近代仏教と青年

近角常観とその時代

著者 岩田 文昭
出版社 岩波書店
ジャンル 日本仏教 > 真宗系
出版年月日 2014/08/01
ISBN 9784000259880
判型・ページ数 4-6・331ページ
定価 本体3,600円+税
在庫 お取り寄せ
歎異抄の存在を広く伝え,大正期を中心に多くの青年知識人に慕われた宗教者・近角常観。 第一部では「絶対の慈悲」を説き続けたその生涯と宗教活動を、第二部では、若き日に常観と触れ合い,後に哲学・文学・精神分析の分野で独自の活躍をなした人々に見られるその影響を解読。 新出資料「宮沢賢治一族書簡翻刻」を収録。
はじめに

第一部 近角常観の生涯と活動

第一章 西洋近代との出会い――本郷の求道会館

1 求道会館の外観

2 常観の欧米視察

3 求道会館の建設

第二章 幼少年時代――琵琶湖のほとり

1 西源寺の歴史

2 父常随の訓導

第三章 学生時代――仏教青年会運動と回心

1 東京での学生生活

2 常観の決定的回心

第四章 青年常観の政治活動――『政教時報』

1 第一次宗教法案反対運動

2 常観の二面性――「内面的信仰」と「社会的繋がり」

第五章 壮年常観の信仰運動――『求道』

1 「求道」

2 「信仰告白」の斬新性

第六章 信徒からみた常観の説教

1 福島政雄の回心

2 白井成允の回心

3 絶対の慈悲

第七章 家族観にみる前近代と近代

1 常観の家族観

2 常観の夫婦関係

第八章 晩年の宗門運動――『信界建現』

1 句仏問題

2 常観の宗門運動――法律・倫理・宗教伝統の次元

3 宗教活動の終焉


第二部 常観と青年知識人たち

第九章 宗教と精神分析――古澤平作の阿闍世コンプレックス

1 古澤平作のふたりの師

2 古澤平作の阿闍世コンプレックス論

3 「とろかし」の技法とその実践

4 古澤平作から小此木啓吾へ

第一〇章 宗教と文学(一)――嘉村礒多の私小説

1 礒多の略歴と新資料

2 礒多の文学と常観の倫理観

第一一章 宗教と文学(二)――宮澤賢治一族と常観

1 常観と宮澤一族との関係

2 トシと真宗

3 賢治における真宗と法華経

4 賢治における「求道」

第一二章 宗教と哲学――三木清の宗教哲学

1 三木の人生と「宗教」

2 パスカル論に至る三木の宗教哲学

3 『構想力の論理』期における二つの課題

4 武内義範『教行信証の哲学』への依拠

5 常観から三木清・武内義範へ

おわりに


資料 宮澤賢治一族書簡翻刻

近角常観 略年譜

あとがき

人名索引

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