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釈雲照と戒律の近代【日本仏教史研究叢書】

日本史上最後とされる戒律復興運動を展開した近代初期の真言宗僧・釈雲照。その事績を再検証し、近代仏教史上における意義を問い直す

著者 亀山 光明
出版社 法藏館
ジャンル 歴史・資料 > 歴史
シリーズ 叢書 > 日本仏教史研究叢書
出版年月日 2022/08/26
ISBN 9784831860453
判型・ページ数 4-6・322ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
明治期に日本史上最後とされる戒律復興運動を展開した真言宗僧・釈雲照。彼は本当に「近代との対決を拒否」した「遅れた仏教者」だったのか。雲照の思想と事績を再検証し、近代仏教史上における意義を問い直す。


第一節 戒律と「日本仏教」/第二節 「戒律の近代」を問うこと/第三節 近代日本の「宗教」概念と戒律/第四節 釈雲照という人物/第五節 吉田敏雄の『釈雲照』とその周辺―迷信・貴族的仏教・旧仏教―/第六節 草繋全宜著『釈雲照』の成立とその背景/第七節 「明治」の仏教者から「近代」の仏教者へ―戦後仏教史学と雲照―/第八節 本書の課題と構成

第一章 戒律主義と「国民道徳」論―宗門改革期の釈雲照―
はじめに/第一節 雲照の戒律主義に見る国家仏教論の展開―僧尼令から国教論へ―/第二節 明治初期の排耶論における雲照の位相―学術・文明・道徳―/第三節 戒律論と「国民道徳」の展開―近代における戒律の語り方―/おわりに

第二章 戒律の近代―釈雲照における初期十善戒思想の展開―
はじめに/第一節 仏教界における十善戒思想への注目―明治一〇年代の国粋主義をコンテキストとして―/雲照における十善戒の初期思想―その語りの形成と展開―/仏教総合論への視座―実践論としての「仏教」―/おわりに

第三章 在家と十善戒―明治中期における仏教実践の創出に着目して―
はじめに/第一節 十善戒実践の形成―在家儀礼と聖典の創出をコンテキストとして―/第二節 「易行」としての戒律―「十悪」と「十善」―/第三節 念仏と戒律の対比―易行としての十善戒実践―/おわりに

第四章 善悪を超えて―釈雲照と加藤弘之の「仏教因果説」論争と戒律実践―
はじめに/第一節 「仏教因果説」論争の背景―「科学」と「宗教」の交錯―/第二節 「善悪因果」と戒律―論争以前の雲照―/第三節 雲照の門弟と加藤弘之の論争―「因果」と「易行」を中心に―/第四節 雲照と加藤弘之の論争―『哲学雑誌』を中心に―/おわりに

第五章 正法と末法―釈雲照の戒律復興論とその条件―
はじめに/第一節 戒律学校から目白僧園へ―正法運動の射程―/第二節 僧伽・戒律・「国民道徳」―雲照の正法言説と律僧の位相―/第三節 「正法」を求めて―末法における「正法」の条件―/第四節 「正法王」の出興―正法回復のプログラム―/おわりに

第六章 旧仏教の逆襲―明治後期における新仏教徒と雲照の交錯をめぐって―
はじめに/第一節 「新仏教」運動について/第二節 一八九〇年代における釈雲照と雑誌『仏教』/第三節 世紀転換期における戒律の語り方―新仏教徒による雲照論をめぐって―/第四節 釈雲照から新仏教への論駁―仏教改良・実践・信仰をめぐって―/おわりに

第七章 越境する持戒僧たち―釈雲照の朝鮮体験とその意義―
はじめに/第一節 先行研究の整理と課題/第二節 真言宗の朝鮮布教と雲照の位相/第三節 田中清純の朝鮮仏教観―「持戒」「平民」「形式」をめぐって―/第四節 雲照と海印寺の法談―朝鮮仏教と戒律―/第五節 朝鮮を「正法」の国へ―釈雲照の朝鮮仏教改良論をめぐって―/おわりに

第八章 近代日本における戒律と国民教育―日本主義・皇道論を視角として―
はじめに/第一節 教育の宗教としての仏教―世界主義と日本主義をめぐって―/第二節 「仏教」から「皇道」へ―最晩年の雲照の語りの戦略―/おわりに

終 章 成果と課題
第一節 近代日本の宗教概念とプラクティス/第二節 「戒律の近代」とは何であったか/第三節 今後の展望

初出一覧/図版出典一覧/あとがき

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