災害支援ハンドブック

宗教者の実践とその協働

著者 蓑輪 顕量 責任編集
稲場 圭信 責任編集
黒﨑 浩行 責任編集
葛西 賢太 責任編集
宗教者災害支援連絡会
出版社 春秋社
ジャンル 入門・お経・実用 > 生・死、福祉・医療
出版年月日 2016/06/15
ISBN 9784393209011
判型・ページ数 A5・258ページ
定価 本体2,000円+税
在庫 品切れ・重版未定
頻発する地震や自然災害――。今後の災害に備えて、東日本大震災の支援活動に携わった宗教者と研究者が直面した問題点とその解決方法、課題や提言などを、宗教・宗派の壁を超えてまとめたハンドブックの決定版。災害に備え日々の連携と準備のために普段から手元に置きたい一冊。
総論…蓑輪顕量・稲葉圭信
 一 はじめに
 二 フェーズ
 三 今後に向けて―宗教の社会貢献と公益性
 四 おわりに

第一部 東日本大震災で起こったこと

 はじめに―宗教団体による災害支援に期待すること…渥美公秀
  一 はじめに
  二 宗教団体VGの「強み」
  三 宗教団体VGに期待すること
 お寺は心のよりどころ―福島県からの避難者一時受け入れを通じて…鈴木悦朗
  一 福島県からの震災避難者一時受け入れまでの経緯
  二 避難所としての運営
  三 避難所としての役割を終えて
 被災地のまつり復興に向けて…阿部明徳
  一 震災直後の支援記録
  二 おまつりの復興 
 足湯隊見聞録…辻 雅榮 
  一 高野山足湯隊
  二 心に同調する香り
  三 活動を振り返って
  四 仮設住宅のジレンマ、そして…
  五 おわりに
 福島と生きる…山本真理子
  一 原発事故直後の保育園
  二 子ども保養プロジェクト
  三 福島の未来に向けて
 一被災者として…藤波祥子
  一 八重垣神社鎮座地・宮城県亘里郡山元町の被災状況 
  二 繰り返される津波の歴史
  三 津波被災者のたくましさ
  四 お祭りの復活
  五 移転とコミュニティの問題
  六 「ありがたい」という言葉
 苦悩を抱える人々と共にいるということ…金沢 豊
  一 はじめに
  二 整理のつかない思いに会う
  三 訪問活動の特徴
  四 変わらない不安と苦悩
  五 宗教者の役割
  六 おわりに
 被災地に心の栄養を―シャンティの移動図書館活動…茅野俊幸
  一 「現地に寄り添う」ボランティア
  二 行政との連携
  三 シャンティ国際ボランティア会の活動―移動図書館
  四 コミュニティ再生の課題
 東日本大震災被災地での支援活動を振り返って―連合組織としての多様性と柔軟性…大滝晃史
  一 初動期における各教団の対応と連合体としての課題
  二 連合体ならではの活動―日常的なつながりの重要性
  三 多様性と柔軟性を活かしたボランティア活動の展開
  四 宗教者としての視座に立った伴走者的支援
 WCRP日本委員会の東日本大震災への取り組み…篠原祥哲
  一 WCRPとは
  二 災害支援におけるWCRPの特徴
  三 緊急支援活動
  四 復興支援活動
  五 震災復興キャンペーン
  六 考察
 東日本大震災以後における全国浄土宗青年会の活動について…東海林良昌
  一 全国浄土宗青年会の活動
  二 写真型仏壇の配布と「ともいきカフェ」
  三 おわりに
 震災で起きたこと…久間泰弘
  一 はじめに
  二 震災当初(二〇一一年三月~二〇一一年六月)
  三 震災初年度(二〇一一年六月~二〇一二年三月)
  四 震災二年目から現在(二〇一二年三月~二〇一六年一月)
  五 震災三年目から四年目(二〇一三年~二〇一四年)
  六 まとめ―震災五年を迎えて
 災害支援担当者への申し送り…西川勢二
  一 はじめに
  二 震災を振り返る
  三 まず歴史を知って
  四 教団の特徴を自覚して
  五 それぞれを担う皆さんへ―SeRVへの申し送り
  六 これからの課題
 おわりに…蓑輪顕量
  一 犠牲者の問題
  二 緊急避難所の問題
  三 仮設住宅・復興住宅への移転問題
  四 生活の再建と精神的支援
  五 原発問題
  六 おわりに―災害時の判断と配慮

第二部 東日本大震災から考える
 第一章 支援を支える信仰とその支援の内容を考える―仏教を一例として…蓑輪顕量
  一 はじめに
  二 支援の精神的な背景
  三 苦難を前にして
  四 教学も無力ではない 
  五 傾聴は宗教者支援の最初
  六 信仰と救いの手立て
  七 支援者自身の心のケア
  八 おわりに
 第二章 災害と心のケア
  第一節 災害時の心のケア―東日本大震災復興支援から学んでいること…井上ウィマラ
   一 はじめに
   二 複雑性悲嘆という視点から
   三 あいまいな喪失という視点から
   四 レジリエンスという視点から
   五 復興支援と心のケアのプロセス
   六 津波復興太鼓
   七 黒子に徹する支援を
   八 おわりに
  第二節 どのような「心のケア」をどう提供するか…葛西賢太
   一 「心のケア」の必要性を推し量る
   二 アルコール関連問題というバロメータ
   三 「吐き出して楽になる」という考え方の見直し
   四 サイコロジカル・ファーストエイドの登場と意義
   五 おわりに
 第三章 宗教施設は避難場所になりうるか―行政との連携と災害救援マップ…稲葉圭信
   一 はじめに
   二 宗教施設と自治体との協力の実態
   三 宗教施設との災害協定の実態
   四 災害協定の締結時期と理由
   五 未来共生災害救助マップ
   六 おわりに―今後の課題
 第四章 「信教の自由と政教分離原則」再考―東日本大震災の経験を通して…大石 眞
   一 はじめに
   二 東日本大震災の憲法問題
   三 教会・国家関係と「政教分離」像
   四 フランスの政教分離原則
   五 信教の自由と通俗的な「政教分離」観からの転換
   六 おわりに
 第五章 原発被災者への支援―被災地の宗教者を中心に…島薗 進
   一 原発被災者の苦難に寄り添う
   二 被災地の宗教施設を拠点にした支援
   三 曹洞宗の若手僧侶の災害支援
   四 原発被災地の困難
   五 地域社会の分断と寺院の役割
   六 子どもたちの被ばくへの配慮
   七 避難生活の辛さ難しさ
   八 放射能が生み出す分断と対立
   九 苦難を通して培われた深み

第三部 今後への提言―宗援連の経験から
 第一章 来るべき災害への備え…稲場圭信
   一 はじめに
   二 自治体との災害時協力と協定
   三 災害にそなえて備蓄
   四 「防災と宗教」行動指針
   五 おわりに
 第二章 防災と宗教―第三界国連防災世界会議における宗教…稲場圭信・黒﨑浩行
   一 はじめに
   二 国連防災世界会議
   三 宗教関係のシンポジウム
   四 「仙台防災枠組み2015-2030」
   五 「防災と宗教」シンポジウム
 第三章 宗教者と研究者の新たな連携―東日本大震災支援活動が拓いた地平…島薗 進
   一 はじめに
   二 慰霊と追悼のエージェントとしての再認識
   三 身を寄せる場としての宗教施設
   四 さまざまな宗教者のさまざまな支援活動
   五 宗教・宗派を超えて
   六 「心の相談室」の新しさ
   七 岡部健医師の貢献
   八 仏教と看取りの医療
   九 在宅の看取りの重要性
   一〇 「お迎え現象」の研究
   一一 闇へ下りていくという感覚
   一二 「臨床宗教師」の構想
 第四章 宗援連の歩み…黒﨑浩行
   一 発足の経緯
   二 発足~第一回情報交換会
   三 被災者の心のケア―精神保健との知見の共有
   四 宗援連発の提案と行動

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