内山愚童の弁護人花井卓藏
3 大逆事件と天皇制国家
4 「大逆事件」に連座した三人の僧侶に対する社会の好奇心
第Ⅲ章 大逆事件をめぐる関係宗門の対応と宗門内僧侶の批判的対応
1 徳冨蘆花の仏教者批判
2 愚童と佐藤実英老師
3 昭和五四年の「内山愚童を偲ぶ会」の結成と「町田差別発言事件」
4 新村善兵衛・忠雄兄弟と西沢学雄上人
5 丸茂天霊と長野善光寺僧侶
第Ⅳ章 内山愚童の思想と行動の遍歴
1 愚童の「人生の幸福」とは
2 愚童と社会主義思想との出会い
3 愚童の生い立ちと社会主義思想の萌芽
4 愚童の仏道修行への道
5 愚童の林泉寺晋山と布教活動
第Ⅴ章 内山愚童と『平凡の自覚』
1 『平凡の自覚』の草稿
2 「一平民になるの自覚」と『平凡の自覚』
3 『平凡の自覚』と愚童の宗教間対話の実践
4 『平凡の自覚』という論稿の名称
5 『平凡の自覚』における自由・平等・博愛の主張
6 愚童のユートピア社会と現実的予見
第Ⅵ章 「伊藤中将姦通事件」と愚童の「平凡の自覚」
1 愚童は「経巻を棄てゝ何を採らん」としたか
2 愚童の「伊藤中将姦通観」
3 愚童の「私有制度」論
第Ⅶ章 『入獄紀念・無政府共産・革命』の秘密出版
1 出版法と秘密出版
2 愚童の秘密出版の第一作としての『入獄紀念・無政府共産・革命』
3 愚童の『入獄紀念・無政府共産・革命』
4 三つの迷信からの解放
第Ⅷ章 『道徳非認論』と『帝国軍人座右之銘』(新兵諸君に与ふ)
1 「迷信ヲステヨ」と『道徳非認論』
2 愚童の非戦論と『帝国軍人座右之銘』(新兵諸君に与ふ
第Ⅸ章 愚童の非暴力による不服従の抵抗運動
1 日本の歴史上最大の悪書か、『無政府共産・革命』
2 「平凡の自覚」から「迷信からの覚醒と被搾取者の自覚」へ
3 愚童の非暴力による市民的抵抗運動の提唱
4 「社会参加仏教」の近代的先覚者としての内山愚童
第Ⅹ章 内山愚童の処刑と宗内復権・名誉回復
1 処刑台に立つ愚童
2 愚童の宗内復権と名誉回復
3 髙木顕明の宗内復権と名誉回復および峰尾節堂の宗内復権
4 大逆事件の犠牲者を顕彰する市民運動
註
附録 内山愚童年譜