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梅原猛と仏教の思想

ロマンに満ち溢れ、多くの文化人を魅了してきた「梅原日本学」。その展開に仏教はいかなる着想を与えたのか。待望の本格的思想評伝!

著者 菅原 潤
出版社 法藏館
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2022/06/15
ISBN 9784831855701
判型・ページ数 4-6・256ページ
定価 本体1,800円+税
在庫 在庫あり
ロマンと情熱に満ち溢れ、多くの文化人を魅了してきた「梅原日本学」。その展開に仏教はいかなる着想を与えたのか。大胆かつ独創的な思索の源泉に迫った、待望の本格思想評伝!
序 章 仏教思想家として梅原猛を読む
梅原猛は「哲学者」なのか/新旧京都学派との関係/和辻哲郎との違い/顕密体制の観点の欠如/本書の構成

第一章 闇から笑いへ:哲学修業時代
オタクな少年時代/敗戦直後の哲学科で/山内得立との関係/感情への注目/流転のロゴス/笑いの六つの定式/九鬼周造との関係

第二章 仏教の思想:上山春平との共同研究
新京都学派との出会い/上山との関係/地獄の思想と生命の思想/『仏教の思想』のねらい/官能性を肯定する密教/ニーチェ的な仏教/日蓮・親鸞・道元との関係/和辻の博士論文/文芸的な仏教理解へ/無の思想の正体/鈴木大拙への批判/文学者からの評価

第三章 古代史から人類哲学へ:独自路線の模索
古代史への関心/水戸学と国学の忌避/仏教から照葉樹林文化へ――上山春平の世界史的立場/文明の生態史観とパースの結合――上山の課題/陰謀論への傾斜/芸術畑からの反応/古代史からアイヌへ/小麦文明への対抗心/太陽神への注目/多神教対一神教――「文明の衝突」?/「近代の超克」との類似性/上山による梅原評

第四章 「日本学派」の思想:国際日本文化研究センターの人脈
オルガナイザーとしての卓越した手腕/初代所長に就任するまで/反ナショナリストの気概/人事・組織の特徴/三人の所長経験者/海域交流の視点/「身内」からの陰謀論批判/人文研との違い

第五章 空海から法然へ:仏教研究の転換
最澄への新たな関心/空海研究の困難さ/天台本覚思想への注目/中国浄土思想の系譜/聖徳太子の影響/上山の最澄観との違い/親鸞の取り扱い/『歎異抄』の抱える問題/法然を中心とする日本仏教/清僧のイメージの払拭/二種廻向について/往相即還相について/浄土を信じない現代人/諸刃の剣としての本覚思想

終 章 顕密体制論と神仏融合:近年の研究との比較
歴史学者ではない/日本文化と仏教の思想/哲学者というよりは思想家/上山による唯識の哲学的解釈/暁烏敏批判と官能性の肯定/顕密体制論とは何か/顕密仏教と両立可能な悪人正機説/建永の法難について/アマテラスと大日如来の習合/神仏融合へ

あとがき

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