未来へつなぐ解放運動

絶望から再生への〈光芒のきざし〉

著者 宮本 正人
出版社 明石書店
ジャンル 入門・お経・実用 > 生・死、福祉・医療
出版年月日 2013/11/25
ISBN 9784750339214
判型・ページ数 4-6・350ページ
定価 本体2,300円+税
在庫 お取り寄せ
自身の差別・被差別の体験の苦悩から部落解放運動の世界に飛び込んだ著者が、自らの歩みから過去の著作までをまとめた35年の活動の記録。さらに、東日本大震災以後、閉塞する社会で差別に立ち向かう子どもと若者たちに、より良い未来への希望の光を見る。
Ⅰ 私の歩み・出遇い

第1章 「部落民」としての「誇り」を求めて
 記憶の「部落」
 「劣等コンプレックス」の植えつけ
 キャッチアップ戦略
 被差別体験の衝撃
 自らの〈ルーツ〉を求めて――卒業論文「近世被差別部落成立史の研究」

第2章 出遇い――部落の文化と固有の価値の〈発見〉
 差別主義への気づきと贖罪意識
 大阪・部落解放センターでのさまざまな出会い
 部落の文化闘争と第三世界
 「戦略」としての「部落」
 部落解放同盟の世界へ
 ふたたび大阪へ
 韓国被差別民との出会い

第3章 三重・松阪での解放運動
 部落解放同盟の結成
 「同和」教育運動の展開
 中南勢ブロック協議会の結成
 『部落解放へのあゆみ――歴史の光と影・いま』の出版

第4章 共感と想像力
 転換点としての一九八九年
 松阪市人権擁護都市宣言
 松阪市同和対策審議会答申
 松同推の活動の歩み
 「未指定地区」の実態
 にんげんの街へ
 「境界」の越え方

第5章 新しい風・新しい波
 二つの絆
 くり返される包摂と排除
 人権問題のパラダイム転換に向けて
 「ゆめ・であい・ふれあい」運動の提唱――新しい風・新しい波
 松阪商業高校教員差別事件の教訓
 部落史研究の再開

第6章 未来へ導くもの
 市民運動としての部落解放運動の展開
 「ゆめネットみえ」の闘い方
 差別事件と個人の変革
 「国民化」への警鐘
 再度のチャレンジと決意

第7章 3・11と子どもたち
 今日の若者と部落差別問題
 3・11が顕在化させたもの
 子どもたちから発せられるもの


Ⅱ 差別問題研究の中から

第1章 戦前・戦中の三重松阪と上田音市
 はじめに
 原点としての同化願望
 町への同化運動と新たな序列化
 「臣民平等論」の展開
 「労農水三角同盟」の幻想
 皇民運動・翼賛運動の推進

第2章 三重松阪の都市部落が経験した近代
 はじめに――近代松阪と被差別部落
 「差異ある国民」の誕生
 「自己決定権」をめぐる抗争
 部落解放運動の再出発のあり方
 戦後における「暴民像」の再編
 反貧困運動の展開
 おわりに――新たな〈はじまり〉のために

補遺――「部落民」という位置が意味するもの

第3章 三重県における「未指定地区」の実態
 三重県の被差別部落の概況
 「未指定地区」の実態
 被差別者の誇りの回復に向けて

第4章 韓国被差別民との交流
 はしがき
 民族解放と人間解放のはざま
 韓国被差別民との対話

第5章 「3・11」と「部落史研究」――解放運動の再生のために
 はじめに――「3・11」と向きあうことの意味
 人間の真の価値の再発見
 継続する差別主義・植民地主義
 新たな視座からの「部落史」試論
 おわりに――人間の真の価値をめぐる闘い、ふたたび

 第Ⅱ部 初出一覧


 あとがき

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