アジアの宗教とソーシャル・キャピタル 【叢書 宗教とソーシャル・キャピタル1】

著者 櫻井 義秀
濱田 陽
出版社 明石書店
ジャンル 哲学・思想 > 宗教総論
出版年月日 2012/12/15
ISBN 9784750337319
判型・ページ数 4-6・302ページ
定価 本体2,500円+税
在庫 お取り寄せ
宗教が人々に生きる力を与え、多様な立場の人を巻き込んだ社会関係を生み出し、社会の信頼と活力を増すことがあるとすれば、それはどのような条件で可能か? アジア宗教の事例をふまえ、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の概念を手がかりに考察する。
刊行にあたって(櫻井義秀・稲場圭信)
 まえがき――社会に貢献する宗教の比較社会・文化学(櫻井義秀)

総説 ソーシャル・キャピタル論の射程(櫻井義秀)
 1 「無縁」から「絆」の時代に
 2 社会形成に必要なソーシャル・キャピタル
 3 ソーシャル・キャピタル論の思想的系譜
 4 ソーシャル・キャピタル論と社会分析
 5 宗教文化にソーシャル・キャピタルを読む


I 宗教研究とソーシャル・キャピタル

第一章 ソーシャル・キャピタルと宗教(櫻井義秀)
 1 宗教縁は社会を救えるか
 2 宗教とソーシャル・キャピタルの調査研究
 3 アメリカの教会とソーシャル・サービス
 4 タイの上座仏教寺院と社会開発
 5 日本における宗教的ソーシャル・キャピタル

第二章 現代日本における伝統仏教と社会活動への参加――全国調査データの計量分析(寺沢重法)
 はじめに
 1 宗教と社会活動への参加をめぐる議論
 2 データ
 3 分析
 おわりに――ソーシャル・キャピタルとしての伝統仏教


II 宗教による社会貢献の諸相

第三章 賀川豊彦の孤独と協同組合――自然・宗教から社会関係資本へ(濱田陽)
 1 協同組合とソーシャル・キャピタル
 2 自然資本と宗教資本
 3 社会関係資本を導いた総合的人間性
 4 新たなる社会関係の潜在力

第四章 軍事組織における宗教と聖職者(石川明人)
 はじめに
 1 アメリカ軍のチャプレン制度
 2 従軍チャプレンたちが考えていること
 3 日本の軍事組織におけるキリスト教伝道
 4 キリスト者自衛官と一般のキリスト教会との葛藤
 おわりに

第五章 中国政府の宗教政策と「公益」活動――チベット系仏学院の震災救援活動を通じて(川田進)
 1 中国における信教の自由と宗教活動
 2 青海省大震災と仏学院の救援活動
 3 玉樹の民族・宗教事情とダライ・ラマ十四世
 4 ソーシャル・キャピタルとしての仏学院
 5 中国政府が求める「宗教の社会貢献」

 column
  ○ロシア正教会の復興(井上まどか)
  ○ヨーロッパのタイ寺院(ティラポン・クルプラントン)


III アジアの諸宗教がつくるソーシャル・キャピタル

第六章 中国と東南アジアの華人社会――民間信仰と結びついた慈善団体「善堂」(玉置充子)
 はじめに
 1 中国――潮州地方の善堂
 2 タイにおける善堂の発展
 おわりに

第七章 イスラームとソーシャル・キャピタル(高尾賢一郎)
 はじめに
 1 イスラームの「ソーシャル・キャピタル」性
 2 サウジアラビアとイスラーム
 おわりに

第八章 ヒンドゥー教と福祉(岡光信子)
 はじめに
 1 インドにおける公的な福祉政策
 2 ヒンドゥー教の社会観と世界観
 3 近代のヒンドゥー教社会改革運動
 4 現代のヒンドゥー教に見られる社会改革の流れ
 おわりに――ヒンドゥー教内部の改革運動の限界と課題

第九章 「開発」のなかの仏教僧侶と社会活動――タイ東北地方スリン県の「開発僧」ナーン比丘の事例研究(泉経武)
 はじめに
 1 「開発の時代」と仏教僧侶
 2 ナーン比丘の開発活動――スリン県ムアン郡ターサワン村
 3 考察

 column
  ○韓国キリスト教会における福祉活動(中西尋子)
  ○ソロモン諸島の民族紛争とアングリカン教会(石森大知)


 あとがき(櫻井義秀)

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