『阿毘達磨集論』の伝承

インドからチベットへ、そして過去から未来へ

著者 高橋 晃一
根本 裕史
出版社 文学通信
ジャンル 各地域仏教 > インド・チベット
出版年月日 2021/03/22
ISBN 9784909658517
判型・ページ数 A5・161ページ
定価 本体2,400円+税
在庫 在庫あり
本書が取り上げるのは5世紀ごろにインドの学僧アサンガによって書かれた仏教の哲学文献、『阿毘達磨集論』である。
もともとサンスクリット語によって書かれたこの文献のほとんどは長いあいだ散逸し、断片が残っているに過ぎない状況であったが、近年の写本発見などにより、資料の全貌が明らかになりつつある。
新たに発見された資料、そしてそれにもとづいて復元された原典はなにを物語るのか。
インドからチベットへ、そして過去から現在に至るまでそれはいかに伝承されてきたのか。
最新の研究成果にもとづき、『阿毘達磨集論』の原典・翻訳・註釈について多角的に論じる。
執筆は、高橋晃一、根本裕史、Achim Bayer、彭毛才旦、李 学竹、崔 境眞。
序にかえて●高橋晃一
 1.『阿毘達磨集論』とは
 2. 著者アサンガについて
 3.『阿毘達磨集論』に関する新資料
 4.『カダム全書』所収の『阿毘達磨集論』注釈
 5. XML による電子テキストの作成

Chapter 1 『阿毘達磨集論』における「アビダルマ」とは何か?
       ──『カダム全書』所収資料を手掛かりに──●高橋晃一
 1.「アビダルマ」という概念
 2. 注釈書における扱い
 3.『倶舎論』におけるアビダルマの定義
 4. チョムデン・リクレルのアビダルマ解釈
 5. パンロツァーワとロドゥギェンツェンの解釈
 6. プトゥンのアビダルマ解釈
 7. チョムデン・リクレルのアビダルマ理解の意義― 結論にかえて―

Chapter 2 Hidden Intentions(abhisaṃdhi)in the Abhidharmasamuccaya and Other Yogācāra Treatises
       ●Achim Bayer
 1. Hidden Intentions: From Graded Discourses to the Saṃdhinirmocana
 2. Precursors of Yogācāra abhisaṃdhi
 3. Hidden Intentions in Yogācāra Treatises
 4. The ālayavijñāna in the Yogācārabhūmi and the Abhidharmasamuccaya
 5. The Structure of the Abhidharmasamuccaya
 6. The abhisaṃdhi section in the Abhidharmasamuccaya

Chapter 3 ションヌ・チャンチュプ『阿毘達磨集論』註釈の思想史上の位置づけ●彭毛才旦
 0. 問題の所在
 1. ションヌ・チャンチュプによる中観派分類
 2. チョムデン・リクレル等による中観派分類
 3. チョムデン・リクレルとゲルク派の相違
 4. シャーキャ・チョクデンによる中観派分類
 5. 結論

Chapter 4 『阿毘達磨集論』の梵文写本について●李 学竹
 1. Abhidharmasamuccaya の断片写本
 2. Abhidharmasamuccayavyākhyā写本A
 3. Abhidharmasamuccayavyākhyā写本B
 4. おわりに

Chapter 5 チベット撰述注釈書の構造化記述について
       ──チョムデン・リクレル著『阿毘達磨集論釈・荘厳華』に対して──●崔 境眞
 1. チョムデン・リクレルと『阿毘達磨集論釈・荘厳華』について
 2. XML による構造化記述
 3.『阿毘達磨集論釈・荘厳華』に対する XML マークアップの具体例
 4. 終わりに

Chapter 6 チベット仏教文献研究の覚書──源流・内在・幻出──●根本裕史
 1. 何のためにチベット仏教文献を学ぶのか
 2. チベット語訳の諸問題
 3. チベット仏教文献の価値
 4. おわりに

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