寒山詩 【禅の語録13】

著者 入谷 仙介
松村 昂
出版社 筑摩書房
ジャンル 日本仏教 > 禅宗系
シリーズ 禅の語録
出版年月日 1970/11/15
ISBN 9784480323132
判型・ページ数 A5・544ページ
定価 本体8,500円+税
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寒山は謎の人物である。森鴎外が『寒山拾得』で語るように、隋のころ天台の山中で乞食生活をしたという伝説と、竹木石壁に書きちらしたという詩三百余首のみが残る。それらの作品は、実は唐の中ごろの詩だという説もある。それは奔放自在、理想境寒山に託して高い超越的境地を語るかと思えば、凡人の凡情、みにくい世態に鋭い観察を示す。大胆に俗語を駆使して、深い宗教的思索を歌ったその詩は、中国の文学における一大孤峰である。
閭丘胤序

〔寒山詩〕
 一、重厳に我れ卜居す
 二、凡そ我が詩を読む者は
 三、笑う可し寒山の道
 四、安身の処を得んと欲すれば
 五、吾が心は秋の月の
  ほか

〔豊干詩〕
 一、余の天台に来りて自り
 二、本来 一物無く

〔拾得詩〕
 一、此の天台の寺に到りし自従り
 二、君見ずや 三界の中 粉として擾擾
 三、我れ頑鈍な人を見るに
 四、君見よ 月光の明るくして
 五、余の住するは方所無く
  ほか

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